名古屋大学 1968年 理系 第1問 解説

方針・初手
だ円が定点 $(a, b)$ を通るという条件から、$\frac{a^2}{p^2} + \frac{b^2}{q^2} = 1$ という関係式が得られる。 この条件下で $pq$ の最小値を考える。 正の数の和が定数になることから、相加平均と相乗平均の大小関係の利用が最も簡明な解法となる。 また、1文字を消去して微分を用いて最小値を求めることも可能である。
解法1
だ円 $\frac{x^2}{p^2} + \frac{y^2}{q^2} = 1$ が定点 $(a, b)$ を通るので、次の式が成り立つ。
$$ \frac{a^2}{p^2} + \frac{b^2}{q^2} = 1 $$
$p > 0, q > 0$ かつ $ab \neq 0$ であるから、$\frac{a^2}{p^2} > 0, \frac{b^2}{q^2} > 0$ である。 相加平均と相乗平均の大小関係より、次が成り立つ。
$$ \frac{a^2}{p^2} + \frac{b^2}{q^2} \geqq 2\sqrt{\frac{a^2}{p^2} \cdot \frac{b^2}{q^2}} $$
左辺は $1$ であり、右辺を整理すると次のようになる。
$$ 1 \geqq 2 \frac{|a||b|}{pq} $$
$pq > 0$ であるから、両辺に $pq$ を掛けて整理する。
$$ pq \geqq 2|ab| $$
等号が成立するのは、$\frac{a^2}{p^2} = \frac{b^2}{q^2}$ のときである。 このとき、$\frac{a^2}{p^2} + \frac{b^2}{q^2} = 1$ より、次が成り立つ。
$$ \frac{a^2}{p^2} = \frac{1}{2}, \quad \frac{b^2}{q^2} = \frac{1}{2} $$
よって、$p^2 = 2a^2, q^2 = 2b^2$ となる。 $p > 0, q > 0$ であるから、$p = \sqrt{2}|a|, q = \sqrt{2}|b|$ のとき、$pq$ は最小値 $2|ab|$ をとる。
求めるものは、このときのだ円であるから、$p^2 = 2a^2, q^2 = 2b^2$ をだ円の方程式に代入する。
$$ \frac{x^2}{2a^2} + \frac{y^2}{2b^2} = 1 $$
解法2
だ円が定点 $(a, b)$ を通ることから、次が成り立つ。
$$ \frac{a^2}{p^2} + \frac{b^2}{q^2} = 1 $$
これを $q^2$ について解く。 $\frac{b^2}{q^2} > 0$ であるから、$1 - \frac{a^2}{p^2} > 0$ すなわち $p^2 > a^2$ が必要である。
$$ \frac{b^2}{q^2} = \frac{p^2 - a^2}{p^2} $$
$$ q^2 = \frac{b^2 p^2}{p^2 - a^2} $$
$p > 0, q > 0$ より $pq > 0$ であるから、$pq$ が最小となることと $p^2 q^2$ が最小となることは同値である。 $X = p^2$ とおくと、条件より $X > a^2$ であり、$p^2 q^2$ を $X$ の関数 $f(X)$ として表す。
$$ f(X) = X \cdot \frac{b^2 X}{X - a^2} = \frac{b^2 X^2}{X - a^2} $$
$X$ について微分する。
$$ f'(X) = b^2 \frac{2X(X - a^2) - X^2 \cdot 1}{(X - a^2)^2} = b^2 \frac{X^2 - 2a^2 X}{(X - a^2)^2} = \frac{b^2 X (X - 2a^2)}{(X - a^2)^2} $$
$X > a^2$ における $f(X)$ の増減表は次のようになる。
$$ \begin{array}{c|c|c|c|c} X & (a^2) & \cdots & 2a^2 & \cdots \\ \hline f'(X) & & - & 0 & + \\ \hline f(X) & & \searrow & \text{極小} & \nearrow \end{array} $$
増減表より、$X = 2a^2$ すなわち $p^2 = 2a^2$ のとき、$f(X)$ は最小となり、$pq$ も最小となる。 このとき、
$$ q^2 = \frac{b^2 \cdot 2a^2}{2a^2 - a^2} = 2b^2 $$
したがって、求めるだ円の方程式は、
$$ \frac{x^2}{2a^2} + \frac{y^2}{2b^2} = 1 $$
解説
条件式 $\frac{a^2}{p^2} + \frac{b^2}{q^2} = 1$ から積 $pq$ の最小値を求める問題である。 「和が一定のときの積の最大・最小」の形になっていることに気づけば、解法1のように相加平均と相乗平均の大小関係を用いるのが最速の手法となる。 $\frac{a^2}{p^2}$ と $\frac{b^2}{q^2}$ をそれぞれ1つの正の変数とみなせば基本形そのものである。 解法2のように1文字消去して微分する方法でも確実に解くことができるが、計算量が増えるため、まずは不等式を用いた解法を考えたい。 なお、答えとして $p, q$ の値や最小値を答えるのではなく、「だ円を求めよ」という問いであることに注意して最終的な結論を記述する必要がある。
答え
$$ \frac{x^2}{2a^2} + \frac{y^2}{2b^2} = 1 $$
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