九州大学 1987年 文系 第1問 解説

方針・初手
曲線上の接点を $(t, t^3)$ とおいて接線の方程式を立て、それが点 $(0, 2)$ を通るという条件から接点の座標を求める。その後、曲線と接線の共有点を求め、上下関係を把握してから定積分で面積を計算する。
解法1
曲線 $C: y = x^3$ について、微分すると以下のようになる。
$$y' = 3x^2$$
曲線 $C$ 上の接点を $(t, t^3)$ とおくと、この点における接線 $l$ の方程式は、
$$y - t^3 = 3t^2(x - t)$$
整理して、以下を得る。
$$y = 3t^2x - 2t^3$$
この接線 $l$ が点 $(0, 2)$ を通るので、代入して、
$$2 = 3t^2 \cdot 0 - 2t^3$$
$$-2t^3 = 2$$
$$t^3 = -1$$
$t$ は実数であるから、$t = -1$ となる。 したがって、接線 $l$ の方程式は $t = -1$ を代入して、
$$y = 3x + 2$$
である。
次に、曲線 $C$ と接線 $l$ の共有点の $x$ 座標を求める。 $x^3 = 3x + 2$ より、
$$x^3 - 3x - 2 = 0$$
接点の $x$ 座標が $-1$ であることから、左辺は $(x + 1)^2$ を因数にもつ。これを用いて因数分解すると、
$$(x + 1)^2 (x - 2) = 0$$
よって、$x = -1, 2$ となり、接点以外の交点の $x$ 座標は $x = 2$ である。
$-1 \leqq x \leqq 2$ の範囲において、$(x + 1)^2 \geqq 0$ かつ $x - 2 \leqq 0$ であるため、
$$x^3 - 3x - 2 = (x + 1)^2(x - 2) \leqq 0$$
すなわち $x^3 \leqq 3x + 2$ が成り立つ。 したがって、この区間では接線 $l$ が曲線 $C$ の上側にある。
求める面積を $S$ とすると、
$$\begin{aligned} S &= \int_{-1}^{2} \{ (3x + 2) - x^3 \} \, dx \\ &= \left[ -\frac{x^4}{4} + \frac{3x^2}{2} + 2x \right]_{-1}^{2} \\ &= \left( -\frac{16}{4} + \frac{12}{2} + 4 \right) - \left( -\frac{1}{4} + \frac{3}{2} - 2 \right) \\ &= ( -4 + 6 + 4 ) - \left( \frac{-1 + 6 - 8}{4} \right) \\ &= 6 - \left( -\frac{3}{4} \right) \\ &= \frac{27}{4} \end{aligned}$$
解説
接線の方程式を求める際、「点 $(0, 2)$ における接線」ではなく「点 $(0, 2)$ を通る接線」であることに注意する。曲線外の点から引いた接線を考える定石通り、まずは接点を文字でおくことが重要である。
また、面積計算の定積分において、被積分関数が 3次関数と接線の差であるため、$(x - \alpha)^2(\beta - x)$ の形に因数分解できる性質を利用すると、計算の見通しが良くなる。公式として以下の関係を知っていると、計算結果の検算に役立つ。
$$\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)^2 (\beta - x) \, dx = \frac{(\beta - \alpha)^4}{12}$$
本問に当てはめると、$\alpha = -1, \beta = 2$ より面積は以下のように即座に求まる。
$$\frac{\{ 2 - (-1) \}^4}{12} = \frac{3^4}{12} = \frac{81}{12} = \frac{27}{4}$$
これにより、計算の正しさを確認することができる。
答え
$$\frac{27}{4}$$
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