名古屋大学 1975年 文系 第3問 解説

方針・初手
$f(x)$ のグラフが3点 $O(0,0)$, $A(1,1)$, $B(3,9)$ を通ることに着目する。これらの点がすべて放物線 $y=x^2$ 上にあることを見抜ければ、$f(x) - x^2 = 0$ が $x=0, 1, 3$ を解にもつことを利用して、$f(x)$ を簡潔に設定できる。これに気づかなくても、素直に $f(x) = ax^3+bx^2+cx+d$ とおいて連立方程式を解くことで係数を決定できる。
解法1
3点 $O(0,0)$, $A(1,1)$, $B(3,9)$ の座標はすべて $y=x^2$ を満たす。 したがって、$g(x) = f(x) - x^2$ とおくと、$g(x)$ は3次式であり、$g(0)=0$, $g(1)=0$, $g(3)=0$ が成り立つ。 因数定理より、$g(x)$ は $x(x-1)(x-3)$ を因数にもつため、定数 $a$ ($a \neq 0$)を用いて次のように表せる。
$$ f(x) - x^2 = ax(x-1)(x-3) $$
よって、$f(x)$ は以下のように表される。
$$ \begin{aligned} f(x) &= ax(x^2 - 4x + 3) + x^2 \\ &= ax^3 + (1 - 4a)x^2 + 3ax \end{aligned} $$
これを $x$ で微分すると、導関数は次のようになる。
$$ f'(x) = 3ax^2 + 2(1 - 4a)x + 3a $$
点 $O(0,0)$ での接線の傾き $f'(0)$ および点 $B(3,9)$ での接線の傾き $f'(3)$ はそれぞれ以下の通りである。
$$ \begin{aligned} f'(0) &= 3a \\ f'(3) &= 3a \cdot 3^2 + 2(1 - 4a) \cdot 3 + 3a \\ &= 27a + 6 - 24a + 3a \\ &= 6a + 6 \end{aligned} $$
(1)
2点 $O, B$ でのグラフの接線が平行になるとき、その傾きは等しいので $f'(0) = f'(3)$ である。
$$ \begin{aligned} 3a &= 6a + 6 \\ 3a &= -6 \\ a &= -2 \end{aligned} $$
これは $a \neq 0$ を満たす。 したがって、求める $f(x)$ は
$$ \begin{aligned} f(x) &= -2x^3 + \{1 - 4(-2)\}x^2 + 3(-2)x \\ &= -2x^3 + 9x^2 - 6x \end{aligned} $$
(2)
2点 $O, B$ でのグラフの接線が直交するとき、傾きの積が $-1$ となるので $f'(0)f'(3) = -1$ である。
$$ \begin{aligned} 3a(6a + 6) &= -1 \\ 18a^2 + 18a + 1 &= 0 \end{aligned} $$
この2次方程式を解くと、
$$ a = \frac{-9 \pm \sqrt{9^2 - 18 \cdot 1}}{18} = \frac{-9 \pm \sqrt{63}}{18} = \frac{-3 \pm \sqrt{7}}{6} $$
これらは $a \neq 0$ を満たす実数である。 求めるものは点 $O$ での接線の方程式 $y = f'(0)x$ であり、傾きは $f'(0) = 3a$ であるから、
$$ 3a = 3 \cdot \frac{-3 \pm \sqrt{7}}{6} = \frac{-3 \pm \sqrt{7}}{2} $$
よって、点 $O$ での接線の方程式は以下のようになる。
$$ y = \frac{-3 \pm \sqrt{7}}{2} x $$
解法2
$f(x)$ は $x$ の3次式であり、グラフが点 $O(0,0)$ を通ることから、定数項は $0$ である。 したがって、$f(x) = ax^3 + bx^2 + cx$ ($a \neq 0$)とおくことができる。 グラフが点 $A(1,1)$ と点 $B(3,9)$ を通るため、以下の式が成り立つ。
$$ \begin{cases} a + b + c = 1 \\ 27a + 9b + 3c = 9 \end{cases} $$
第2式の両辺を3で割ると、
$$ 9a + 3b + c = 3 $$
これと第1式の辺々を引くと、
$$ (9a + 3b + c) - (a + b + c) = 3 - 1 $$
$$ 8a + 2b = 2 $$
$$ b = 1 - 4a $$
これを $a+b+c=1$ に代入して、
$$ a + (1 - 4a) + c = 1 $$
$$ c = 3a $$
よって、$f(x)$ は $a$ を用いて次のように表される。
$$ f(x) = ax^3 + (1 - 4a)x^2 + 3ax $$
これ以降は、解法1と同様に導関数 $f'(x)$ を計算し、(1) および (2) の条件を立式して解くことができる。
解説
3つの通過点が与えられた条件から3次関数を決定する問題である。 通過点 $O(0,0), A(1,1), B(3,9)$ がすべて放物線 $y = x^2$ 上にあることに気づき、$f(x) - x^2 = ax(x-1)(x-3)$ とおけるかどうかが、計算量を削減するポイントとなる。これに気づかなくても、解法2のように連立方程式を解けば確実に正答にたどり着ける。 接線が「平行」「直交」という図形的な条件は、それぞれ微分係数(接線の傾き)が「等しい」「積が $-1$ になる」という数式上の条件に言い換えて処理する。
答え
(1) $f(x) = -2x^3 + 9x^2 - 6x$
(2) $y = \frac{-3 \pm \sqrt{7}}{2} x$
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