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大阪大学 2018年 文系 第2問 解説

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大阪大学 2018年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) はまず定積分を計算し、値が $0$ になるような $a, b, c$ の関係式を導く。被積分関数において $(x-b) = (x-a) + (a-b)$ と変形すると、その後の積分計算と因数分解が容易になる。

(2) は対数方程式を解く問題である。底が $a, b$ と混在しているため、底の変換公式を用いて底を $a$ に統一し、条件を絞り込む。

解法1

(1)

被積分関数を以下のように変形する。

$$ (x-a)(x-b) = (x-a)\{(x-a) + (a-b)\} = (x-a)^2 + (a-b)(x-a) $$

よって、与えられた定積分は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} \int_a^c (x-a)(x-b) dx &= \int_a^c \left\{ (x-a)^2 + (a-b)(x-a) \right\} dx \\ &= \left[ \frac{1}{3}(x-a)^3 + \frac{a-b}{2}(x-a)^2 \right]_a^c \\ &= \frac{1}{3}(c-a)^3 + \frac{a-b}{2}(c-a)^2 \\ &= \frac{(c-a)^2}{6} \left\{ 2(c-a) + 3(a-b) \right\} \\ &= \frac{(c-a)^2 (a - 3b + 2c)}{6} \end{aligned} $$

この積分値が $0$ になる条件は、以下のいずれかが成り立つことである。

$$ c - a = 0 \quad \text{または} \quad a - 3b + 2c = 0 $$

すなわち、$c=a$ または $a+2c=3b$ である。 ここで、$c=a$ となる事象を $A$、$a+2c=3b$ となる事象を $B$ とおく。

(i) 事象 $A$ が起こる場合

$c=a$ となるのは、$a$ が $1$ から $6$ の $6$ 通り、$b$ は任意の $6$ 通り、$c$ は $a$ と同じ値に決まるので $1$ 通りである。よって、その場合の数は以下のようになる。

$$ 6 \times 6 \times 1 = 36 \text{(通り)} $$

(ii) 事象 $B$ が起こる場合

$a+2c = 3b$ について、$b$ の値で場合分けして $(a, c)$ の組を数え上げる。さいころの目であるから、$a, c$ は $1$ 以上 $6$ 以下の整数である。

$b=1$ のとき:$a+2c = 3$ より $(a, c) = (1, 1)$ の $1$ 通り。

$b=2$ のとき:$a+2c = 6$ より $(a, c) = (4, 1), (2, 2)$ の $2$ 通り。

$b=3$ のとき:$a+2c = 9$ より $(a, c) = (5, 2), (3, 3), (1, 4)$ の $3$ 通り。

$b=4$ のとき:$a+2c = 12$ より $(a, c) = (6, 3), (4, 4), (2, 5)$ の $3$ 通り。

$b=5$ のとき:$a+2c = 15$ より $(a, c) = (5, 5), (3, 6)$ の $2$ 通り。

$b=6$ のとき:$a+2c = 18$ より $(a, c) = (6, 6)$ の $1$ 通り。

これらを合計すると、事象 $B$ の場合の数は以下のようになる。

$$ 1 + 2 + 3 + 3 + 2 + 1 = 12 \text{(通り)} $$

(iii) 事象 $A \cap B$ が起こる場合

$c=a$ かつ $a+2c = 3b$ を満たすとき、第1式を第2式に代入して $3a = 3b$、すなわち $a=b$ となる。 したがって、$a=b=c$ となり、これを満たすのは $(1, 1, 1)$ から $(6, 6, 6)$ までの $6$ 通りである。

以上より、求める場合の数は和の法則により次のように計算できる。

$$ n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B) = 36 + 12 - 6 = 42 \text{(通り)} $$

さいころを3回投げるときの全事象は $6^3 = 216$ 通りであるから、求める確率は以下の通りである。

$$ \frac{42}{216} = \frac{7}{36} $$

(2)

$a, b \ge 2$ であるから、対数の底の条件 $a \neq 1, b \neq 1$ を満たす。また、真数条件より $b > 0, c > 0$ であるが、さいころの目なのでこれも満たされている。

与えられた方程式の底を $a$ に統一する。底の変換公式より $\log_b c = \frac{\log_a c}{\log_a b}$ であるから、方程式は次のように書き換えられる。

$$ 2\log_a b - 2\log_a c + \frac{\log_a c}{\log_a b} = 1 $$

ここで、$X = \log_a b$、$Y = \log_a c$ とおく。$a, b \ge 2$ より $X > 0$ であるため、$X \neq 0$ となる。

$$ 2X - 2Y + \frac{Y}{X} = 1 $$

両辺に $X$ を掛けて整理する。

$$ 2X^2 - 2XY + Y = X $$

$$ 2X^2 - X - 2XY + Y = 0 $$

$$ X(2X - 1) - Y(2X - 1) = 0 $$

$$ (X - Y)(2X - 1) = 0 $$

よって、$X = Y$ または $2X = 1$ が成り立つ。すなわち、以下のいずれかである。

$$ \log_a b = \log_a c \quad \text{または} \quad \log_a b = \frac{1}{2} $$

(i) $\log_a b = \log_a c$ のとき

$b=c$ となる。 $a, b \ge 2$ という条件から、$a$ は $2, 3, 4, 5, 6$ の $5$ 通り、$b$ も $2, 3, 4, 5, 6$ の $5$ 通りである。$c$ の値は $b$ と同じ値に一つ決まる。 よって、この条件を満たす $(a, b, c)$ の組は以下の通りである。

$$ 5 \times 5 = 25 \text{(通り)} $$

(ii) $\log_a b = \frac{1}{2}$ のとき

$b = a^{\frac{1}{2}}$ より、$a = b^2$ となる。 $a, b$ は $2$ 以上のさいころの目であるから、これを満たすのは $b=2, a=4$ のみである。($b=3$ とすると $a=9$ となり不適) このとき、$c$ は $1$ から $6$ の任意の目を取り得る。 よって、この条件を満たす $(a, b, c)$ の組は以下の通りである。

$$ 1 \times 6 = 6 \text{(通り)} $$

(iii) 重複の確認

(i) と (ii) を同時に満たすのは、$b=c$ かつ $a=b^2$ の場合である。 これは $(a, b, c) = (4, 2, 2)$ の $1$ 通りのみである。

したがって、条件を満たす $(a, b, c)$ の組の総数は以下のようになる。

$$ 25 + 6 - 1 = 30 \text{(通り)} $$

よって、求める確率は以下の通りである。

$$ \frac{30}{216} = \frac{5}{36} $$

解説

(1) の積分計算では、そのまま展開して計算しても答えは導けるが、$(x-b) = (x-a) + (a-b)$ と変形することで計算量が減り、因数分解もしやすくなるため計算ミスを大きく減らすことができる。(2) は対数方程式の典型的な解法である。複数の底が混在している場合は、底の変換公式を用いて底を統一し、文字で置換して多項式の方程式に帰着させると見通しが良くなる。

答え

(1)

$\frac{7}{36}$

(2)

$\frac{5}{36}$

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