九州大学 1986年 理系 第6問 解説

方針・初手
問題文の条件「区間 $[0, x]$ で曲線と $x$ 軸とではさまれた部分の面積」は定積分 $\int_0^x f(t) dt$ で表され、「長方形 OQPR の面積」は底辺 $x$、高さ $f(x)$ より $x f(x)$ で表されます。これらを等式で結び、両辺を $x$ で微分することで関数 $f(x)$ に関する微分方程式を導きます。導かれた方程式は変数分離形であるため、これを解いて $f(x)$ を決定します。
解法1
(1)
点 $P(x, f(x))$ について、$x>0, f(x)>0$ である。 長方形 OQPR の面積は $x f(x)$ と表される。また、区間 $[0, x]$ 上で曲線 $y=f(x)$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積は $\int_0^x f(t) dt$ である。 条件より、以下の等式が成り立つ。
$$\int_0^x f(t) dt = \frac{1}{n} x f(x)$$
$f(x)$ は微分可能であるから、この両辺を $x$ で微分する。右辺は積の微分法を用いると、
$$f(x) = \frac{1}{n} \{ 1 \cdot f(x) + x \cdot f'(x) \}$$
両辺に $n$ を掛けて整理すると、
$$n f(x) = f(x) + x f'(x)$$
$$(n-1) f(x) = x f'(x)$$
以上より、$f(x)$ は $x>0$ で微分方程式 $(n-1)f(x) = xf'(x)$ を満たすことが示された。
(2)
(1) で得られた微分方程式を変形する。$x>0, f(x)>0$ であるから、両辺を $x f(x)$ で割ると、
$$\frac{f'(x)}{f(x)} = \frac{n-1}{x}$$
両辺を $x$ について積分すると、
$$\int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \int \frac{n-1}{x} dx$$
$$\log |f(x)| = (n-1) \log |x| + C$$
($C$ は積分定数)
$x>0, f(x)>0$ より絶対値記号をそのまま外すことができる。
$$\log f(x) = (n-1) \log x + C$$
対数の性質より整理すると、
$$\log f(x) = \log x^{n-1} + C$$
$$f(x) = e^{\log x^{n-1} + C} = e^C x^{n-1}$$
ここで、正の定数 $A = e^C$ を用いると、一般解は以下のように表せる。
$$f(x) = A x^{n-1}$$
曲線 $y=f(x)$ が点 $(1, 2)$ を通ることから、$f(1) = 2$ である。
$$f(1) = A \cdot 1^{n-1} = A = 2$$
したがって、求める関数 $f(x)$ は、
$$f(x) = 2 x^{n-1}$$
解説
面積に関する条件から定積分を含む等式(積分方程式)を立て、両辺を微分して関数を求める微分方程式の典型問題です。 微分の際は、$\frac{d}{dx} \int_0^x f(t) dt = f(x)$ を用いるとともに、右辺の $x f(x)$ に対して積の微分公式 $(fg)' = f'g + fg'$ を忘れずに適用することが重要です。 また、(2) で微分方程式を解く際の変数分離において、割る式が $0$ にならないこと($f(x)>0, x>0$)を明記して除算・積分を進めると、論理の飛躍がない答案になります。
答え
(1) 本文の通り示された。
(2) $f(x) = 2x^{n-1}$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











