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大阪大学 2017年 文系 第1問 解説

数学2/積分法数学1/二次関数数学2/図形と式テーマ/面積・体積
大阪大学 2017年 文系 第1問 解説

方針・初手

放物線の頂点の $y$ 座標から $x$ 軸との交点間の距離を求め、定積分によって面積を計算する。その際、いわゆる「$\frac{1}{6}$公式」を利用すると計算が早い。あるいは、図形を平行移動しても面積が変わらないという性質を利用すると、文字を減らして簡潔に処理できる。

解法1

放物線 $P: y = -x^2 + bx + c$ を平方完成すると、

$$ y = -\left( x - \frac{b}{2} \right)^2 + \frac{b^2}{4} + c $$

となる。頂点の $y$ 座標が $q$ であるから、

$$ \frac{b^2}{4} + c = q $$

が成り立つ。放物線 $P$ と $x$ 軸の交点の $x$ 座標を求めるため、$-x^2 + bx + c = 0$ を解くと、解の公式より

$$ x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4(-1)c}}{-2} = \frac{b \pm \sqrt{b^2 + 4c}}{2} $$

ここで、$b^2 + 4c = 4\left(\frac{b^2}{4} + c\right) = 4q$ であるから、交点の $x$ 座標は

$$ x = \frac{b \pm \sqrt{4q}}{2} = \frac{b \pm 2\sqrt{q}}{2} = \frac{b}{2} \pm \sqrt{q} $$

となる。$q$ は正の実数であるから、$P$ は $x$ 軸と異なる $2$ 点で交わる。 交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$)とすると、$\alpha = \frac{b}{2} - \sqrt{q}$,$\beta = \frac{b}{2} + \sqrt{q}$ であり、

$$ \beta - \alpha = \left(\frac{b}{2} + \sqrt{q}\right) - \left(\frac{b}{2} - \sqrt{q}\right) = 2\sqrt{q} $$

である。求める面積 $S$ は、放物線 $P$ と $x$ 軸で囲まれた部分であるから、

$$ S = \int_{\alpha}^{\beta} (-x^2 + bx + c) dx $$

$$ = -\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx $$

$$ = \frac{1}{6} (\beta - \alpha)^3 $$

これに $\beta - \alpha = 2\sqrt{q}$ を代入して、

$$ S = \frac{1}{6} (2\sqrt{q})^3 = \frac{1}{6} \cdot 8q\sqrt{q} = \frac{4}{3}q\sqrt{q} $$

解法2

図形を平行移動してもその面積は変わらない。 放物線 $P: y = -x^2 + bx + c$ は上に凸であり、その頂点の $y$ 座標は $q$ である。 この放物線を、頂点が $y$ 軸上に来るように平行移動する。平行移動後の放物線を $P'$ とすると、その頂点の座標は $(0, q)$ となる。 $x^2$ の係数は $-1$ のままであるから、$P'$ の方程式は

$$ y = -x^2 + q $$

と表せる。 $P'$ と $x$ 軸の交点の $x$ 座標は、$-x^2 + q = 0$ を解いて

$$ x = \pm \sqrt{q} $$

である($q>0$ より実数解をもつ)。 したがって、求める面積 $S$ は、$P'$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積に等しく、左右対称性を利用して以下のように計算できる。

$$ S = \int_{-\sqrt{q}}^{\sqrt{q}} (-x^2 + q) dx $$

$$ = 2 \int_{0}^{\sqrt{q}} (-x^2 + q) dx $$

$$ = 2 \left[ -\frac{1}{3}x^3 + qx \right]_0^{\sqrt{q}} $$

$$ = 2 \left( -\frac{1}{3}q\sqrt{q} + q\sqrt{q} \right) $$

$$ = 2 \cdot \frac{2}{3}q\sqrt{q} = \frac{4}{3}q\sqrt{q} $$

解説

放物線と直線の間の面積を求める基礎的な問題である。「$\frac{1}{6}$公式」を適切に使えるか、あるいは図形の平行移動をうまく利用して計算量を減らせるかがポイントとなる。解法2のように平行移動を利用すると、$b, c$ という文字を最初から消去でき、計算ミスを大幅に防ぐことができるため実戦的である。

答え

$$ \frac{4}{3}q\sqrt{q} $$

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