九州大学 1963年 文系 第2問 解説

方針・初手
2つの式の大小比較であるから、差をとって符号を調べるのが基本である。与えられた式 $x \sin x + y \sin y$ と $x \sin y + y \sin x$ はどちらも $x, y$ に関する対称式であることに着目し、差を因数分解して符号の判定を行う。
解法1
2式の差を考えると、
$$(x \sin x + y \sin y) - (x \sin y + y \sin x) = x(\sin x - \sin y) - y(\sin x - \sin y)$$
$$= (x - y)(\sin x - \sin y)$$
と変形できる。
ここで、$0 < t < \frac{\pi}{2}$ において、$f(t) = \sin t$ は単調に増加する関数である。 したがって、$x$ と $y$ の大小関係によって、以下の3つの場合が考えられる。
(i) $x > y$ のとき
$x - y > 0$ であり、$f(t)$ の単調増加性から $\sin x > \sin y$ すなわち $\sin x - \sin y > 0$ となる。 よって、$(x - y)(\sin x - \sin y) > 0$ である。
(ii) $x < y$ のとき
$x - y < 0$ であり、$f(t)$ の単調増加性から $\sin x < \sin y$ すなわち $\sin x - \sin y < 0$ となる。 よって、$(x - y)(\sin x - \sin y) > 0$ である。
(iii) $x = y$ のとき
$x - y = 0$ であり、$\sin x - \sin y = 0$ となる。 よって、$(x - y)(\sin x - \sin y) = 0$ である。
(i)、(ii)、(iii) のいずれの場合においても、常に $(x - y)(\sin x - \sin y) \geqq 0$ が成り立つ。 等号が成立するのは $x = y$ のときである。
したがって、
$$x \sin x + y \sin y \geqq x \sin y + y \sin x$$
が成り立つ。
解説
大小比較の基本である「差をとる」という方針に従えば、自然と因数分解の形が見える典型問題である。差の式が $(x - y)(\sin x - \sin y)$ と因数分解できた後は、$y = \sin x$ のグラフが指定された範囲内で単調増加であることを利用する。
一般に、定義域で単調増加な関数 $f(t)$ に対しては、任意の $x, y$ について $(x - y)\{f(x) - f(y)\} \geqq 0$ が成り立つ。この性質を正確に把握していれば、難なく完答できる。答案を書く際は、大小関係に応じた場合分けを丁寧に行い、論理の飛躍がないように記述することが求められる。
答え
$x \sin x + y \sin y \geqq x \sin y + y \sin x$ (または $x \sin y + y \sin x \leqq x \sin x + y \sin y$) 等号成立は $x = y$ のとき。
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