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北海道大学 1980年 文系 第3問 解説

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北海道大学 1980年 文系 第3問 解説

方針・初手

曲線上の接点の座標を $(t, f(t))$ とおいて接線の方程式を立てる。その接線が点 $P(1, 7)$ を通るという条件から接点の $x$ 座標 $t$ を求める。接点が定まれば直線 $l$ の方程式が得られるので、曲線 $C$ との交点の $x$ 座標と上下関係を調べ、定積分を用いて面積を計算する。

解法1

$f(x) = x^3 + 3x^2 + 2x + 1$ とおく。

$f'(x) = 3x^2 + 6x + 2$ であるから、曲線 $C$ 上の点 $(t, t^3 + 3t^2 + 2t + 1)$ における接線の方程式は、

$$ y - (t^3 + 3t^2 + 2t + 1) = (3t^2 + 6t + 2)(x - t) $$

整理すると、

$$ y = (3t^2 + 6t + 2)x - 2t^3 - 3t^2 + 1 $$

この直線が点 $P(1, 7)$ を通るので、$x=1, y=7$ を代入して、

$$ 7 = (3t^2 + 6t + 2) \cdot 1 - 2t^3 - 3t^2 + 1 $$

整理して $t$ についての方程式を解く。

$$ 2t^3 - 6t + 4 = 0 $$

$$ t^3 - 3t + 2 = 0 $$

因数定理により、左辺は $t-1$ を因数にもつので、

$$ (t - 1)(t^2 + t - 2) = 0 $$

$$ (t - 1)^2 (t + 2) = 0 $$

よって、$t = 1, -2$ を得る。

問題の条件より、直線 $l$ は点 $P$ と異なる点で曲線 $C$ と接するため、接点の $x$ 座標は $t = -2$ である。($t=1$ のときは接点が点 $P$ 自身となってしまうため不適)

$t = -2$ を接線の方程式に代入して、直線 $l$ の方程式を求める。傾きは $3(-2)^2 + 6(-2) + 2 = 2$、$y$ 切片は $-2(-2)^3 - 3(-2)^2 + 1 = 5$ となるから、直線 $l$ の方程式は、

$$ y = 2x + 5 $$

次に、面積を求めるために曲線 $C$ と直線 $l$ の上下関係を調べる。

$$ (2x + 5) - (x^3 + 3x^2 + 2x + 1) = -x^3 - 3x^2 + 4 $$

直線 $l$ は $x = -2$ で曲線 $C$ と接し、$x = 1$ で曲線 $C$ と交わる(点 $P$ を通る)ため、この式は $(x+2)^2 (x-1)$ を因数にもつ。

$$ -x^3 - 3x^2 + 4 = -(x+2)^2 (x-1) $$

区間 $-2 \leqq x \leqq 1$ において、$(x+2)^2 \geqq 0$ かつ $x-1 \leqq 0$ であるから、

$$ -(x+2)^2 (x-1) \geqq 0 $$

したがって、この区間で直線 $l$ は曲線 $C$ の上側(または境界上)にある。 求める面積 $S$ は、

$$ \begin{aligned} S &= \int_{-2}^{1} \left\{ (2x + 5) - (x^3 + 3x^2 + 2x + 1) \right\} dx \\ &= \int_{-2}^{1} (-x^3 - 3x^2 + 4) dx \\ &= \left[ -\frac{1}{4}x^4 - x^3 + 4x \right]_{-2}^{1} \\ &= \left( -\frac{1}{4} - 1 + 4 \right) - \left( -\frac{1}{4} \cdot 16 - (-8) - 8 \right) \\ &= \frac{11}{4} - (-4) \\ &= \frac{27}{4} \end{aligned} $$

解説

「曲線外の点から引いた接線」ではなく、「曲線上の点を通り、別の点で接する直線」を求める問題である。接点を文字でおき、それが指定された点を通るという定石通りの手順で無理なく解き進めることができる。

面積計算の定積分において、被積分関数が接点と交点の座標を用いて $-(x-\alpha)^2(x-\beta)$ の形で因数分解できることは、図形的な関係から明らかである。この性質を利用した面積公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2(\beta-x) dx = \frac{(\beta-\alpha)^4}{12}$ を用いると、計算量を減らして素早く答えを導くことができる。本問に適用すると $\frac{1}{12} \{ 1 - (-2) \}^4 = \frac{81}{12} = \frac{27}{4}$ となり、展開して積分した結果と当然一致する。

答え

$$ \frac{27}{4} $$

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