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大阪大学 1999年 文系 第1問 解説

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大阪大学 1999年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は対数の性質や底の変換公式を用いて、与えられた不等式を $x, y$ の代数的な不等式に直す。このとき、対数の真数条件を忘れないことが重要である。

(2) は (1) で求めた領域における $x+y$ のとりうる値の範囲を求め、三角関数の合成を用いて $u$ の範囲を調べる。図形を利用して最大・最小を考える線形計画法の考え方を利用する。

解法1

(1)

対数が定義されるための真数条件より、

$$ x > 0 \quad \text{かつ} \quad y > 0 $$

である。

与えられた不等式の各項を変形する。第1項について、対数の性質 $a^{\log_a M} = M$ を用いると、

$$ \begin{aligned} 100^{\log_{10} x} &= (10^2)^{\log_{10} x} \\ &= 10^{2\log_{10} x} \\ &= 10^{\log_{10} x^2} \\ &= x^2 \end{aligned} $$

第2項について、底の変換公式を用いると、

$$ \begin{aligned} \log_{1000} \left(\frac{1}{100}\right)^x &= \frac{\log_{10} (10^{-2})^x}{\log_{10} 10^3} \\ &= \frac{\log_{10} 10^{-2x}}{3} \\ &= -\frac{2}{3}x \end{aligned} $$

第3項について、再び対数の性質を用いて、

$$ \begin{aligned} 10^{\log_{10} y - \log_{10} 3} &= 10^{\log_{10} \frac{y}{3}} \\ &= \frac{y}{3} \end{aligned} $$

これらを元の不等式に代入すると、

$$ x^2 - \frac{2}{3}x + \frac{y}{3} \leqq 0 $$

$y$ について解くと、

$$ y \leqq -3x^2 + 2x $$

平方完成すると、

$$ y \leqq -3\left(x - \frac{1}{3}\right)^2 + \frac{1}{3} $$

真数条件 $x > 0$ かつ $y > 0$ と合わせると、求める領域は不等式群

$$ \begin{cases} y \leqq -3x^2 + 2x \\ x > 0 \\ y > 0 \end{cases} $$

の表す領域となる。

境界線となる放物線は $x$ 軸と $x=0, \frac{2}{3}$ で交わり、頂点は $\left(\frac{1}{3}, \frac{1}{3}\right)$ である。求める領域は、放物線 $y = -3x^2 + 2x$ と $x$ 軸に囲まれた部分のうち、第一象限にある部分である。境界線については、放物線上の点は含み、$x$ 軸と $y$ 軸上の点は含まない。

(2)

(1) で求めた領域を $D$ とする。点 $(x, y)$ が領域 $D$ を動くときの $x+y$ のとりうる値の範囲を求める。

$x+y = k$ とおくと、これは傾きが $-1$、 $y$ 切片が $k$ の直線 $y = -x + k$ を表す。この直線が領域 $D$ と共有点をもつような $k$ の範囲を調べる。

直線と放物線が接するとき、

$$ -3x^2 + 2x = -x + k $$

$$ 3x^2 - 3x + k = 0 $$

この2次方程式の判別式を $D'$ とすると、接する条件より $D' = 0$ であるから、

$$ D' = (-3)^2 - 4 \cdot 3 \cdot k = 9 - 12k = 0 $$

よって、$k = \frac{3}{4}$ である。このとき、接点の $x$ 座標は $x = \frac{3}{2 \cdot 3} = \frac{1}{2}$ となり、$0 < x < \frac{2}{3}$ を満たすので、接点は領域 $D$ の境界線上に存在する。

また、直線が領域 $D$ と交わりながら $y$ 切片 $k$ が小さくなる限界を考えると、直線が原点 $(0,0)$ に近づくとき $k \to 0$ となる。原点は領域 $D$ に含まれないため、$k > 0$ である。

したがって、$k = x+y$ のとりうる値の範囲は、

$$ 0 < x+y \leqq \frac{3}{4} $$

次に、$u$ の式を三角関数の合成を用いて変形する。

$$ \begin{aligned} u &= \sin(360^\circ \times (x+y)) - \sqrt{3} \cos(360^\circ \times (x+y)) \\ &= 2 \left\{ \sin(360^\circ \times (x+y)) \cdot \frac{1}{2} - \cos(360^\circ \times (x+y)) \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \right\} \\ &= 2 \sin(360^\circ \times (x+y) - 60^\circ) \end{aligned} $$

ここで、$0 < x+y \leqq \frac{3}{4}$ であるから、角度 $360^\circ \times (x+y)$ のとりうる範囲は、

$$ 0^\circ < 360^\circ \times (x+y) \leqq 270^\circ $$

各辺から $60^\circ$ を引いて、

$$ -60^\circ < 360^\circ \times (x+y) - 60^\circ \leqq 210^\circ $$

$\theta = 360^\circ \times (x+y) - 60^\circ$ とおくと、$-60^\circ < \theta \leqq 210^\circ$ の範囲で $u = 2\sin\theta$ のとりうる値の範囲を求めればよい。

関数 $y = \sin\theta$ は、$\theta = 90^\circ$ のとき最大値 $1$ をとる。また、区間の両端について調べると、$\sin(-60^\circ) = -\frac{\sqrt{3}}{2}$、$\sin(210^\circ) = -\frac{1}{2}$ である。

$-\frac{\sqrt{3}}{2} < -\frac{1}{2}$ であり、$\theta = -60^\circ$ は範囲に含まれないため、$\sin\theta$ のとりうる範囲は、

$$ -\frac{\sqrt{3}}{2} < \sin\theta \leqq 1 $$

全体を2倍して $u$ の範囲を求めると、

$$ -\sqrt{3} < u \leqq 2 $$

となる。

解説

(1) は、対数を含む不等式を図示する基本的な問題である。底に文字が含まれていないため難易度は高くないが、最も注意すべきは「真数条件」を忘れないことである。真数条件を忘れると領域が大きく変わってしまい、(2) の最小値の議論にも影響が出る。指数・対数の変形では $a^{\log_a M} = M$ の性質に習熟しておきたい。

(2) は、領域における変数のとりうる範囲を求める、いわゆる線形計画法を応用した問題である。$x+y = k$ とおいて図形的に $k$ の範囲を捉えるのが最も自然なアプローチである。求めた $k$ の範囲をもとに、三角関数の合成を用いて $u$ の取り得る値の範囲を求める。角度の範囲とサインのグラフの関係を正確に把握して、最大値と下限を見極める必要がある。

答え

(1)

求める領域は、不等式群

$$ \begin{cases} y \leqq -3x^2 + 2x \\ x > 0 \\ y > 0 \end{cases} $$

の表す領域である。図示すると、放物線 $y = -3x^2 + 2x$ と $x$ 軸で囲まれた部分のうち、$x > 0, y > 0$ を満たす部分。境界線は放物線上の点は含み、$x$ 軸および $y$ 軸上の点は含まない。

(2)

$$ -\sqrt{3} < u \leqq 2 $$

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