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大阪大学 1965年 理系 第6問 解説

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大阪大学 1965年 理系 第6問 解説

方針・初手

点 $(1, 1)$ における接線が原点 $(0, 0)$ を通るという条件から、その接線の方程式は $y = x$ であることがわかる。これを利用し、放物線の方程式を恒等式を用いて $a$ だけで表す。その後、積分区間における放物線の $y$ 座標の符号を確認したうえで定積分を行い面積を求める。後半は、放物線の式を平方完成して頂点の座標を求め、それが第二象限にある条件から $a$ の範囲を絞り込む。

解法1

放物線 $y = ax^2 + bx + c$ 上の点 $(1, 1)$ における接線は、原点 $(0, 0)$ も通る。 したがって、この接線は2点 $(0, 0)$ と $(1, 1)$ を通る直線であるから、その方程式は $y = x$ となる。

放物線 $y = ax^2 + bx + c$ は、$x = 1$ において直線 $y = x$ と接するため、2つの式の差をとった $ax^2 + bx + c - x$ は $(x - 1)^2$ を因数にもつ。 $x^2$ の係数が $a$ であることから、次の恒等式が成り立つ。

$$ ax^2 + bx + c - x = a(x - 1)^2 $$

これを整理して、放物線の方程式は以下のように表される。

$$ y = a(x - 1)^2 + x $$

次に、面積を計算する。 $0 \le x \le 1$ の範囲において、条件より $a > 0$ であるため $a(x - 1)^2 \ge 0$ であり、また $x \ge 0$ である。 したがって、$y = a(x - 1)^2 + x \ge 0$ となり、この区間で放物線は $x$ 軸以上にある。 よって、放物線および3直線 $x = 0, x = 1, y = 0$ で囲まれる図形の面積 $S$ は、次の定積分で求められる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{0}^{1} \{a(x - 1)^2 + x\} \, dx \\ &= \left[ \frac{a}{3}(x - 1)^3 + \frac{1}{2}x^2 \right]_{0}^{1} \\ &= \left( 0 + \frac{1}{2} \right) - \left( -\frac{a}{3} + 0 \right) \\ &= \frac{a}{3} + \frac{1}{2} \end{aligned} $$

続いて、頂点が第二象限にある条件を考える。 放物線の方程式を展開して平方完成する。

$$ \begin{aligned} y &= a(x^2 - 2x + 1) + x \\ &= ax^2 + (1 - 2a)x + a \\ &= a\left( x + \frac{1 - 2a}{2a} \right)^2 - a\left( \frac{1 - 2a}{2a} \right)^2 + a \\ &= a\left( x - \frac{2a - 1}{2a} \right)^2 + a - \frac{1 - 4a + 4a^2}{4a} \\ &= a\left( x - \frac{2a - 1}{2a} \right)^2 + \frac{4a^2 - 1 + 4a - 4a^2}{4a} \\ &= a\left( x - \frac{2a - 1}{2a} \right)^2 + \frac{4a - 1}{4a} \end{aligned} $$

これにより、頂点の座標は $\left( \frac{2a - 1}{2a}, \frac{4a - 1}{4a} \right)$ であるとわかる。 頂点が第二象限 $(x < 0, y > 0)$ にあるための条件は、次の連立不等式を満たすことである。

$$ \begin{cases} \dfrac{2a - 1}{2a} < 0 \\ \dfrac{4a - 1}{4a} > 0 \end{cases} $$

条件より $a > 0$ であるため、分母は常に正である。したがって分子の符号を調べればよい。

$$ \begin{cases} 2a - 1 < 0 \\ 4a - 1 > 0 \end{cases} $$

これを解くと、

$$ \begin{cases} a < \dfrac{1}{2} \\ a > \dfrac{1}{4} \end{cases} $$

よって、$a$ のとりうる値の範囲は $\dfrac{1}{4} < a < \dfrac{1}{2}$ である。

この範囲における面積 $S = \dfrac{a}{3} + \dfrac{1}{2}$ のとりうる値の範囲を求める。 各辺を $3$ で割り、$\dfrac{1}{2}$ を加える。

$$ \begin{aligned} \frac{1}{12} &< \frac{a}{3} < \frac{1}{6} \\ \frac{1}{12} + \frac{1}{2} &< \frac{a}{3} + \frac{1}{2} < \frac{1}{6} + \frac{1}{2} \\ \frac{7}{12} &< S < \frac{2}{3} \end{aligned} $$

解説

「接線が原点を通る」という条件から、微分係数を用いて連立方程式を立てる($a+b+c=1$, $2a+b=1$ 等)方針でも解けるが、接線そのものが $y = x$ であることに着目して恒等式 $(f(x) - x = a(x - 1)^2)$ を立てる方が、計算量が大幅に減り、見通しよく進められる。 また、面積を定積分で求める際は、被積分関数が積分区間内で正であることを一言確認するのを忘れないようにしたい。

答え

面積を $a$ で表した式: $$\frac{a}{3} + \frac{1}{2}$$

面積のとりうる値の範囲: $$\frac{7}{12} < (\text{面積}) < \frac{2}{3}$$

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