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九州大学 1973年 文系 第2問 解説

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九州大学 1973年 文系 第2問 解説

方針・初手

交点の座標を $(X, Y)$ とおき、この点を通る接線が2本引ける条件から、接点の $x$ 座標に関する2次方程式を作成する。 その2次方程式の2つの実数解を $t_1, t_2$ とし、解と係数の関係を利用する。2接線の傾きはそれぞれ $t_1, t_2$ となるため、2直線のなす角に関する $\tan$ の公式を用いて条件式を立式し、軌跡の方程式を求める。 軌跡を求める際は、接線が2本存在するための条件(判別式)を満たしているかの確認を忘れないようにする。

解法1

$y = \frac{x^2}{2}$ を微分すると $y' = x$ である。 放物線上の点 $\left( t, \frac{t^2}{2} \right)$ における接線の方程式は、

$$y - \frac{t^2}{2} = t(x - t)$$

すなわち、

$$y = tx - \frac{t^2}{2}$$

となる。 この接線が点 $(X, Y)$ を通るとき、

$$Y = tX - \frac{t^2}{2}$$

整理して、$t$ についての2次方程式を得る。

$$t^2 - 2Xt + 2Y = 0 \quad \cdots (1)$$

点 $(X, Y)$ から2本の接線が引ける条件は、方程式 (1) が異なる2つの実数解をもつことである。 (1) の判別式を $D$ とすると、$\frac{D}{4} > 0$ より、

$$X^2 - 2Y > 0 \quad \cdots (2)$$

を満たす必要がある。

(1) の2つの解を $t_1, t_2$ とすると、これらは2本の接線の傾きを表す。 解と係数の関係より、

$$\begin{aligned} t_1 + t_2 &= 2X \\ t_1 t_2 &= 2Y \end{aligned}$$

が成り立つ。

2接線のなす角を $\theta \ (0^\circ \le \theta \le 90^\circ)$ とする。 $t_1 t_2 = -1$ すなわち $2Y = -1$ のとき、2接線は直交するため、なす角は $90^\circ$ となり条件を満たさない。よって $t_1 t_2 \neq -1$ としてよい。 このとき、

$$\tan \theta = \left| \frac{t_1 - t_2}{1 + t_1 t_2} \right|$$

問題の条件より、「なす角またはその補角が $45^\circ$」であることは、鋭角として測ったなす角 $\theta$ が $45^\circ$ であることと同値である。 $\tan 45^\circ = 1$ より、

$$\left| \frac{t_1 - t_2}{1 + t_1 t_2} \right| = 1$$

両辺を2乗して整理する。

$$(t_1 - t_2)^2 = (1 + t_1 t_2)^2$$

$$(t_1 + t_2)^2 - 4t_1 t_2 = (1 + t_1 t_2)^2$$

解と係数の関係を利用して $X, Y$ で表すと、

$$(2X)^2 - 4(2Y) = (1 + 2Y)^2$$

$$4X^2 - 8Y = 1 + 4Y + 4Y^2$$

$$4X^2 - 4Y^2 - 12Y - 1 = 0$$

$$4X^2 - 4 \left( Y^2 + 3Y \right) - 1 = 0$$

$$4X^2 - 4 \left( Y + \frac{3}{2} \right)^2 + 9 - 1 = 0$$

$$4X^2 - 4 \left( Y + \frac{3}{2} \right)^2 = -8$$

両辺を $-8$ で割って、

$$\frac{\left( Y + \frac{3}{2} \right)^2}{2} - \frac{X^2}{2} = 1 \quad \cdots (3)$$

ここで、(3) を満たす点 $(X, Y)$ が条件 (2) を満たすか確認する。 (3) より $X^2 = \left( Y + \frac{3}{2} \right)^2 - 2$ であるから、これを (2) の左辺に代入すると、

$$\begin{aligned} X^2 - 2Y &= \left( Y + \frac{3}{2} \right)^2 - 2 - 2Y \\ &= Y^2 + 3Y + \frac{9}{4} - 2 - 2Y \\ &= Y^2 + Y + \frac{1}{4} \\ &= \left( Y + \frac{1}{2} \right)^2 \ge 0 \end{aligned}$$

となる。 等号が成立するのは $Y = -\frac{1}{2}$ のときであるが、これを (3) に代入すると $X^2 = -1$ となり、実数 $X$ は存在しない。 よって、(3) 上の実数点 $(X, Y)$ においては常に $X^2 - 2Y > 0$ が成り立つ。 したがって、求める図形は $xy$ 平面上の双曲線となる。

解説

放物線の外部の点から引いた2本の接線に関する軌跡の標準的な問題である。 接点の $x$ 座標を文字でおき、接線の方程式が交点を通ることから、接点の $x$ 座標に関する2次方程式を導くのが定石である。 また、2直線のなす角が与えられている場合は、接線の傾きと $\tan$ の加法定理から導かれる公式 $\tan \theta = \left| \frac{m_1 - m_2}{1 + m_1 m_2} \right|$ を用いて立式し、解と係数の関係と組み合わせる処理が非常に有効である。 軌跡の方程式を求めた後、接線が2本引ける条件(判別式)を満たしているかの確認(逆の確認)を怠らないように注意したい。

答え

双曲線 $\frac{\left( y + \frac{3}{2} \right)^2}{2} - \frac{x^2}{2} = 1$

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