九州大学 1963年 文系 第5問 解説

方針・初手
- 点 $P$ と $Q$ が原点を端点とする同一半直線上にあるという条件を、実数倍のベクトルを用いて立式する。
- $OP \cdot OQ = 1$ を用いて点 $Q$ の座標 $(u, v)$ を $(x, y)$ で表す。
- 点 $Q'$、点 $M$ の座標を順に求め、点 $M$ が $x$ 軸上にあるという条件($y$ 座標が $0$)から、点 $P$ の座標 $(x, y)$ が満たすべき関係式を導出する。
解法1
(1)
点 $P(x, y)$ と点 $Q(u, v)$ は原点 $O$ より出る同一半直線上にあるから、点 $P$ は原点ではなく、$(x, y) \neq (0, 0)$ である。
また、実数 $k > 0$ を用いて $\vec{OQ} = k\vec{OP}$ と表すことができる。
条件 $OP \cdot OQ = 1$ より、
$$|\vec{OP}| |k\vec{OP}| = 1$$
$$k|\vec{OP}|^2 = 1$$
$|\vec{OP}|^2 = x^2 + y^2$ であるから、
$$k(x^2 + y^2) = 1$$
$$k = \frac{1}{x^2 + y^2}$$
したがって、
$$\vec{OQ} = \frac{1}{x^2 + y^2} \vec{OP}$$
$\vec{OP} = (x, y)$、$\vec{OQ} = (u, v)$ であるから、各成分を比較して、
$$u = \frac{x}{x^2 + y^2}, \quad v = \frac{y}{x^2 + y^2}$$
(2)
条件 (b) より、点 $Q'$ は $x$ 軸に関して点 $Q$ と対称であるから、その座標は $(u, -v)$ である。
すなわち、
$$Q' \left( \frac{x}{x^2 + y^2}, -\frac{y}{x^2 + y^2} \right)$$
条件 (c) より、点 $M$ は線分 $PQ'$ の中点である。点 $M$ の座標を $(X, Y)$ とおくと、
$$X = \frac{1}{2} \left( x + \frac{x}{x^2 + y^2} \right)$$
$$Y = \frac{1}{2} \left( y - \frac{y}{x^2 + y^2} \right) = \frac{y}{2} \left( 1 - \frac{1}{x^2 + y^2} \right)$$
点 $M$ が $x$ 軸上を動くとき、$M$ の $y$ 座標は $0$ となるから、$Y = 0$ である。
したがって、
$$\frac{y}{2} \left( 1 - \frac{1}{x^2 + y^2} \right) = 0$$
この等式が成り立つための条件は、
$$y = 0 \quad \text{または} \quad 1 - \frac{1}{x^2 + y^2} = 0$$
$1 - \frac{1}{x^2 + y^2} = 0$ を整理すると、
$$x^2 + y^2 = 1$$
(1) で確認したように前提として $(x, y) \neq (0, 0)$ であるから、$y = 0$ のときは $x \neq 0$ となる。
また、$x^2 + y^2 = 1$ 上の点はすべて $(x, y) \neq (0, 0)$ を満たす。
よって、求める点 $P$ の軌跡は、直線 $y = 0$ (ただし原点を除く)および円 $x^2 + y^2 = 1$ である。
解説
- 本問は、原点を中心とする反転($OP \cdot OQ = r^2$)を背景とした問題である。
- 条件から点 $M$ の座標を求めて $y$ 座標を $0$ と置くだけの素直な軌跡の問題であり、丁寧に立式すれば計算量は少ない。
- 軌跡を答える際に、前提条件である「$P$ は原点とは異なる」ことから生じる除外点(原点)を漏らさないように注意が必要である。
- 方程式を解いた結果、軌跡が円と直線の和集合として現れる点も特徴的である。
答え
(1)
$$u = \frac{x}{x^2 + y^2}, \quad v = \frac{y}{x^2 + y^2}$$
(2) $x$ 軸(ただし、原点を除く) および 原点を中心とする半径 $1$ の円($x^2 + y^2 = 1$)
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