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大阪大学 2017年 文系 第2問 解説

数学2/微分法数学2/式と証明テーマ/最大・最小テーマ/不等式の証明
大阪大学 2017年 文系 第2問 解説

方針・初手

与えられた2つの条件式 $x+y+z=1$ と $x+2y+3z=5$ から、2つの変数(例えば $x, y$)を残り1つの変数($z$)で表すことができる。すべての式を $z$ のみで表し、$z$ の1変数関数として最大・最小を考えるのが基本方針である。

(1) では対称式の有名な因数分解公式を利用することで、計算を大きく見通しよく進めることができる。(2) では $z$ の3次関数となるため、微分を用いて増減を調べる。

解法1

与えられた2つの条件式を連立方程式とみなして、$x, y$ を $z$ で表す。

$$ \begin{cases} x+y = 1-z & \cdots \text{①} \\ x+2y = 5-3z & \cdots \text{②} \end{cases} $$

② $-$ ① より、

$$ y = 4-2z $$

これを①に代入して、

$$ x = 1-z - (4-2z) = z-3 $$

したがって、実数 $x, y$ が存在するための $z$ の条件は特になく、$z$ はすべての実数をとりうる。

(1)

式の因数分解公式と条件 $x+y+z=1$ を用いる。

$$ \begin{aligned} x^3+y^3+z^3-3xyz &= (x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx) \\ &= 1 \cdot \{ (x+y+z)^2 - 3(xy+yz+zx) \} \\ &= 1^2 - 3(xy+yz+zx) \\ &= 1 - 3(xy+yz+zx) \end{aligned} $$

ここで、$x = z-3, y = -2z+4$ より、

$$ \begin{aligned} xy+yz+zx &= xy+z(x+y) \\ &= (z-3)(-2z+4) + z(1-z) \\ &= -2z^2+10z-12 + z-z^2 \\ &= -3z^2+11z-12 \end{aligned} $$

これを代入すると、

$$ \begin{aligned} x^3+y^3+z^3-3xyz &= 1 - 3(-3z^2+11z-12) \\ &= 9z^2 - 33z + 37 \\ &= 9\left( z^2 - \frac{11}{3}z \right) + 37 \\ &= 9\left( z - \frac{11}{6} \right)^2 - 9 \cdot \frac{121}{36} + 37 \\ &= 9\left( z - \frac{11}{6} \right)^2 - \frac{121}{4} + \frac{148}{4} \\ &= 9\left( z - \frac{11}{6} \right)^2 + \frac{27}{4} \end{aligned} $$

$z$ はすべての実数をとりうるので、求める最小値は $z = \frac{11}{6}$ のとき $\frac{27}{4}$ である。

(2)

$xyz$ を $z$ の関数 $f(z)$ とおく。

$$ \begin{aligned} f(z) &= (z-3)(-2z+4)z \\ &= -2z^3 + 10z^2 - 12z \end{aligned} $$

$z$ について微分すると、

$$ \begin{aligned} f'(z) &= -6z^2 + 20z - 12 \\ &= -2(3z^2 - 10z + 6) \end{aligned} $$

$f'(z) = 0$ とすると、

$$ z = \frac{5 \pm \sqrt{25-18}}{3} = \frac{5 \pm \sqrt{7}}{3} $$

ここで、$2 < \sqrt{7} < 3$ であるから、$\frac{5 - \sqrt{7}}{3} > \frac{5 - 3}{3} > 0$ であり、$f'(z)=0$ となる $z$ はどちらも正である。

$z \geqq 0$ における $f(z)$ の増減表は次のようになる。

$z$ $0$ $\cdots$ $\frac{5-\sqrt{7}}{3}$ $\cdots$ $\frac{5+\sqrt{7}}{3}$ $\cdots$
$f'(z)$ $-$ $0$ $+$ $0$ $-$
$f(z)$ $0$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表から、$z \geqq 0$ の範囲において最大値の候補は $z=0$ のときと $z=\frac{5+\sqrt{7}}{3}$ のときである。

$f(0) = 0$ である。

一方、$z = \frac{5+\sqrt{7}}{3}$ のとき、$2 < \sqrt{7} < 3$ より $2 < z < \frac{8}{3}$ となる。

$f(z) = -2z(z-2)(z-3)$ について、この範囲では $z > 0$, $z-2 > 0$, $z-3 < 0$ であるから、

$$ f\left(\frac{5+\sqrt{7}}{3}\right) > 0 $$

したがって、$f(0) < f\left(\frac{5+\sqrt{7}}{3}\right)$ となるため、$f(z)$ が最大となる $z$ の値は $z = \frac{5+\sqrt{7}}{3}$ である。

解法2

(1)の別解

$x=z-3, y=-2z+4$ と表すところまでは解法1と同様とする。

$x^3+y^3+z^3-3xyz = (x+y+z)(x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx)$ において、後半の括弧内を次のように変形して代入する。

$$ x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx = \frac{1}{2} \{ (x-y)^2 + (y-z)^2 + (z-x)^2 \} $$

各項の差を計算すると、

$$ x-y = (z-3) - (-2z+4) = 3z-7 $$

$$ y-z = (-2z+4) - z = -3z+4 $$

$$ z-x = z - (z-3) = 3 $$

これらを代入して整理する。

$$ \begin{aligned} x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx &= \frac{1}{2} \{ (3z-7)^2 + (-3z+4)^2 + 3^2 \} \\ &= \frac{1}{2} \{ (9z^2-42z+49) + (9z^2-24z+16) + 9 \} \\ &= \frac{1}{2} (18z^2 - 66z + 74) \\ &= 9z^2 - 33z + 37 \end{aligned} $$

これに $x+y+z=1$ を掛け合わせると、

$$ x^3+y^3+z^3-3xyz = 1 \cdot (9z^2 - 33z + 37) = 9z^2 - 33z + 37 $$

以下、解法1と同様に平方完成して最小値を求める。

解説

条件式を用いて変数を消去し、1変数関数に帰着させるという多変数関数の最大・最小における定石問題である。

(1)は3変数の対称式によく現れる公式を使いこなせるかが鍵となる。公式を使わずとも計算は可能だが、式変形の工夫によって計算量を大きく減らすことができる。

(2)では増減表を書いた後、極大値がそのまま最大値になるとは限らないため、区間の端点である $z=0$ における値との大小比較を忘れないようにすることが重要である。値を直接計算して比較すると複雑になるが、因数分解された形から符号を調べるだけで大小関係を容易に判定できる。

答え

(1)

$\frac{27}{4}$

(2)

$z = \frac{5+\sqrt{7}}{3}$

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