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名古屋大学 1975年 文系 第2問 解説

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名古屋大学 1975年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) 与えられた2つの数を、同じ底を持つ対数の形に変形し、真数の大小を比較する。

(2) 辺の長さの大小関係を示すために、辺の比 $\frac{c}{b}$ を評価する。条件が角に関するものなので、正弦定理を用いて辺の比を角の三角関数の式に帰着させる。また、三角形の内角の和に関する条件から、角 $B$ のとり得る値の範囲を絞り込むことが重要である。

解法1

(1)

$\frac{3}{2}$ を底が $2$ の対数で表すと、

$$\frac{3}{2} = \frac{3}{2} \log_2 2 = \log_2 2^{\frac{3}{2}} = \log_2 \sqrt{2^3} = \log_2 \sqrt{8}$$

一方、$\log_2 3$ の真数を平方根の形で表すと、

$$\log_2 3 = \log_2 \sqrt{3^2} = \log_2 \sqrt{9}$$

真数を比較すると $\sqrt{9} > \sqrt{8}$ であり、底の $2$ は $1$ より大きいので、

$$\log_2 \sqrt{9} > \log_2 \sqrt{8}$$

したがって、

$$\log_2 3 > \frac{3}{2}$$

(2)

三角形 $\text{ABC}$ の内角をそれぞれ $A, B, C$ とする。三角形の内角の和は $\pi$ であるから、

$$A + B + C = \pi$$

条件より $C = 3B$ であるため、代入して整理すると、

$$A + 4B = \pi$$

$A > 0$ であるから、$4B < \pi$ となり、

$$0 < B < \frac{\pi}{4}$$

が成り立つ。正弦定理より、

$$\frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C}$$

となるため、辺の比 $\frac{c}{b}$ は次のように表される。

$$\frac{c}{b} = \frac{\sin C}{\sin B}$$

$C = 3B$ を代入し、3倍角の公式 $\sin 3B = 3\sin B - 4\sin^3 B$ を用いると、

$$\frac{c}{b} = \frac{\sin 3B}{\sin B} = \frac{3\sin B - 4\sin^3 B}{\sin B} = 3 - 4\sin^2 B$$

ここで、 $0 < B < \frac{\pi}{4}$ であるから、

$$0 < \sin B < \frac{1}{\sqrt{2}}$$

各辺を2乗すると、

$$0 < \sin^2 B < \frac{1}{2}$$

各辺に $-4$ を掛けて、

$$-2 < -4\sin^2 B < 0$$

各辺に $3$ を足すと、

$$1 < 3 - 4\sin^2 B < 3$$

すなわち、

$$1 < \frac{c}{b} < 3$$

辺の長さ $b$ は正であるから、各辺に $b$ を掛けて、

$$b < c < 3b$$

が示された。

解説

(1) は対数の大小比較の基本である。底を揃えるか、両辺を定数倍して真数が整数になるように比較に持ち込むのが定石である。両辺を2倍して $2\log_2 3 = \log_2 9$ と $3 = \log_2 8$ を比較してもよい。

(2) は辺の大小関係を証明する問題であるが、角の条件が与えられているため正弦定理を用いて辺の比を角の関数で表す方針が有効である。その際、単に変形するだけでなく、三角形の内角の和という前提条件から角 $B$ の定義域(とり得る値の範囲)を正確に求めることが重要となる。この範囲の絞り込みを忘れると、不等式の評価が行き詰まる。

答え

(1) $\log_2 3 > \frac{3}{2}$

(2) 題意の通り示された。

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