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名古屋大学 2001年 文系 第2問 解説

数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/接線・法線テーマ/場合分け
名古屋大学 2001年 文系 第2問 解説

方針・初手

曲線外の点から引いた接線の問題における定石通り、まずは曲線上の接点を文字でおき、その点における接線の方程式を立てます。その後、接線が点 $(0, t)$ を通るという条件から、接点の $x$ 座標に関する方程式を導きます。

(1) では、得られた方程式の実数解の個数と接線の本数が対応することを確認し、実数解がただ1つであることを示します。 (2) では、接線の傾きが正であるという条件から接点の $x$ 座標の範囲を求め、(1) の関係式を用いてそれを $t$ の範囲に変換します。文字定数の符号による場合分けに注意が必要です。

解法1

(1)

$f(x) = -ax^3 + bx + c$ とおく。

$$ f'(x) = -3ax^2 + b $$

曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(s, f(s))$ における接線の方程式は、

$$ y - (-as^3 + bs + c) = (-3as^2 + b)(x - s) $$

整理すると、

$$ y = (-3as^2 + b)x + 2as^3 + c \quad \cdots (*) $$

この接線が点 $(0, t)$ を通るための条件は、式 $(*)$ に $x=0, y=t$ を代入して、

$$ t = 2as^3 + c \quad \cdots ① $$

が成り立つことである。

$a > 0$ であるから、式 ① を $s$ について解くと、

$$ s^3 = \frac{t-c}{2a} $$

$$ s = \sqrt[3]{\frac{t-c}{2a}} $$

となり、$a, c, t$ の値に対して実数 $s$ はただ1つ定まる。

また、異なる接点 $s_1, s_2$ が同一の接線を与えると仮定すると、式 $(*)$ の $y$ 切片が等しくなることから、

$$ 2as_1^3 + c = 2as_2^3 + c $$

$$ s_1^3 = s_2^3 $$

実数の範囲では $s_1 = s_2$ となり仮定に矛盾するため、接点が異なれば接線も異なる。 したがって、点 $(0, t)$ を通る接線はただ1本存在する。(証明終)

(2)

(1) で求めた接線の傾きは $-3as^2 + b$ である。 これが正の傾きを持つ条件は、

$$ -3as^2 + b > 0 $$

$$ 3as^2 < b \quad \cdots ② $$

$a > 0$ より常に $3as^2 \geqq 0$ であるため、$b$ の値によって場合分けを行う。

(i) $b \leqq 0$ のとき

式 ② を満たす実数 $s$ は存在しない。したがって、接線が正の傾きを持つような実数 $t$ は存在しない。

(ii) $b > 0$ のとき

式 ② を $s$ について解くと、

$$ s^2 < \frac{b}{3a} $$

$$ -\sqrt{\frac{b}{3a}} < s < \sqrt{\frac{b}{3a}} \quad \cdots ③ $$

式 ① より $t = 2as^3 + c$ であり、$a > 0$ より $t$ は $s$ の単調増加関数である。 したがって、式 ③ を満たす $s$ に対応する $t$ の範囲は、

$$ 2a\left(-\sqrt{\frac{b}{3a}}\right)^3 + c < t < 2a\left(\sqrt{\frac{b}{3a}}\right)^3 + c $$

$$ -2a \cdot \frac{b}{3a}\sqrt{\frac{b}{3a}} + c < t < 2a \cdot \frac{b}{3a}\sqrt{\frac{b}{3a}} + c $$

$$ -\frac{2b}{3}\sqrt{\frac{b}{3a}} + c < t < \frac{2b}{3}\sqrt{\frac{b}{3a}} + c $$

以上より、求める $t$ の範囲が得られる。

解説

答え

(1) 略(解答参照)

(2) $b \leqq 0$ のとき、条件を満たす $t$ は存在しない。 $b > 0$ のとき、$-\frac{2b}{3}\sqrt{\frac{b}{3a}} + c < t < \frac{2b}{3}\sqrt{\frac{b}{3a}} + c$

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