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名古屋大学 2000年 文系 第1問 解説

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名古屋大学 2000年 文系 第1問 解説

方針・初手

曲線 $C$ 上の接点の $x$ 座標を $t$ とおき、接線 $l$ の方程式を $t$ を用いて表す。

係数比較により $a, b$ を $t$ で表し、与えられた $t$ の変域から $t$ を消去して $a, b$ の関係式を導く。

面積についても、接線と曲線の式から被積分関数が $(x - t)^2$ となる性質を利用して定積分を計算し、$t$ の関数として最小値を求める。

解法1

(1)

曲線 $C$ の方程式を展開すると $y = -x^2 + x + 2$ であるから、導関数は、 $$y' = -2x + 1$$ となる。

曲線 $C$ 上の接点の $x$ 座標を $t$ とおく。条件より、 $$0 \leqq t \leqq 2$$ である。

このとき、接線の傾きは $-2t + 1$ であり、接点の座標は $(t, -t^2 + t + 2)$ となるから、接線 $l$ の方程式は、 $$y - (-t^2 + t + 2) = (-2t + 1)(x - t)$$ となる。

整理すると、 $$\begin{aligned} y &= (-2t + 1)x + 2t^2 - t - t^2 + t + 2 \\ &= (-2t + 1)x + t^2 + 2 \end{aligned}$$ となる。

これが $y = ax + b$ と一致するので、係数を比較して、 $$a = -2t + 1$$ $$b = t^2 + 2$$ が成り立つ。

第1式を $t$ について解くと $t = \frac{1 - a}{2}$ であり、これを $0 \leqq t \leqq 2$ に代入すると、 $$0 \leqq \frac{1 - a}{2} \leqq 2$$ $$0 \leqq 1 - a \leqq 4$$ $$-3 \leqq a \leqq 1$$ となる。

また、$t = \frac{1 - a}{2}$ を $b = t^2 + 2$ に代入すると、 $$\begin{aligned} b &= \left( \frac{1 - a}{2} \right)^2 + 2 \\ &= \frac{1}{4}(a - 1)^2 + 2 \end{aligned}$$ となる。

以上より、点 $(a, b)$ の存在範囲は、放物線 $b = \frac{1}{4}(a - 1)^2 + 2$ の $-3 \leqq a \leqq 1$ の部分である。$ab$ 平面上に図示すると、頂点が $(1, 2)$ で下に凸の放物線の一部となる。両端の点は $(-3, 6)$ と $(1, 2)$ である。

(2)

曲線 $C$ は上に凸の放物線であり、接線 $l$ は $C$ の上側にあるため、面積 $S$ を求める定積分の被積分関数は $$(ax + b) - (-x^2 + x + 2) = (x - t)^2$$ となる。

したがって、曲線 $C$ および3つの直線 $l, x = 0, x = 2$ で囲まれた図形の面積 $S$ は、 $$S = \int_{0}^{2} (x - t)^2 dx$$ となる。

これを計算すると、 $$\begin{aligned} S &= \left[ \frac{1}{3}(x - t)^3 \right]_{0}^{2} \\ &= \frac{1}{3} \left\{ (2 - t)^3 - (-t)^3 \right\} \\ &= \frac{1}{3} \left( 8 - 12t + 6t^2 - t^3 + t^3 \right) \\ &= 2t^2 - 4t + \frac{8}{3} \end{aligned}$$ となる。

これを $t$ について平方完成すると、 $$S = 2(t - 1)^2 + \frac{2}{3}$$ となる。

$t$ の範囲は $0 \leqq t \leqq 2$ であるから、$S$ は $t = 1$ のとき最小値 $\frac{2}{3}$ をとる。

このとき、$a, b$ の値は、 $$a = -2 \cdot 1 + 1 = -1$$ $$b = 1^2 + 2 = 3$$ である。

解説

接線を扱う問題の定石通り、接点の $x$ 座標を文字 $t$ でおいて議論を進めることが重要である。

(1) では媒介変数表示された曲線の軌跡を求める要領で $t$ を消去し、$t$ の変域から $a$ の変域を正確に求める必要がある。

(2) では、「放物線とその接線の上下関係」から、差の式が完全平方式 $(x - t)^2$ になることを利用する。これにより積分計算が劇的に簡略化される。被積分関数を展開してから積分すると計算ミスを誘発しやすいため、因数の塊のまま積分する工夫が不可欠である。

答え

(1) 点 $(a, b)$ の存在範囲は $b = \frac{1}{4}(a - 1)^2 + 2 \quad (-3 \leqq a \leqq 1)$ ($ab$ 平面上での図示は、端点が $(-3, 6), (1, 2)$ で頂点が $(1, 2)$ となる放物線の一部となる)

(2) $a = -1, b = 3$ のとき、面積の最小値は $\frac{2}{3}$

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