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大阪大学 2006年 文系 第1問 解説

数学2/微分法数学1/方程式不等式数学2/式と証明テーマ/最大・最小
大阪大学 2006年 文系 第1問 解説

方針・初手

与えられた区間において不等式が常に成り立つ条件を求める問題である。 関数 $f(x)$ の導関数を計算し、極値と区間の端点における値を比較することで $0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の最小値を求め、その最小値が $0$ 以上となるような $a$ の条件を立式する。 また、定数 $a$ を分離して曲線の上下関係に帰着させる手法も有効である。

解法1

$$ f(x) = x^3 - 3ax + a $$

$$ f'(x) = 3x^2 - 3a = 3(x^2 - a) $$

$0 \leqq x \leqq 1$ において常に $f(x) \geqq 0$ となる条件は、この区間における $f(x)$ の最小値が $0$ 以上となることである。 $a$ の値によって $f'(x) = 0$ となる実数解の有無や位置が変わるため、場合分けを行う。

(i) $a \leqq 0$ のとき

$0 \leqq x \leqq 1$ において $x^2 \geqq 0 \geqq a$ であるから、$f'(x) \geqq 0$ となる。 したがって、区間において $f(x)$ は単調増加し、最小値は $f(0)$ である。

$$ f(0) = a $$

条件より $a \geqq 0$ となる。場合分けの条件 $a \leqq 0$ と合わせて考えると、$a = 0$ である。

(ii) $a > 0$ のとき

$f'(x) = 0$ となるのは $x = \pm \sqrt{a}$ のときである。 $x \geqq 0$ において、$f(x)$ は $x = \sqrt{a}$ で極小となる。 極小値をとる $x = \sqrt{a}$ が区間 $0 \leqq x \leqq 1$ に含まれるかどうかで、さらに場合分けを行う。

(ア) $0 < \sqrt{a} < 1$ すなわち $0 < a < 1$ のとき

$0 \leqq x \leqq 1$ において、$f(x)$ は $x = \sqrt{a}$ で最小となる。 最小値は

$$ \begin{aligned} f(\sqrt{a}) &= (\sqrt{a})^3 - 3a\sqrt{a} + a \\ &= a\sqrt{a} - 3a\sqrt{a} + a \\ &= a - 2a\sqrt{a} \\ &= a(1 - 2\sqrt{a}) \end{aligned} $$

条件より、これが $0$ 以上であればよいので

$$ a(1 - 2\sqrt{a}) \geqq 0 $$

$a > 0$ であるから $1 - 2\sqrt{a} \geqq 0$ となり、$\sqrt{a} \leqq \frac{1}{2}$ すなわち $a \leqq \frac{1}{4}$ を得る。 場合分けの条件 $0 < a < 1$ と合わせると、$0 < a \leqq \frac{1}{4}$ である。

(イ) $1 \leqq \sqrt{a}$ すなわち $1 \leqq a$ のとき

$0 \leqq x \leqq 1$ において $x \leqq 1 \leqq \sqrt{a}$ であるから、$f'(x) \leqq 0$ となる。 したがって、区間において $f(x)$ は単調減少するため、最小値は $f(1)$ である。

$$ f(1) = 1^3 - 3a \cdot 1 + a = 1 - 2a $$

条件より $1 - 2a \geqq 0$ となり、$a \leqq \frac{1}{2}$ を得る。 これは場合分けの条件 $1 \leqq a$ と矛盾するため、適する $a$ は存在しない。

以上 (i), (ii) より、求める $a$ の範囲は

$$ a = 0 \text{ または } 0 < a \leqq \frac{1}{4} $$

すなわち $0 \leqq a \leqq \frac{1}{4}$ である。

解法2

不等式 $x^3 - 3ax + a \geqq 0$ を $a$ について整理すると、次のように変形できる。

$$ a(3x - 1) \leqq x^3 $$

これが $0 \leqq x \leqq 1$ のすべての $x$ で成り立つような $a$ の範囲を求める。 両辺を $3x - 1$ で割るため、その符号によって場合分けを行う。

(i) $3x - 1 > 0$ すなわち $\frac{1}{3} < x \leqq 1$ のとき

両辺を $3x - 1$ で割ると、不等号の向きは変わらず

$$ a \leqq \frac{x^3}{3x - 1} $$

となる。 この区間のすべての $x$ に対して不等式が成り立つ条件は、$a$ が $\frac{x^3}{3x - 1}$ の最小値以下となることである。 $g(x) = \frac{x^3}{3x - 1}$ とおくと

$$ \begin{aligned} g'(x) &= \frac{3x^2(3x - 1) - x^3 \cdot 3}{(3x - 1)^2} \\ &= \frac{9x^3 - 3x^2 - 3x^3}{(3x - 1)^2} \\ &= \frac{3x^2(2x - 1)}{(3x - 1)^2} \end{aligned} $$

$\frac{1}{3} < x \leqq 1$ において $g'(x) = 0$ となるのは $x = \frac{1}{2}$ のときである。 $x = \frac{1}{2}$ の前後で $g'(x)$ の符号は負から正に変化するため、$g(x)$ は $x = \frac{1}{2}$ で最小値をとる。 最小値は

$$ g\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{\left(\frac{1}{2}\right)^3}{3 \cdot \frac{1}{2} - 1} = \frac{\frac{1}{8}}{\frac{1}{2}} = \frac{1}{4} $$

したがって、$a \leqq \frac{1}{4}$ が必要である。

(ii) $3x - 1 = 0$ すなわち $x = \frac{1}{3}$ のとき

元の不等式は $a \cdot 0 \leqq \left(\frac{1}{3}\right)^3$ となり、$0 \leqq \frac{1}{27}$ は定数 $a$ の値によらず常に成り立つ。

(iii) $3x - 1 < 0$ すなわち $0 \leqq x < \frac{1}{3}$ のとき

両辺を $3x - 1$ で割ると、不等号の向きが変わり

$$ a \geqq \frac{x^3}{3x - 1} $$

となる。 この区間のすべての $x$ に対して不等式が成り立つ条件は、$a$ が $g(x) = \frac{x^3}{3x - 1}$ の最大値以上となることである。 $0 \leqq x < \frac{1}{3}$ においては $x \geqq 0$ かつ $2x - 1 < 0$ であるから、$g'(x) \leqq 0$ となり、$g(x)$ は単調減少する。 したがって、最大値は $x = 0$ のときであり

$$ g(0) = 0 $$

よって、$a \geqq 0$ が必要である。

以上 (i), (ii), (iii) のすべての条件を同時に満たす必要があるため、求める $a$ の範囲は $0 \leqq a \leqq \frac{1}{4}$ である。

解説

特定の区間において不等式が常に成立する条件を求める、微分法の標準的な問題である。 解法1のようにそのまま微分して最小値を調べる場合、文字定数 $a$ が導関数に含まれるため、極値をとる $x$ の値が区間内に存在するかどうかで丁寧に場合分けを行う必要がある。 一方、解法2のように定数 $a$ を分離する方針をとることで、文字定数を含まない関数の増減を調べる問題に帰着でき、視覚的にも見通しが良くなる。ただし、変数を含む式で両辺を割る際の符号変化には十分注意しなければならない。

答え

$$ 0 \leqq a \leqq \frac{1}{4} $$

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