九州大学 1971年 理系 第6問 解説

方針・初手
点 $P(0, 1)$ を通る直線を $y = mx + 1$ とおき、放物線と接することから判別式を用いて接線の傾き $m$ を求める。得られた接線の方程式から $x$ 軸との交点 $Q, R$ の座標を求め、底辺 $QR$ の長さと高さを考慮して三角形の面積を $a$ の関数として表し、微分を用いて最小値を調べる。
解法1
(1)
点 $P(0, 1)$ を通る直線は $y$ 軸に平行ではないため、傾きを $m$ として $y = mx + 1$ とおける。
この直線が放物線 $y = 4ax(1 - x) = -4ax^2 + 4ax$ と接するとき、これらを連立して得られる $x$ についての2次方程式
$$-4ax^2 + 4ax = mx + 1$$
すなわち
$$4ax^2 + (m - 4a)x + 1 = 0$$
が重解をもつ。$a > 0$ より $x^2$ の係数は $0$ ではないため、この2次方程式の判別式を $D$ とすると、$D = 0$ が成り立つ。
$$D = (m - 4a)^2 - 4 \cdot 4a \cdot 1 = 0$$
これを解くと、
$$(m - 4a)^2 = 16a$$
$a > 0$ であるから平方根をとると実数となり、
$$m - 4a = \pm 4\sqrt{a}$$
$$m = 4a \pm 4\sqrt{a}$$
よって、求める接線の方程式は以下のようになる。
$$y = (4a \pm 4\sqrt{a})x + 1$$
(2)
(1) で求めた2本の接線の傾きをそれぞれ $m_1, m_2$ ($m_1 > m_2$)とする。
$$m_1 = 4a + 4\sqrt{a}, \quad m_2 = 4a - 4\sqrt{a}$$
これらが $x$ 軸($y = 0$)と交わる交点 $Q, R$ の $x$ 座標は、それぞれ $x = -\frac{1}{m_1}, -\frac{1}{m_2}$ である。
ここで $0 < a < 1$ より $0 < \sqrt{a} < 1$ であるから、$\sqrt{a} + 1 \neq 0$ かつ $\sqrt{a} - 1 \neq 0$ となり、$m_1 \neq 0$ かつ $m_2 \neq 0$ であることは保証されている。
したがって、線分 $QR$ の長さは
$$QR = \left| -\frac{1}{m_1} - \left( -\frac{1}{m_2} \right) \right| = \frac{|m_1 - m_2|}{|m_1 m_2|}$$
ここで分子と分母のそれぞれの式を計算する。
$$m_1 - m_2 = (4a + 4\sqrt{a}) - (4a - 4\sqrt{a}) = 8\sqrt{a}$$
$$m_1 m_2 = (4a + 4\sqrt{a})(4a - 4\sqrt{a}) = 16a^2 - 16a = 16a(a - 1)$$
$0 < a < 1$ であるから $a - 1 < 0$ であり、$m_1 m_2 < 0$ となる。ゆえに絶対値は符号が反転して以下のようになる。
$$|m_1 m_2| = -16a(a - 1) = 16a(1 - a)$$
これを用いると $QR$ の長さは
$$QR = \frac{8\sqrt{a}}{16a(1 - a)} = \frac{1}{2\sqrt{a}(1 - a)}$$
$\triangle PQR$ の面積を $S$ とすると、底辺が $QR$、高さは点 $P$ の $y$ 座標の絶対値である $1$ なので、
$$S = \frac{1}{2} \cdot QR \cdot 1 = \frac{1}{4\sqrt{a}(1 - a)}$$
$S$ が最小となるのは、分母の $f(a) = \sqrt{a}(1 - a)$ が最大となるときである。
$f(a) = a^{\frac{1}{2}} - a^{\frac{3}{2}}$ を $a$ について微分すると、
$$f'(a) = \frac{1}{2}a^{-\frac{1}{2}} - \frac{3}{2}a^{\frac{1}{2}} = \frac{1 - 3a}{2\sqrt{a}}$$
$f'(a) = 0$ とすると、$a = \frac{1}{3}$ となる。
$0 < a < 1$ における $f(a)$ の増減表は以下のようになる。
$$\begin{array}{c|ccccc} a & (0) & \cdots & \frac{1}{3} & \cdots & (1) \\ \hline f'(a) & & + & 0 & - & \\ \hline f(a) & & \nearrow & \text{最大} & \searrow & \end{array}$$
これより、$f(a)$ は $a = \frac{1}{3}$ で最大となり、$S$ は最小となる。
よって、求める $a$ の値は $a = \frac{1}{3}$ である。
解説
接線を求める際、接点をおいて微分係数を利用する方針と、接線の式をおいて判別式を利用する方針がある。本問では接線が $y$ 軸上の点 $P(0, 1)$ を通ることがわかっているため、$y = mx + 1$ とおいて判別式を利用した方が計算量が少なく済む。
面積の最小化においては、得られた式をそのまま微分するのではなく、分子が定数であることを利用して分母の関数の最大化に帰着させることで、計算を大幅に簡略化できる。
答え
(1)
$$y = (4a \pm 4\sqrt{a})x + 1$$
(2)
$$a = \frac{1}{3}$$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











