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名古屋大学 1977年 文系 第5問 解説

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名古屋大学 1977年 文系 第5問 解説

方針・初手

まず、円の方程式を求めます。円の中心を $x$ 軸上の点とし、半直線 $y = \frac{1}{\sqrt{3}}x \ (x \geqq 0)$ に接する条件から、中心の座標を半径 $r$ を用いて表します。

次に、円の存在する $x$ 座標の範囲と直線 $x = 1$ との位置関係によって場合分けを行います。円の右端が $x = 1$ の左側に収まる場合と、右側にはみ出す場合で、回転させる領域の形状が異なるためです。

最後に、各範囲において求めた体積 $V(r)$ を $r$ の関数として微分し、増減表を用いて最大値を与える $r$ を求めます。

解法1

円の中心は $x$ 軸上にあるので、$(a, 0)$ とおく。接点は $x \geqq 0$ の領域にあるため $a > 0$ である。 直線の方程式は $x - \sqrt{3}y = 0 \ (x \geqq 0)$ と表せる。 円と直線が接するので、円の中心から直線までの距離は半径 $r$ に等しい。

$$ \frac{|a - \sqrt{3} \cdot 0|}{\sqrt{1^2 + (-\sqrt{3})^2}} = r $$

$$ \frac{|a|}{2} = r $$

$a > 0$ より $a = 2r$ である。 したがって、円の中心は $(2r, 0)$ であり、円の方程式は次のように表される。

$$ (x - 2r)^2 + y^2 = r^2 $$

この円が $x$ 軸上に存在する範囲は、$2r - r \leqq x \leqq 2r + r$ より $r \leqq x \leqq 3r$ である。 求める立体は、この円の内部のうち $x \leqq 1$ の部分を $x$ 軸のまわりに回転させたものである。 円と直線 $x = 1$ の位置関係によって、次のように場合分けを行う。

(i) 円の全体が直線 $x = 1$ の左側(線上を含む)にある場合 円の右端の $x$ 座標が $1$ 以下であればよいので、

$$ 3r \leqq 1 \iff 0 < r \leqq \frac{1}{3} $$

このとき、回転体は半径 $r$ の球そのものになるため、その体積を $V(r)$ とすると、

$$ V(r) = \frac{4}{3}\pi r^3 $$

この範囲において $V(r)$ は単調に増加し、最大値は

$$ V\left(\frac{1}{3}\right) = \frac{4}{3}\pi \left(\frac{1}{3}\right)^3 = \frac{4}{81}\pi $$

(ii) 円の一部が直線 $x = 1$ の右側にはみ出す場合 円の左端は $x = r$ であり、問題の条件 $0 < r < 1$ より常に $r < 1$ である。したがって、円の右端が $x=1$ より右側にある条件は、

$$ 3r > 1 \iff \frac{1}{3} < r < 1 $$

このとき、円の $r \leqq x \leqq 1$ の部分を回転させることになる。 円の方程式から $y^2 = r^2 - (x - 2r)^2$ であるから、体積 $V(r)$ は

$$ \begin{aligned} V(r) &= \pi \int_{r}^{1} y^2 \, dx \\ &= \pi \int_{r}^{1} \left\{ r^2 - (x - 2r)^2 \right\} dx \\ &= \pi \left[ r^2 x - \frac{1}{3}(x - 2r)^3 \right]_{r}^{1} \\ &= \pi \left\{ \left( r^2 - \frac{1}{3}(1 - 2r)^3 \right) - \left( r^3 - \frac{1}{3}(r - 2r)^3 \right) \right\} \\ &= \pi \left\{ r^2 - \frac{1}{3}(1 - 6r + 12r^2 - 8r^3) - \left( r^3 + \frac{1}{3}r^3 \right) \right\} \\ &= \pi \left( r^2 - \frac{1}{3} + 2r - 4r^2 + \frac{8}{3}r^3 - \frac{4}{3}r^3 \right) \\ &= \pi \left( \frac{4}{3}r^3 - 3r^2 + 2r - \frac{1}{3} \right) \\ &= \frac{\pi}{3} (4r^3 - 9r^2 + 6r - 1) \end{aligned} $$

最大値を求めるため、この関数を $r$ で微分する。

$$ \begin{aligned} V'(r) &= \frac{\pi}{3} (12r^2 - 18r + 6) \\ &= 2\pi (2r^2 - 3r + 1) \\ &= 2\pi (2r - 1)(r - 1) \end{aligned} $$

$V'(r) = 0$ となるのは $r = \frac{1}{2}, 1$ である。 $\frac{1}{3} < r < 1$ の範囲における $V(r)$ の増減表は次のようになる。

$r$ $\left(\frac{1}{3}\right)$ $\cdots$ $\frac{1}{2}$ $\cdots$ $(1)$
$V'(r)$ $+$ $0$ $-$
$V(r)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

したがって、この範囲における最大値は $r = \frac{1}{2}$ のときであり、その値は

$$ \begin{aligned} V\left(\frac{1}{2}\right) &= \frac{\pi}{3} \left( 4 \cdot \frac{1}{8} - 9 \cdot \frac{1}{4} + 6 \cdot \frac{1}{2} - 1 \right) \\ &= \frac{\pi}{3} \left( \frac{1}{2} - \frac{9}{4} + 3 - 1 \right) \\ &= \frac{\pi}{3} \left( \frac{2 - 9 + 12 - 4}{4} \right) \\ &= \frac{\pi}{12} \end{aligned} $$

(i), (ii) を総合すると、各範囲の最大値は $\frac{\pi}{12}$ と $\frac{4}{81}\pi$ である。 $\frac{\pi}{12} = \frac{27}{324}\pi$、$\frac{4}{81}\pi = \frac{16}{324}\pi$ より $\frac{\pi}{12} > \frac{4}{81}\pi$ であるから、$0 < r < 1$ における体積 $V(r)$ の最大値は $\frac{\pi}{12}$ であり、そのときの $r$ の値は $r = \frac{1}{2}$ である。

解説

座標平面上の円と直線が接する条件から、円の方程式を正確に立てることが第一歩です。点と直線の距離の公式を用いると、中心の座標を簡潔に表現できます。

本問の最大のポイントは「直線 $x=1$ の左側にある部分」という条件による場合分けです。パラメータ $r$ の値によって円全体が対象領域に収まるか、あるいは一部が切り取られるかが変わるため、図形的な位置関係を $x$ 座標を用いて評価することが求められます。

体積を求める積分計算においては、被積分関数の $(x - 2r)^2$ を展開せずに $\int (x - 2r)^2 \, dx = \frac{1}{3}(x - 2r)^3$ と積分公式を用いることで、計算の負担とミスを減らすことができます。

答え

体積:

$$ \begin{cases} \frac{4}{3}\pi r^3 & \left(0 < r \leqq \frac{1}{3}\text{ のとき}\right) \\ \frac{\pi}{3} (4r^3 - 9r^2 + 6r - 1) & \left(\frac{1}{3} < r < 1\text{ のとき}\right) \end{cases} $$

体積を最大にする $r$ の値:

$$ r = \frac{1}{2} $$

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