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九州大学 1968年 文系 第2問 解説

数学C/式と曲線数学2/微分法数学1/図形計量テーマ/接線・法線テーマ/最大・最小
九州大学 1968年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) は楕円の接線の公式をそのまま用いる。

(2)(1) で求めた接線の方程式から $x$ 軸および $y$ 軸との交点を求め、三角形の面積を $x_0, y_0$ を用いて表す。点 $P(x_0, y_0)$ が楕円上の点であるという条件式を利用して、面積の式の最小値を求める。その際、相加平均と相乗平均の大小関係を利用するか、楕円の媒介変数表示を利用して1変数関数に帰着させる手法が有効である。

解法1

(1)

点 $P(x_0, y_0)$ における楕円 $\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1$ の接線の方程式は、

$$\frac{x_0 x}{a^2} + \frac{y_0 y}{b^2} = 1$$

である。

(2)

(1) で求めた接線と $x$ 軸、 $y$ 軸との交点をそれぞれ $A, B$ とおく。

$y=0$ とすると、 $x_0 > 0$ より $x = \frac{a^2}{x_0}$ となるので、点 $A$ の座標は $\left(\frac{a^2}{x_0}, 0\right)$ である。

$x=0$ とすると、 $y_0 > 0$ より $y = \frac{b^2}{y_0}$ となるので、点 $B$ の座標は $\left(0, \frac{b^2}{y_0}\right)$ である。

接線と $x$ 軸、 $y$ 軸とで囲まれる三角形は直角三角形 $OAB$ ( $O$ は原点)であり、 $x_0 > 0, y_0 > 0$ より交点の座標は正であるから、その面積を $S$ とすると、

$$S = \frac{1}{2} \cdot \frac{a^2}{x_0} \cdot \frac{b^2}{y_0} = \frac{a^2 b^2}{2 x_0 y_0}$$

となる。

点 $P(x_0, y_0)$ は楕円上の点であり、 $x_0 > 0, y_0 > 0$ であるから、

$$\frac{x_0^2}{a^2} > 0, \quad \frac{y_0^2}{b^2} > 0, \quad \frac{x_0^2}{a^2} + \frac{y_0^2}{b^2} = 1$$

が成り立つ。ここで、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$1 = \frac{x_0^2}{a^2} + \frac{y_0^2}{b^2} \geqq 2\sqrt{\frac{x_0^2}{a^2} \cdot \frac{y_0^2}{b^2}} = \frac{2 x_0 y_0}{a b}$$

が成り立つ。よって、

$$x_0 y_0 \leqq \frac{ab}{2}$$

である。等号が成立するのは $\frac{x_0^2}{a^2} = \frac{y_0^2}{b^2}$ のときであり、 $\frac{x_0^2}{a^2} + \frac{y_0^2}{b^2} = 1$ および $x_0 > 0, y_0 > 0$ より、 $x_0 = \frac{a}{\sqrt{2}}, y_0 = \frac{b}{\sqrt{2}}$ のときに等号が成立する。

$S = \frac{a^2 b^2}{2 x_0 y_0}$ であり、 $x_0 y_0$ が最大値 $\frac{ab}{2}$ をとるとき $S$ は最小となるから、求める最小値は、

$$S \geqq \frac{a^2 b^2}{2 \cdot \frac{ab}{2}} = ab$$

したがって、最小値は $ab$ である。

解法2

(2)の別解

点 $P(x_0, y_0)$ は楕円上の点であり、 $x_0 > 0, y_0 > 0$ であるから、媒介変数 $\theta$ を用いて、

$$x_0 = a \cos \theta, \quad y_0 = b \sin \theta \quad \left(0 < \theta < \frac{\pi}{2}\right)$$

と表すことができる。

これらを解法1で求めた面積 $S$ の式に代入すると、

$$S = \frac{a^2 b^2}{2 (a \cos \theta) (b \sin \theta)} = \frac{ab}{2 \sin \theta \cos \theta}$$

となる。2倍角の公式より、 $2 \sin \theta \cos \theta = \sin 2\theta$ であるから、

$$S = \frac{ab}{\sin 2\theta}$$

$0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ より $0 < 2\theta < \pi$ であるから、 $0 < \sin 2\theta \leqq 1$ である。

したがって、 $S$ は $\sin 2\theta = 1$ のときに最小となり、そのときの値は $ab$ である。

$\sin 2\theta = 1$ を満たす $\theta$ は $2\theta = \frac{\pi}{2}$ より $\theta = \frac{\pi}{4}$ であり、これは $0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ を満たす。このとき、 $x_0 = \frac{a}{\sqrt{2}}, y_0 = \frac{b}{\sqrt{2}}$ である。

以上より、最小値は $ab$ である。

解説

(1) は楕円上の点における接線の方程式の公式を確認する基本的な問題である。公式を正確に覚えておく必要がある。

(2) は条件式が与えられた状況下での2変数関数の最大・最小問題である。条件式が平方和の形であることから、解法1のように「相加平均と相乗平均の大小関係」を利用して積の最大値を求めるアプローチは非常に強力である。等号成立条件の確認を忘れないようにしたい。

また、解法2のように、二次曲線の上の点を媒介変数で表すことで、1変数の三角関数の最大・最小問題に帰着させる手法も定石である。角の範囲に注意して処理すれば、こちらも見通しよく解くことができる。どちらの解法も受験数学における典型的な処理であり、確実にマスターしておきたい。

答え

(1)

$$\frac{x_0 x}{a^2} + \frac{y_0 y}{b^2} = 1$$

(2)

最小値 $ab$

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