九州大学 2020年 文系 第1問 解説

方針・初手
- (1)は2つの放物線の方程式から $y$ を消去し、得られた $x$ についての2次方程式が異なる2つの実数解をもつ条件を判別式を用いて求める。
- (2)は2次関数の差の定積分であるため、いわゆる「$\frac{1}{6}$公式」を用いて面積 $S$ を $\alpha, \beta$ (2つの交点の $x$ 座標)の式で表す。
- $S$ の式を $a$ の関数として表し、微分を用いてその最大値を求める。
解法1
(1)
$C_1$ と $C_2$ の方程式から $y$ を消去する。
$$x^2 = 3(x-a)^2 + a^3 - 40$$
展開して整理すると、
$$x^2 = 3(x^2 - 2ax + a^2) + a^3 - 40$$
$$2x^2 - 6ax + a^3 + 3a^2 - 40 = 0$$
$C_1$ と $C_2$ が異なる2点で交わるための条件は、この $x$ についての2次方程式が異なる2つの実数解をもつことである。 この2次方程式の判別式を $D$ とすると、$D > 0$ が条件となる。
$$\frac{D}{4} = (-3a)^2 - 2(a^3 + 3a^2 - 40)$$
$$= 9a^2 - 2a^3 - 6a^2 + 80$$
$$= -2a^3 + 3a^2 + 80$$
したがって、不等式 $-2a^3 + 3a^2 + 80 > 0$ を解く。 両辺に $-1$ を掛けて整理すると、
$$2a^3 - 3a^2 - 80 < 0$$
左辺を $f(a)$ とおくと、$f(4) = 2 \cdot 4^3 - 3 \cdot 4^2 - 80 = 128 - 48 - 80 = 0$ となるため、因数定理より $f(a)$ は $a-4$ を因数にもつ。 因数分解すると、
$$(a-4)(2a^2 + 5a + 20) < 0$$
ここで、$2a^2 + 5a + 20 = 2\left(a + \frac{5}{4}\right)^2 + \frac{135}{8} > 0$ であるから、
$$a - 4 < 0$$
$$a < 4$$
問題の条件 $a \geqq 0$ と合わせて、求める $a$ の値の範囲は、
$$0 \leqq a < 4$$
(2)
$C_1$ と $C_2$ の交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$) とおく。 これらは (1) で求めた2次方程式 $2x^2 - 6ax + a^3 + 3a^2 - 40 = 0$ の解である。 解と係数の関係より、
$$\alpha + \beta = 3a$$
$$\alpha\beta = \frac{a^3 + 3a^2 - 40}{2}$$
区間 $\alpha \leqq x \leqq \beta$ においては、$-2x^2 + 6ax - a^3 - 3a^2 + 40 \geqq 0$ すなわち $x^2 \leqq 3(x-a)^2 + a^3 - 40$ となるため、$C_1$ が $C_2$ の上側(または交点)にある。 よって、求める面積 $S$ は次のように計算できる。
$$S = \int_{\alpha}^{\beta} \left\{ x^2 - \left( 3(x-a)^2 + a^3 - 40 \right) \right\} dx$$
$$= \int_{\alpha}^{\beta} (-2x^2 + 6ax - a^3 - 3a^2 + 40) dx$$
$$= -2 \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx$$
公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いると、
$$S = -2 \left\{ -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3 \right\} = \frac{1}{3}(\beta-\alpha)^3$$
ここで、$(\beta-\alpha)^2$ を $a$ を用いて表す。
$$(\beta-\alpha)^2 = (\alpha+\beta)^2 - 4\alpha\beta$$
$$= (3a)^2 - 4 \cdot \frac{a^3 + 3a^2 - 40}{2}$$
$$= 9a^2 - 2(a^3 + 3a^2 - 40)$$
$$= -2a^3 + 3a^2 + 80$$
$\beta > \alpha$ より $\beta - \alpha > 0$ であるから、
$$\beta-\alpha = \sqrt{-2a^3 + 3a^2 + 80}$$
これを $S$ の式に代入する。
$$S = \frac{1}{3} (-2a^3 + 3a^2 + 80)^{\frac{3}{2}}$$
$S$ が最大となるのは、根号の中身である $g(a) = -2a^3 + 3a^2 + 80$ が最大のときである。 $g(a)$ を $a$ について微分すると、
$$g'(a) = -6a^2 + 6a = -6a(a-1)$$
$g'(a) = 0$ とすると、$a = 0, 1$ (1) で求めた範囲 $0 \leqq a < 4$ における $g(a)$ の増減表は次のようになる。
| $a$ | $0$ | $\cdots$ | $1$ | $\cdots$ | $(4)$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $g'(a)$ | $0$ | $+$ | $0$ | $-$ | |
| $g(a)$ | $80$ | $\nearrow$ | $81$ | $\searrow$ |
増減表より、$g(a)$ は $a=1$ のとき最大値 $81$ をとる。 このとき、面積 $S$ の最大値は、
$$S = \frac{1}{3} \cdot 81^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{3} \cdot \left( 9^2 \right)^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{3} \cdot 9^3 = \frac{729}{3} = 243$$
解説
- 面積を求める際に、2次方程式の解を具体的に求めて積分するのは計算が煩雑になるため避けるべきである。交点の $x$ 座標を文字でおき、解と係数の関係と定積分の $\frac{1}{6}$ 公式を組み合わせて面積を立式するのが定石である。
- $S$ を直接微分するのではなく、$S$ の増減と $(\beta-\alpha)^2$ の増減が一致することに着目し、中身の3次関数の最大値を求める問題に帰着させると計算ミスを防ぎやすい。
- (1)の判別式で現れる式と、(2)の $(\beta-\alpha)^2$ の式が本質的に一致するのは、2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の2つの解の差が $\frac{\sqrt{D}}{|a|}$ となることに由来する。
答え
(1) $0 \leqq a < 4$
(2) 最大値 243
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