九州大学 2009年 理系 第1問 解説

方針・初手
(1) は点 $C$ が直線 $AB$ 上にあることと、$OC \perp AB$ であることから、ベクトルを用いて点 $C$ の座標を求める。$|\overrightarrow{CP}|^2$ の計算は成分を用いて展開整理する。 (2) は(1)で求めた式を、定数 $s$ を含む $t$ の2次関数とみなし、平方完成して放物線の軸と定義域 $t \geqq 0$ の位置関係による場合分けを行う。
解法1
(1) 与えられた座標から、各ベクトルは以下のようになる。
$$ \overrightarrow{OA} = (2, 6) $$
$$ \overrightarrow{OB} = (3, 4) $$
$$ \overrightarrow{AB} = \overrightarrow{OB} - \overrightarrow{OA} = (3, 4) - (2, 6) = (1, -2) $$
点 $C$ は直線 $AB$ 上にあるので、実数 $k$ を用いて次のように表せる。
$$ \overrightarrow{OC} = \overrightarrow{OA} + k\overrightarrow{AB} = (2, 6) + k(1, -2) = (2+k, 6-2k) $$
また、$OC \perp AB$ より、$\overrightarrow{OC} \cdot \overrightarrow{AB} = 0$ であるから、
$$ (2+k) \cdot 1 + (6-2k) \cdot (-2) = 0 $$
$$ 2 + k - 12 + 4k = 0 $$
$$ 5k - 10 = 0 $$
$$ k = 2 $$
よって、$\overrightarrow{OC} = (4, 2)$ となり、点 $C$ の座標は $(4, 2)$ である。
次に、$|\overrightarrow{CP}|^2$ を計算する。
$$ \overrightarrow{OP} = s\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OB} = s(2, 6) + t(3, 4) = (2s+3t, 6s+4t) $$
$$ \overrightarrow{CP} = \overrightarrow{OP} - \overrightarrow{OC} = (2s+3t-4, 6s+4t-2) $$
であるから、各成分を2乗して和をとる。
$$ |\overrightarrow{CP}|^2 = (2s+3t-4)^2 + (6s+4t-2)^2 $$
$$ = (4s^2 + 9t^2 + 16 + 12st - 16s - 24t) + (36s^2 + 16t^2 + 4 + 48st - 24s - 16t) $$
$$ = 40s^2 + 25t^2 + 60st - 40s - 40t + 20 $$
(2) (1)の結果から、$|\overrightarrow{CP}|^2$ を $t$ の2次関数とみて $f(t)$ とおく。
$$ f(t) = 25t^2 + (60s - 40)t + 40s^2 - 40s + 20 $$
平方完成を行う。
$$ f(t) = 25 \left( t^2 + \frac{12s - 8}{5} t \right) + 40s^2 - 40s + 20 $$
$$ = 25 \left( t + \frac{6s - 4}{5} \right)^2 - 25 \left( \frac{6s - 4}{5} \right)^2 + 40s^2 - 40s + 20 $$
$$ = 25 \left( t + \frac{6s - 4}{5} \right)^2 - (36s^2 - 48s + 16) + 40s^2 - 40s + 20 $$
$$ = 25 \left( t + \frac{6s - 4}{5} \right)^2 + 4s^2 + 8s + 4 $$
$$ = 25 \left( t + \frac{6s - 4}{5} \right)^2 + 4(s + 1)^2 $$
この2次関数は、下に凸の放物線であり、軸の方程式は $t = \frac{-6s + 4}{5}$ である。 $t \geqq 0$ の範囲における最小値を求めるため、軸の位置によって場合分けを行う。
(i) $\frac{-6s + 4}{5} \geqq 0$、すなわち $s \leqq \frac{2}{3}$ のとき
放物線の軸 $t = \frac{-6s + 4}{5}$ が定義域 $t \geqq 0$ に含まれるため、$f(t)$ は頂点で最小となる。 よって、最小値は $4(s+1)^2$ である。
(ii) $\frac{-6s + 4}{5} < 0$、すなわち $s > \frac{2}{3}$ のとき
放物線の軸が定義域の左側(負の領域)にあるため、関数 $f(t)$ は $t \geqq 0$ の範囲で単調に増加する。 したがって、$f(t)$ は $t = 0$ で最小となる。 よって、最小値は $f(0) = 40s^2 - 40s + 20$ である。
解説
(1) は平面ベクトルにおける垂線の足の座標を求める標準的な問題である。ベクトルを用いた「直線上にある」「内積が0」という2つの条件の立式は確実に押さえておきたい。本問のように具体的な座標が与えられている場合は、成分計算を利用するのが簡明でミスが少ない。
(2) は(1)で得られた多変数の式を、特定の文字(ここでは $t$)についての2次関数として捉える視点が問われている。文字定数 $s$ を含むため、平方完成後の軸の位置によって最小値をとる $t$ の値が変わる。定義域 $t \geqq 0$ と軸の相対的な位置関係を把握し、丁寧に場合分けを行う典型的な処理である。
答え
(1) 点 $C(4, 2)$
$$ |\overrightarrow{CP}|^2 = 40s^2 + 25t^2 + 60st - 40s - 40t + 20 $$
(2) $s \leqq \frac{2}{3}$ のとき、$4(s+1)^2$ $s > \frac{2}{3}$ のとき、$40s^2 - 40s + 20$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











