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名古屋大学 1968年 理系 第2問 解説

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名古屋大学 1968年 理系 第2問 解説

方針・初手

曲線上の接点 $(t, \sin t)$ を文字でおき、その点における接線の方程式を求めます。この接線が原点を通るという条件式を立式し、整理して $t = \tan t$ が導かれることを示します。

解法1

関数 $y = \sin x$ を微分すると $y' = \cos x$ である。

原点以外の接点の $x$ 座標を $t$ とおくと、$t \neq 0$ であり、接点の座標は $(t, \sin t)$ と表せる。 この点における接線の方程式は

$$ y - \sin t = \cos t \cdot (x - t) $$

すなわち

$$ y = (\cos t) x + \sin t - t \cos t $$

となる。

この接線が原点 $(0, 0)$ を通る直線であるから、$x = 0$、$y = 0$ を代入して

$$ 0 = \sin t - t \cos t $$

整理すると

$$ \sin t = t \cos t $$

が得られる。

ここで、$\cos t = 0$ と仮定すると、上の式から $\sin t = 0$ となる。 しかし、任意の角 $t$ に対して $\sin^2 t + \cos^2 t = 1$ が成り立つため、$\cos t = 0$ かつ $\sin t = 0$ を同時に満たす実数 $t$ は存在せず矛盾する。 したがって、$\cos t \neq 0$ である。

等式 $\sin t = t \cos t$ の両辺を $\cos t$ で割ると

$$ \frac{\sin t}{\cos t} = t $$

すなわち

$$ \tan t = t $$

となる。 これは、接点の $x$ 座標 $t$ が方程式 $x = \tan x$ を満たすことを意味している。

以上より、原点を通る直線が $y=\sin x$ のグラフと原点以外の点で接するならば、その接点の $x$ 座標は方程式 $x=\tan x$ の根であることが証明された。

解法2

原点以外の接点の $x$ 座標を $t$ とおくと、$t \neq 0$ であり、接点の座標は $(t, \sin t)$ と表せる。

この接線は原点 $(0, 0)$ を通る直線であるため、その傾きは $t \neq 0$ より

$$ \frac{\sin t - 0}{t - 0} = \frac{\sin t}{t} $$

と表すことができる。

一方で、関数 $y = \sin x$ の導関数は $y' = \cos x$ であるため、接点 $x = t$ における接線の傾きは $\cos t$ である。

これら2つの傾きは等しいので

$$ \frac{\sin t}{t} = \cos t $$

が成り立つ。両辺に $t$ を掛けると

$$ \sin t = t \cos t $$

となる。

ここで、$\cos t = 0$ と仮定すると、$\sin t = 0$ となり $\sin^2 t + \cos^2 t = 1$ に矛盾するため、$\cos t \neq 0$ である。

等式の両辺を $\cos t$ で割ると

$$ \tan t = t $$

となり、接点の $x$ 座標 $t$ は方程式 $x = \tan x$ の根であることが示された。

解説

「曲線外部の点を通る接線」を求める際の基本手順である「接点を文字で置く」という定石に従えば、自然と解にたどり着ける問題です。

本問で採点対象として特に重要なのは、$\cos t$ で両辺を割る際に「$\cos t \neq 0$ であること」を明記しているかどうかです。数学的な論証において、文字式で割り算を行うときは、割る式が $0$ にならないことを必ず確認して記述する癖をつけておきましょう。

解法2のように、平均変化率(2点を結ぶ直線の傾き)と微分係数(接線の傾き)の一致を利用すると、接線の方程式を記述する手間を省いてスムーズに立式することができます。

答え

題意の通り、接点の $x$ 座標を $t$ としたとき、$t$ が $\tan t = t$ を満たすことが示された。(証明終)

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