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東京工業大学 1966年 理系 第4問 解説

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東京工業大学 1966年 理系 第4問 解説

方針・初手

2つの放物線の共通接線の方程式を文字でおき、放物線と接線の式の差が $(x - 接点のx座標)^2$ となる性質を利用する。その後、2つの放物線の交点の $x$ 座標を求め、接点と交点を区間とする定積分によって面積を計算する。

解法1

2つの放物線を $C_1: y = x^2 + ax + b$、$C_2: y = x^2 + cx + d$ とし、これらの共通接線を $l: y = mx + n$ とする。

$l$ は $C_1$ と $x = p$ で接し、$C_1$ の $x^2$ の係数は $1$ であるから、次の恒等式が成り立つ。

$$ x^2 + ax + b - (mx + n) = (x-p)^2 $$

同様に、$l$ は $C_2$ と $x = q$ で接し、$C_2$ の $x^2$ の係数も $1$ であるから、次の恒等式が成り立つ。

$$ x^2 + cx + d - (mx + n) = (x-q)^2 $$

ここで、$p = q$ と仮定すると、上の2式より $x^2 + ax + b = x^2 + cx + d$ となり、$a = c$ かつ $b = d$ が導かれる。これは問題の条件 $a \neq c$ に矛盾するため、$p \neq q$ である。

次に、$C_1$ と $C_2$ の交点の $x$ 座標を求める。$x^2 + ax + b = x^2 + cx + d$ より、

$$ (x-p)^2 + (mx+n) = (x-q)^2 + (mx+n) $$

$$ (x-p)^2 - (x-q)^2 = 0 $$

$$ (2x - p - q)(q - p) = 0 $$

$p \neq q$ より $q - p \neq 0$ であるから、

$$ 2x - p - q = 0 $$

$$ x = \frac{p+q}{2} $$

放物線 $C_1, C_2$ はいずれも下に凸であり、共通接線 $l$ は $C_1, C_2$ の下側に存在する。また、$C_1$ と $C_2$ の上下関係は交点 $x = \frac{p+q}{2}$ を境に入れ替わる。求める面積を $S$ とし、$p$ と $q$ の大小関係で場合分けを行う。

(i) $p < q$ のとき

積分区間は $p \leqq x \leqq \frac{p+q}{2}$ と $\frac{p+q}{2} \leqq x \leqq q$ に分かれる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{p}^{\frac{p+q}{2}} \{ (x^2+ax+b) - (mx+n) \} dx + \int_{\frac{p+q}{2}}^{q} \{ (x^2+cx+d) - (mx+n) \} dx \\ &= \int_{p}^{\frac{p+q}{2}} (x-p)^2 dx + \int_{\frac{p+q}{2}}^{q} (x-q)^2 dx \\ &= \left[ \frac{(x-p)^3}{3} \right]_p^{\frac{p+q}{2}} + \left[ \frac{(x-q)^3}{3} \right]_{\frac{p+q}{2}}^q \\ &= \frac{1}{3} \left( \frac{q-p}{2} \right)^3 - \frac{1}{3} \left( \frac{p-q}{2} \right)^3 \\ &= \frac{(q-p)^3}{24} + \frac{(q-p)^3}{24} \\ &= \frac{(q-p)^3}{12} \end{aligned} $$

(ii) $p > q$ のとき

積分区間は $q \leqq x \leqq \frac{p+q}{2}$ と $\frac{p+q}{2} \leqq x \leqq p$ に分かれる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{q}^{\frac{p+q}{2}} \{ (x^2+cx+d) - (mx+n) \} dx + \int_{\frac{p+q}{2}}^{p} \{ (x^2+ax+b) - (mx+n) \} dx \\ &= \int_{q}^{\frac{p+q}{2}} (x-q)^2 dx + \int_{\frac{p+q}{2}}^{p} (x-p)^2 dx \\ &= \left[ \frac{(x-q)^3}{3} \right]_q^{\frac{p+q}{2}} + \left[ \frac{(x-p)^3}{3} \right]_{\frac{p+q}{2}}^p \\ &= \frac{1}{3} \left( \frac{p-q}{2} \right)^3 - \frac{1}{3} \left( \frac{q-p}{2} \right)^3 \\ &= \frac{(p-q)^3}{24} + \frac{(p-q)^3}{24} \\ &= \frac{(p-q)^3}{12} \end{aligned} $$

(i), (ii) より、いずれの場合も $S = \frac{|p-q|^3}{12}$ と表される。

解説

2つの放物線と共通接線で囲まれた面積を求める典型問題である。接線の方程式を具体的に $a, b, p$ などを用いて表さなくても、「関数と接線の差が $(x - \alpha)^2$ となる」ことを用いれば、被積分関数を直ちに決定できる。

また、2次以上の係数が等しい2つの放物線の交点の $x$ 座標が、それぞれの接点の $x$ 座標の中点 $\frac{p+q}{2}$ になることは頻出の性質である。計算結果の $\frac{|p-q|^3}{12}$ は、いわゆる「$\frac{1}{12}$ 公式」として知られており、検算の指標としても役立つ。

答え

$$ \frac{|p-q|^3}{12} $$

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