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名古屋大学 2013年 理系 第2問 解説

数学2/指数対数数学2/微分法数学A/整数問題テーマ/不等式の証明
名古屋大学 2013年 理系 第2問 解説

方針・初手

解法1

(1)

与えられた関数 $f(x) = \log x^{100}$ は、問題の文脈から自然対数として扱う。 $x > 0$ より $f(x) = 100 \log x$ と変形でき、導関数は $$f'(x) = \frac{100}{x}$$ となる。

区間 $[x, x+1]$ において、関数 $f(t)$ は連続かつ微分可能であるから、平均値の定理より $$\frac{f(x+1) - f(x)}{(x+1) - x} = f'(c)$$ を満たす $c$ が $x < c < x+1$ の範囲に存在する。

$f'(c) = \frac{100}{c}$ であり、$x < c < x+1$ より $$\frac{100}{x+1} < \frac{100}{c} < \frac{100}{x}$$ が成り立つ。これに $f'(c) = f(x+1) - f(x)$ を代入して、 $$\frac{100}{x+1} < f(x+1) - f(x) < \frac{100}{x}$$ が示された。

(2)

(1)の不等式で $x=n$ ($n$ は自然数) とすると、 $$\frac{100}{n+1} < f(n+1) - f(n) < \frac{100}{n}$$ が成り立つ。これを用いて数列 $[f(n)]$ の隣り合う項の差を評価する。

(i) $1 \leqq n \leqq 99$ のとき

不等式の左辺より、$f(n+1) - f(n) > \frac{100}{n+1} \geqq \frac{100}{100} = 1$ であるから、 $$f(n+1) > f(n) + 1$$ が成り立つ。ここで $[f(n)] = k$ とおくと、$k \leqq f(n) < k+1$ より $$f(n+1) > f(n) + 1 \geqq k + 1$$ となる。したがって、その整数部分は $[f(n+1)] \geqq k+1$ となり、 $$[f(n+1)] > [f(n)]$$ が成り立つ。 ゆえに、$n$ が $1$ から $100$ まで増加する間、数列 $[f(n)]$ は単調に増加し、すべて異なる値をとる。これらの個数は $100$ 個である。

(ii) $100 \leqq n \leqq 999$ のとき

不等式の右辺より、$f(n+1) - f(n) < \frac{100}{n} \leqq \frac{100}{100} = 1$ である。 また、$f(x)$ は単調増加関数であるから $f(n+1) - f(n) > 0$ である。よって、 $$0 < f(n+1) - f(n) < 1$$ が成り立つ。ここで $[f(n)] = m$ とおくと、$m \leqq f(n) < m+1$ より $$m \leqq f(n) < f(n+1) < f(n) + 1 < m + 2$$ となるため、$[f(n+1)]$ は $m$ または $m+1$ のいずれかである。 すなわち、$n$ が $100$ 以上においては、数列 $[f(n)]$ の値は増えないか $1$ だけ増えるかのどちらかであり、整数値が飛ぶことはない。 したがって、$[f(100)]$ から $[f(1000)]$ までの整数はすべて漏れなく現れることになる。

(i), (ii) より、数列 $[f(1)], [f(2)], \cdots, [f(1000)]$ の中に現れる異なる整数の集合は、$1 \leqq n \leqq 99$ において現れる $99$ 個の互いに異なる整数と、$[f(100)]$ から $[f(1000)]$ までの連続する整数からなる。

ここで $f(100)$ および $f(1000)$ を評価する。 $$f(100) = 100 \log 10^2 = 200 \log 10 = 200 \times 2.3026 = 460.52$$ よって、$[f(100)] = 460$。 $$f(1000) = 100 \log 10^3 = 300 \log 10 = 300 \times 2.3026 = 690.78$$ よって、$[f(1000)] = 690$。

したがって、$[f(100)]$ から $[f(1000)]$ までに現れる異なる整数の個数は、 $$690 - 460 + 1 = 231 \text{ (個)}$$ である。 また、$[f(1)]$ から $[f(99)]$ までの $99$ 個の整数はすべて $[f(100)]$ より小さく、互いに異なる。 よって、求める異なるものの個数は、 $$99 + 231 = 330 \text{ (個)}$$ となる。

解法2

(1) を定積分を用いて証明する((2) は解法1と同様)。

(1)

$f(x) = 100 \log x$ の導関数は $f'(x) = \frac{100}{x}$ である。 $f(x+1) - f(x)$ を $f'(t)$ の定積分として表すと、 $$f(x+1) - f(x) = \int_{x}^{x+1} f'(t) dt = \int_{x}^{x+1} \frac{100}{t} dt$$ となる。

区間 $x \leqq t \leqq x+1$ において、関数 $y = \frac{100}{t}$ は単調減少であるから、$x < t < x+1$ のとき $$\frac{100}{x+1} < \frac{100}{t} < \frac{100}{x}$$ が成り立つ。

この不等式を区間 $[x, x+1]$ で定積分すると、 $$\int_{x}^{x+1} \frac{100}{x+1} dt < \int_{x}^{x+1} \frac{100}{t} dt < \int_{x}^{x+1} \frac{100}{x} dt$$ となる。区間の幅は $(x+1) - x = 1$ であるから、 $$\frac{100}{x+1} \cdot 1 < f(x+1) - f(x) < \frac{100}{x} \cdot 1$$ すなわち、 $$\frac{100}{x+1} < f(x+1) - f(x) < \frac{100}{x}$$ が示された。

解説

関数の増分 $f(x+1) - f(x)$ を不等式で評価する問題の典型例である。導関数の単調性を利用して、平均値の定理または定積分の面積比較から不等式を導くのが定石である。

(2) は、数列の隣り合う項の差分に着目して、ガウス記号(整数部分)の挙動を解析する問題である。増分が $1$ を超える区間と $1$ 未満になる区間の境界が $n=100$ であることに気づけるかが鍵となる。前者は値が離散的に飛ぶためすべての項が異なる値となり、後者は値が連続的($0$ または $1$ ずつ増加)に変化するため「最大値 $-$ 最小値 $+ 1$」で個数を求めることができる。

答え

(1) $$\frac{100}{x+1} < f(x+1) - f(x) < \frac{100}{x}$$

(2) 330個

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