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九州大学 1976年 文系 第4問 解説

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九州大学 1976年 文系 第4問 解説

方針・初手

点 $P$ の $x$ 座標を文字 $t$ でおき、図の斜線部分の面積 $S$ を $t$ の式で表す。図より、$x=t$ を境にして直線と放物線の上下関係が入れ替わることに注意して定積分を立式する。面積の式が得られたら、それを $t$ の関数とみなし、微分法を用いて最小値を求める。

解法1

点 $P$ は曲線 $y=x^2$ 上の点で、原点 $O(0, 0)$ から点 $A(1, 1)$ まで動くので、点 $P$ の $x$ 座標を $t$ とおくと、$P$ の座標は $(t, t^2)$ と表せる。このとき $t$ のとりうる値の範囲は $0 \leqq t \leqq 1$ である。

2点 $O, P$ を通る直線の傾きは $\frac{t^2}{t} = t$ であるから、直線 $OP$ の方程式は

$$y = tx$$

となる。($t=0$ のときは点 $P$ が原点 $O$ に一致するため直線が一つに定まらないが、極限を考えて直線の式を $y=0$ とみなせば、面積の計算上問題ない。)

斜線を引いた部分の面積を $S$ とおくと、$S$ は区間 $0 \leqq x \leqq t$ の部分と、区間 $t \leqq x \leqq 1$ の部分の面積の和となる。 区間 $0 \leqq x \leqq t$ では、直線 $y=tx$ が曲線 $y=x^2$ の上側にあり、区間 $t \leqq x \leqq 1$ では、曲線 $y=x^2$ が直線 $y=tx$ の上側にある。 したがって、面積 $S$ は次の定積分で求められる。

$$S = \int_{0}^{t} (tx - x^2) dx + \int_{t}^{1} (x^2 - tx) dx$$

それぞれの定積分を計算する。 前半の積分は、

$$\int_{0}^{t} (tx - x^2) dx = \left[ \frac{1}{2}tx^2 - \frac{1}{3}x^3 \right]_{0}^{t} = \frac{1}{2}t^3 - \frac{1}{3}t^3 = \frac{1}{6}t^3$$

後半の積分は、

$$\int_{t}^{1} (x^2 - tx) dx = \left[ \frac{1}{3}x^3 - \frac{1}{2}tx^2 \right]_{t}^{1} = \left( \frac{1}{3} - \frac{1}{2}t \right) - \left( \frac{1}{3}t^3 - \frac{1}{2}t^3 \right) = \frac{1}{6}t^3 - \frac{1}{2}t + \frac{1}{3}$$

これらを足し合わせると、

$$S = \frac{1}{6}t^3 + \left( \frac{1}{6}t^3 - \frac{1}{2}t + \frac{1}{3} \right) = \frac{1}{3}t^3 - \frac{1}{2}t + \frac{1}{3}$$

ここで、$S$ を $t$ の関数とみて $f(t) = \frac{1}{3}t^3 - \frac{1}{2}t + \frac{1}{3}$ とおく。 $f(t)$ を $t$ について微分すると、

$$f'(t) = t^2 - \frac{1}{2} = \left( t - \frac{\sqrt{2}}{2} \right)\left( t + \frac{\sqrt{2}}{2} \right)$$

$0 \leqq t \leqq 1$ の範囲において $f'(t) = 0$ となるのは $t = \frac{\sqrt{2}}{2}$ のときである。 $0 \leqq t \leqq 1$ における $f(t)$ の増減を調べると、$0 \leqq t < \frac{\sqrt{2}}{2}$ のとき $f'(t) < 0$、$ \frac{\sqrt{2}}{2} < t \leqq 1$ のとき $f'(t) > 0$ となる。 したがって、$f(t)$ は $t = \frac{\sqrt{2}}{2}$ のとき極小かつ最小となる。

このとき、点 $P$ の $y$ 座標は

$$y = \left( \frac{\sqrt{2}}{2} \right)^2 = \frac{2}{4} = \frac{1}{2}$$

よって、面積が最小となる点 $P$ の座標は $\left( \frac{\sqrt{2}}{2}, \frac{1}{2} \right)$ である。

解説

交点(本問では点 $P$)を境に関数の上下関係が入れ替わることに注意して面積を立式する、定積分の基本的な問題である。グラフの位置関係を正確に把握し、区間を分割して積分を行うことが重要である。 前半の積分 $\int_{0}^{t} (tx - x^2) dx$ は、放物線と直線で囲まれた面積であるため、公式 $\int_{\alpha}^{\beta} -(x-\alpha)(x-\beta) dx = \frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いて $\frac{1}{6}t^3$ と素早く計算して計算ミスを防ぐ工夫も有効である。 面積の式を導出した後は、得られた三次関数の導関数を調べ、定義域内での増減から最小値を特定する。

答え

$$\left( \frac{\sqrt{2}}{2}, \frac{1}{2} \right)$$

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