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名古屋大学 1993年 文系 第3問 解説

数学2/微分法数学2/式と証明テーマ/不等式の証明
名古屋大学 1993年 文系 第3問 解説

方針・初手

3次関数 $f(x)$ を文字係数を用いて表し、等式の条件 $f(0)=f'(0)=f'(2)=0$ を用いて係数を絞り込む。残った係数を用いて $f''(x)$ と $f(2)$ を表現し、不等式の条件 $0 \leqq x \leqq 2$ において $|f''(x)| \leqq 1$ となることから係数の取り得る範囲を求めたうえで、$|f(2)|$ を評価する。

解法1

$f(x)$ は3次関数であるから、$a \neq 0$ として $$ f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d $$ とおく。

$f(0) = 0$ より $$ d = 0 $$ となる。

また、1次導関数は $$ f'(x) = 3ax^2 + 2bx + c $$ であり、$f'(0) = 0$ より $$ c = 0 $$ となる。

さらに、$f'(2) = 0$ より $$ 3a \cdot 2^2 + 2b \cdot 2 = 0 $$

$$ 12a + 4b = 0 $$

$$ b = -3a $$ となる。

これらより、$f(x)$ は $a$ を用いて次のように表される。 $$ f(x) = ax^3 - 3ax^2 $$

これを微分すると $f'(x) = 3ax^2 - 6ax$ であり、さらに微分して2次導関数 $f''(x)$ を求めると $$ f''(x) = 6ax - 6a = 6a(x - 1) $$ となる。

条件より、$0 \leqq x \leqq 2$ において常に $|f''(x)| \leqq 1$ が成り立つ。

$y = f''(x)$ は $x$ についての1次関数であるため、区間 $0 \leqq x \leqq 2$ における $|f''(x)|$ の最大値は、区間の両端点 $x=0$ または $x=2$ のいずれかでとる。

$x=0$ のとき、$|f''(0)| = |-6a| = 6|a|$ である。

$x=2$ のとき、$|f''(2)| = |6a| = 6|a|$ である。

したがって、$0 \leqq x \leqq 2$ のすべての $x$ において $|f''(x)| \leqq 1$ となるための条件は、最大値が $1$ 以下であることなので $$ 6|a| \leqq 1 $$ すなわち $$ |a| \leqq \frac{1}{6} $$ である。

このとき、$f(2)$ の値は $$ f(2) = a \cdot 2^3 - 3a \cdot 2^2 = 8a - 12a = -4a $$ であるから、その絶対値は $$ |f(2)| = |-4a| = 4|a| $$ となる。

求めた $|a|$ の範囲を用いると $$ |f(2)| = 4|a| \leqq 4 \cdot \frac{1}{6} = \frac{2}{3} $$ が成り立ち、題意は示された。

解説

関数の係数決定と不等式の評価を組み合わせた標準的な問題である。

与えられた等式条件から3次関数の式を1つの未知数(ここでは $a$)で表すことが最初のステップである。その後、2次導関数 $f''(x)$ を計算し、それが $x$ の1次関数になることを利用する。1次関数の区間における絶対値の最大値が両端点で得られるという性質に気づけば、未知数 $a$ の範囲を適切に絞り込むことができる。

答え

題意の不等式 $|f(2)| \leqq \frac{2}{3}$ は成り立つ。(証明終)

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