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九州大学 1976年 理系 第3問 解説

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九州大学 1976年 理系 第3問 解説

方針・初手

2曲線の交点の $x$ 座標を求め、グラフの上下関係を把握して面積 $S$ を定積分で立式します。交点の $x$ 座標は複雑な式になるため、解と係数の関係やいわゆる「$\frac{1}{6}$公式」を利用して $S$ を $a$ の式で表すと計算が見通しやすくなります。その後、$S$ の式を微分して最小値を求めます。

解法1

$y = ax^2$ と $y = ax + 1$ の交点の $x$ 座標は、方程式

$$ax^2 = ax + 1$$

すなわち

$$ax^2 - ax - 1 = 0 \quad \cdots \text{①}$$

の解である。 $a > 0$ であるから、①の判別式を $D$ とすると

$$D = (-a)^2 - 4 \cdot a \cdot (-1) = a^2 + 4a > 0$$

となり、①は異なる2つの実数解をもつ。これらを $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$)とする。 解と係数の関係より

$$\alpha + \beta = 1, \quad \alpha\beta = -\frac{1}{a}$$

であり、

$$(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta = 1^2 - 4\left(-\frac{1}{a}\right) = \frac{a + 4}{a}$$

$\beta - \alpha > 0$ より

$$\beta - \alpha = \sqrt{\frac{a + 4}{a}}$$

となる。

区間 $\alpha \le x \le \beta$ において、$a > 0$ より放物線 $y = ax^2$ は下に凸であるから、直線 $y = ax + 1$ の方が上にある。 したがって、囲まれる部分の面積 $S$ は

$$S = \int_{\alpha}^{\beta} \{ (ax + 1) - ax^2 \} dx$$

$$S = -a \int_{\alpha}^{\beta} \left( x^2 - x - \frac{1}{a} \right) dx$$

$$S = -a \int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx$$

ここで定積分公式を用いると

$$S = -a \left\{ -\frac{1}{6} (\beta - \alpha)^3 \right\} = \frac{a}{6} (\beta - \alpha)^3$$

となる。 ここに $\beta - \alpha = \sqrt{\frac{a + 4}{a}}$ を代入して、

$$S = \frac{a}{6} \left( \sqrt{\frac{a + 4}{a}} \right)^3 = \frac{a}{6} \frac{(a + 4)\sqrt{a + 4}}{a\sqrt{a}} = \frac{1}{6} \frac{(a + 4)\sqrt{a + 4}}{\sqrt{a}}$$

$$S = \frac{1}{6} \sqrt{ \frac{(a + 4)^3}{a} }$$

ここで、根号の中身を $f(a) = \frac{(a + 4)^3}{a}$ とおき、$a > 0$ における $f(a)$ の最小値を考える。 関数を微分しやすくするために展開すると

$$f(a) = \frac{a^3 + 12a^2 + 48a + 64}{a} = a^2 + 12a + 48 + \frac{64}{a}$$

$$f'(a) = 2a + 12 - \frac{64}{a^2} = \frac{2a^3 + 12a^2 - 64}{a^2}$$

分子について、$P(a) = 2a^3 + 12a^2 - 64$ とおくと、$P(2) = 16 + 48 - 64 = 0$ となるから、因数定理より $P(a)$ は $a - 2$ を因数にもつ。 因数分解すると

$$P(a) = 2(a^3 + 6a^2 - 32) = 2(a - 2)(a^2 + 8a + 16) = 2(a - 2)(a + 4)^2$$

したがって

$$f'(a) = \frac{2(a - 2)(a + 4)^2}{a^2}$$

$a > 0$ において $f'(a) = 0$ となるのは $a = 2$ のときである。 $a > 0$ における $f(a)$ の増減表は以下のようになる。

$a$ $(0)$ $\cdots$ $2$ $\cdots$
$f'(a)$ $-$ $0$ $+$
$f(a)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$f(a)$ は $a = 2$ で最小値をとる。 このとき、

$$f(2) = \frac{(2 + 4)^3}{2} = \frac{216}{2} = 108$$

$S$ は $f(a)$ が最小のときに最小となり、その最小値は

$$S = \frac{1}{6} \sqrt{108} = \frac{1}{6} \cdot 6\sqrt{3} = \sqrt{3}$$

となる。

解説

放物線と直線で囲まれた面積を求める典型問題です。交点の座標が複雑になるため、解の公式を用いて直接代入して計算するのではなく、交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とおき、解と係数の関係および $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta)dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ の公式を用いて面積を立式するのが定石です。

また、得られた面積 $S$ を $a$ の関数として微分する際、$S$ をそのまま微分するのではなく、ルートの中身である $f(a) = \frac{(a+4)^3}{a}$ を取り出して微分すると、計算の負担とミスを減らすことができます。

答え

$a = 2$ のとき、最小となる面積 $\sqrt{3}$

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