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大阪大学 1961年 文系 第3問 解説

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大阪大学 1961年 文系 第3問 解説

方針・初手

与えられた2次式が「2つの直線を表す」ことから、左辺が $x$ と $y$ の1次式の積に因数分解できることに着目する。また、「互いに直交する」という条件から、$x^2$ の係数と $y^2$ の係数について特定の関係式が導かれることを利用し、まず定数 $a$ の値を決定する。その後、因数分解の形を想定して係数比較を行うか、解の公式を用いて判別式が完全平方式になる条件を利用することで、残りの定数 $b$ と直線の式を求める。

解法1

求める2直線の方程式を、 $$px+qy+r=0$$

$$sx+ty+u=0$$ とする。これらが互いに直交するため、法線ベクトルの内積は $0$ となり、 $$ps+qt=0$$ が成り立つ。

この2直線を表す方程式は $(px+qy+r)(sx+ty+u)=0$ と書ける。左辺を展開したときの $x^2$ の係数は $ps$、 $y^2$ の係数は $qt$ であるから、直交条件より「 $x^2$ の係数と $y^2$ の係数の和は $0$ 」となる。

与えられた方程式 $2x^2 + 3xy + ay^2 + bx + 2y + 4 = 0$ において、この条件を適用すると、 $$2 + a = 0$$ よって、$a = -2$ となる。

このとき、方程式の2次の同次式部分は、 $$2x^2 + 3xy - 2y^2 = (2x - y)(x + 2y)$$ と因数分解できる。したがって、元の左辺は定数 $c, d$ を用いて次のように因数分解されるはずである。 $$(2x - y + c)(x + 2y + d) = 0$$

この左辺を展開すると、 $$2x^2 + 3xy - 2y^2 + (c + 2d)x + (2c - d)y + cd = 0$$ となる。これを与えられた方程式( $a = -2$ を代入したもの)と比較すると、以下の連立方程式が得られる。 $$ \begin{cases} c + 2d = b \\ 2c - d = 2 \\ cd = 4 \end{cases} $$

第2式より $d = 2c - 2$ であり、これを第3式に代入する。 $$c(2c - 2) = 4$$

$$2c^2 - 2c - 4 = 0$$

$$c^2 - c - 2 = 0$$

$$(c - 2)(c + 1) = 0$$ これを解いて、$c = 2, -1$ を得る。

(i) $c = 2$ のとき

$d = 2(2) - 2 = 2$ となり、$b = c + 2d = 2 + 4 = 6$ である。 このときの方程式は $(2x - y + 2)(x + 2y + 2) = 0$ となり、2直線は、 $$2x - y + 2 = 0, \quad x + 2y + 2 = 0$$ となる。

(ii) $c = -1$ のとき

$d = 2(-1) - 2 = -4$ となり、$b = c + 2d = -1 - 8 = -9$ である。 このときの方程式は $(2x - y - 1)(x + 2y - 4) = 0$ となり、2直線は、 $$2x - y - 1 = 0, \quad x + 2y - 4 = 0$$ となる。

以上より、条件を満たす定数 $b$ の値が2つ存在するため、求める2直線も2組存在する。図示する直線の組はそれぞれ以下のようになる。 1組目:直線 $y = 2x + 2$ と 直線 $y = -\frac{1}{2}x - 1$ 2組目:直線 $y = 2x - 1$ と 直線 $y = -\frac{1}{2}x + 2$

解法2

与えられた方程式を $x$ についての2次方程式と整理する。 $$2x^2 + (3y + b)x + (ay^2 + 2y + 4) = 0$$

解の公式より、 $$x = \frac{-(3y + b) \pm \sqrt{(3y + b)^2 - 8(ay^2 + 2y + 4)}}{4}$$ となる。この式が2つの直線( $x, y$ の1次式)を表すためには、根号の中身が $y$ についての完全平方式でなければならない。

根号の中身を $D_1$ とおくと、 $$ \begin{aligned} D_1 &= (3y + b)^2 - 8(ay^2 + 2y + 4) \\ &= (9 - 8a)y^2 + (6b - 16)y + b^2 - 32 \end{aligned} $$ これが完全平方式となる条件は、$D_1 = 0$ の判別式を $D_2$ としたとき、$D_2 = 0$ かつ $y^2$ の係数 $9 - 8a > 0$ となることである。 $$ \frac{D_2}{4} = (3b - 8)^2 - (9 - 8a)(b^2 - 32) = 0 $$

また、$D_1 = (py + q)^2$ と表せたとすると、解は $$x = \frac{-(3y + b) \pm (py + q)}{4}$$ となり、2直線は $$4x + (3 - p)y + b - q = 0$$

$$4x + (3 + p)y + b + q = 0$$ となる。これらが直交する条件は、法線ベクトルの内積が $0$ であることなので、 $$16 + (3 - p)(3 + p) = 0$$

$$16 + 9 - p^2 = 0$$

$$p^2 = 25$$ となる。ここで $D_1$ の $y^2$ の係数を比較すると、$9 - 8a = p^2$ であるから、 $$9 - 8a = 25$$ よって $a = -2$ を得る。

この $a = -2$ を判別式 $D_2 = 0$ の条件式に代入する。 $$(3b - 8)^2 - 25(b^2 - 32) = 0$$

$$(9b^2 - 48b + 64) - (25b^2 - 800) = 0$$

$$-16b^2 - 48b + 864 = 0$$

$$-16(b^2 + 3b - 54) = 0$$

$$(b - 6)(b + 9) = 0$$ よって、$b = 6, -9$ となる。

$b = 6$ のとき、 $D_1 = 25y^2 + 20y + 4 = (5y + 2)^2$ となるので、$x = \frac{-(3y + 6) \pm (5y + 2)}{4}$ より、 $$4x = 2y - 4 \implies 2x - y + 2 = 0$$

$$4x = -8y - 8 \implies x + 2y + 2 = 0$$ の2直線を得る。

$b = -9$ のとき、 $D_1 = 25y^2 - 70y + 49 = (5y - 7)^2$ となるので、$x = \frac{-(3y - 9) \pm (5y - 7)}{4}$ より、 $$4x = 2y + 2 \implies 2x - y - 1 = 0$$

$$4x = -8y + 16 \implies x + 2y - 4 = 0$$ の2直線を得る。

解説

2次曲線が2直線を表す条件に関する典型問題である。一般に、2次式 $=0$ が2直線を表す場合、解法2で示したように「一文字について解き、ルートの中身(判別式)が完全平方式になる(判別式の判別式 $=0$)」という手法が強力である。 しかし、本問では「互いに直交する」という条件が付加されているため、解法1のように「 $x^2$ の係数と $y^2$ の係数の和が $0$ 」という性質を利用すると、計算量を大幅に削減して定数 $a$ を素早く見つけることができる。 問題文の条件に定数 $b$ が含まれているが値が指定されていないため、直交する2直線の組が2通り存在することに注意して、場合分けによる条件漏れがないように解答を構築することが重要である。

答え

求める2直線は、以下の2組が存在する。

図示については、座標平面上に以下の各組の直線を描く(図の詳細はそれぞれの直線の式に従う)。 1組目:交点 $(-\frac{6}{5}, -\frac{2}{5})$ で直交する、傾き $2$ ( $y$ 切片 $2$ )の直線と、傾き $-\frac{1}{2}$ ( $y$ 切片 $-1$ )の直線。 2組目:交点 $(\frac{6}{5}, \frac{7}{5})$ で直交する、傾き $2$ ( $y$ 切片 $-1$ )の直線と、傾き $-\frac{1}{2}$ ( $y$ 切片 $2$ )の直線。

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