九州大学 1981年 理系 第1問 解説

方針・初手
放物線と接線に関する標準的な微積分と図形の問題である。 まずは定義に従って放物線の $y$ 切片と接線の方程式を求め、それらの交点の座標を明らかにする。面積の計算においては、囲まれた図形がどのような境界線で構成されているかを図を想像しながら正確に把握し、定積分を行う部分と直角三角形の面積公式で求める部分に分割して計算するのがよい。
解法1
(1)
放物線 $y = f(x)$ と $y$ 軸との交点 $P$ の $x$ 座標は $0$ である。 $f(0)$ を計算すると、
$$f(0) = -0^2 + a^2 + a = a^2 + a$$
したがって、交点 $P$ の座標は $(0, a^2+a)$ である。
(2)
$f(x) = -x^2 + a^2 + a$ を $x$ について微分すると、
$$f'(x) = -2x$$
点 $Q(a, a)$ における接線の傾きは $f'(a) = -2a$ となる。 求める接線は点 $Q(a, a)$ を通り、傾きが $-2a$ の直線であるから、その方程式は
$$y - a = -2a(x - a)$$
整理して、
$$y = -2ax + 2a^2 + a$$
(3)
(2) で求めた接線と $x$ 軸との交点 $R$ の $y$ 座標は $0$ である。 $y = -2ax + 2a^2 + a$ に $y = 0$ を代入すると、
$$-2ax + 2a^2 + a = 0$$
$a > 0$ より、両辺を $a$ で割って $x$ について解くと、
$$\begin{aligned} -2x + 2a + 1 &= 0 \\ x &= a + \frac{1}{2} \end{aligned}$$
したがって、交点 $R$ の座標は $\left(a + \frac{1}{2}, 0\right)$ である。
(4)
図形 $OPQR$ は、曲線 $y = f(x) \ (0 \leqq x \leqq a)$ と $x$ 軸および $y$ 軸で囲まれた部分と、頂点が $(a, 0), \ \left(a+\frac{1}{2}, 0\right), \ (a, a)$ である直角三角形を合わせた図形である。 点 $Q$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足を $H(a, 0)$ とすると、求める面積 $S$ は、曲線 $y = f(x)$、$x$ 軸、$y$ 軸、$x=a$ の直線で囲まれた部分の面積 $S_1$ と、直角三角形 $\triangle QHR$ の面積 $S_2$ の和となる。
面積 $S_1$ は定積分を用いて次のように計算できる。
$$\begin{aligned} S_1 &= \int_{0}^{a} (-x^2 + a^2 + a) dx \\ &= \left[ -\frac{1}{3}x^3 + (a^2 + a)x \right]_{0}^{a} \\ &= -\frac{1}{3}a^3 + (a^2 + a)a \\ &= \frac{2}{3}a^3 + a^2 \end{aligned}$$
直角三角形 $\triangle QHR$ について、底辺は $HR = \left(a + \frac{1}{2}\right) - a = \frac{1}{2}$、高さは $QH = a$ であるから、
$$S_2 = \frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} \cdot a = \frac{1}{4}a$$
よって、求める面積 $S$ は、
$$\begin{aligned} S &= S_1 + S_2 \\ &= \frac{2}{3}a^3 + a^2 + \frac{1}{4}a \end{aligned}$$
(5)
点 $P$ の $y$ 座標は $a^2+a$ であり、$a>0$ より $a^2+a > 0$ であるから、線分 $OP$ の長さは、
$$OP = a^2 + a$$
点 $R$ の $x$ 座標は $a+\frac{1}{2}$ であり、$a>0$ より $a+\frac{1}{2} > 0$ であるから、線分 $OR$ の長さは、
$$OR = a + \frac{1}{2}$$
$OP = OR$ であるから、
$$a^2 + a = a + \frac{1}{2}$$
$$a^2 = \frac{1}{2}$$
$a > 0$ であるから、これを解いて、
$$a = \frac{1}{\sqrt{2}} = \frac{\sqrt{2}}{2}$$
このとき、面積 $S$ の値は、
$$\begin{aligned} S &= \frac{2}{3} \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^3 + \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right)^2 + \frac{1}{4} \left(\frac{1}{\sqrt{2}}\right) \\ &= \frac{2}{3} \cdot \frac{1}{2\sqrt{2}} + \frac{1}{2} + \frac{1}{4\sqrt{2}} \\ &= \frac{1}{3\sqrt{2}} + \frac{1}{2} + \frac{1}{4\sqrt{2}} \\ &= \frac{4 + 3}{12\sqrt{2}} + \frac{1}{2} \\ &= \frac{7}{12\sqrt{2}} + \frac{1}{2} \\ &= \frac{7\sqrt{2}}{24} + \frac{1}{2} \end{aligned}$$
解説
2次関数とその接線に関する基礎的な理解を問う問題である。 (4) の面積計算では、接線と $x$ 軸、$y$ 軸で囲まれた大きな直角三角形の面積から、接線と放物線と $y$ 軸で囲まれた部分の面積 $\int_{0}^{a} \{(-2ax + 2a^2 + a) - (-x^2 + a^2 + a)\} dx = \frac{1}{3}a^3$ を引くというアプローチでも同じ結果が得られ、こちらの計算も簡潔に済むため有用である。 計算ミスを防ぐために、面積をどの図形の足し引きで捉えるかを明確にすることが重要である。
答え
(1) $P(0, a^2+a)$
(2) $y = -2ax + 2a^2 + a$
(3) $R\left(a + \frac{1}{2}, 0\right)$
(4) $S = \frac{2}{3}a^3 + a^2 + \frac{1}{4}a$
(5) $a = \frac{\sqrt{2}}{2}, \ S = \frac{1}{2} + \frac{7\sqrt{2}}{24}$
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