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北海道大学 2021年 文系 第4問 解説

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北海道大学 2021年 文系 第4問 解説

方針・初手

放物線 $C$ と直線 $l$ の交点の $x$ 座標を求め、積分区間とグラフの上下関係を把握する。 交点の $x$ 座標は $x$ の2次方程式を解くことで得られ、$k > -1$ の条件から交点の大小関係が確定する。これをもとに面積 $S_1$ と $S_2$ を定積分で表し、差の関数の増減を微積分を用いて調べる。

解法1

放物線 $C: y = x^2$ と直線 $l: y = (1-k)x + k$ の交点の $x$ 座標は、方程式

$$x^2 = (1-k)x + k$$

を解いて求める。整理すると、

$$x^2 - (1-k)x - k = 0$$

$$(x - 1)(x + k) = 0$$

ゆえに、$x = 1, -k$ となる。 条件より $k > -1$ であるから、$-k < 1$ である。

(1)

$C$ と $l$ で囲まれた部分は $-k \le x \le 1$ の範囲であり、この区間において直線 $l$ は放物線 $C$ の上側にある。 したがって、面積 $S_1$ は

$$S_1 = \int_{-k}^{1} \{ (1-k)x + k - x^2 \} dx$$

$$S_1 = -\int_{-k}^{1} (x-1)(x+k) dx$$

公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いて計算すると、

$$S_1 = \frac{1}{6} \{ 1 - (-k) \}^3 = \frac{(k+1)^3}{6}$$

(2)

$C$ と $l$ と直線 $x=2$ で囲まれた領域について考える。 交点の $x$ 座標が $x = -k, 1$ であり、$-k < 1 < 2$ であるから、対象となる領域の $x$ の範囲は $1 \le x \le 2$ である。 この区間において、放物線 $C$ は直線 $l$ の上側にある。 したがって、面積 $S_2$ は

$$S_2 = \int_{1}^{2} \{ x^2 - ((1-k)x + k) \} dx$$

$$S_2 = \int_{1}^{2} (x^2 + (k-1)x - k) dx$$

これを計算すると、

$$S_2 = \left[ \frac{1}{3}x^3 + \frac{k-1}{2}x^2 - kx \right]_{1}^{2}$$

$$S_2 = \left( \frac{8}{3} + 2(k-1) - 2k \right) - \left( \frac{1}{3} + \frac{k-1}{2} - k \right)$$

$$S_2 = \left( \frac{8}{3} - 2 \right) - \left( \frac{1}{3} - \frac{k+1}{2} \right)$$

$$S_2 = \frac{2}{3} - \frac{1}{3} + \frac{k+1}{2}$$

$$S_2 = \frac{3k+5}{6}$$

(3)

(1), (2) の結果より、$S_2 - S_1$ を $k$ の関数 $f(k)$ とおくと、

$$f(k) = S_2 - S_1 = \frac{3k+5}{6} - \frac{(k+1)^3}{6}$$

$$f(k) = \frac{1}{6} \{ 3k+5 - (k^3 + 3k^2 + 3k + 1) \}$$

$$f(k) = \frac{1}{6} (-k^3 - 3k^2 + 4)$$

$f(k)$ を $k$ で微分すると、

$$f'(k) = \frac{1}{6} (-3k^2 - 6k) = -\frac{1}{2}k(k+2)$$

$f'(k) = 0$ とすると $k = 0, -2$ である。 $k > -1$ の範囲における $f(k)$ の増減表は次のようになる。

$k$ $(-1)$ $\cdots$ $0$ $\cdots$
$f'(k)$ $+$ $0$ $-$
$f(k)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(k)$ は $k = 0$ で極大かつ最大となる。 したがって、求める最大値は

$$f(0) = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}$$

解説

2曲線で囲まれた面積の基本問題である。 交点の $x$ 座標を求め、$k$ の条件から大小関係を判定し、グラフの上下関係を正しく把握することが第一のポイントである。 定積分の計算においては、(1)は $\frac{1}{6}$ 公式を用いることで計算ミスを防ぎつつ素早く答えを出すことができる。 (3)は微分を用いた関数の最大・最小問題であり、定義域 $k > -1$ に注意して増減を調べることで完答できる。計算量も標準的であり、確実に得点したい問題である。

答え

(1) $S_1 = \frac{(k+1)^3}{6}$

(2) $S_2 = \frac{3k+5}{6}$

(3) 最大値 $\frac{2}{3}$

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