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大阪大学 2018年 文系 第1問 解説

数学2/三角関数数学2/微分法テーマ/最大・最小
大阪大学 2018年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は与えられた式 $x = \sin t - \cos t$ の両辺を2乗することで、$\sin 2t$ を $x$ の式で表す。 (2) は三角関数の合成を用いて新しい変数 $x$ のとり得る値の範囲を求め、その区間における3次関数の最大値および最小値を微分を用いて調べる。

解法1

(1)

$x = \sin t - \cos t$ の両辺を2乗すると、以下のようになる。

$$ x^2 = (\sin t - \cos t)^2 $$

$$ x^2 = \sin^2 t - 2\sin t \cos t + \cos^2 t $$

三角関数の基本性質 $\sin^2 t + \cos^2 t = 1$ および2倍角の公式 $\sin 2t = 2\sin t \cos t$ を用いると、次のように変形できる。

$$ x^2 = 1 - \sin 2t $$

これを $\sin 2t$ について解くと、

$$ \sin 2t = 1 - x^2 $$

これを与えられた関数 $f(t) = (\sin t - \cos t)\sin 2t$ に代入すると、$f(t)$ を $x$ で表すことができる。

$$ f(t) = x(1 - x^2) = -x^3 + x $$

(2)

$x = \sin t - \cos t$ に対して三角関数の合成を行うと、

$$ x = \sqrt{2} \sin \left( t - \frac{\pi}{4} \right) $$

$t$ の変域が $0 \leqq t \leqq \pi$ であるから、$t - \frac{\pi}{4}$ の変域は以下のようになる。

$$ -\frac{\pi}{4} \leqq t - \frac{\pi}{4} \leqq \frac{3\pi}{4} $$

この範囲において、$\sin \left( t - \frac{\pi}{4} \right)$ のとり得る値の範囲は、

$$ - \frac{1}{\sqrt{2}} \leqq \sin \left( t - \frac{\pi}{4} \right) \leqq 1 $$

各辺に $\sqrt{2}$ を掛けて $x$ のとり得る値の範囲を求めると、

$$ -1 \leqq x \leqq \sqrt{2} $$

次に、(1)で求めた関数を $g(x) = -x^3 + x$ とおく。$g(x)$ を $x$ について微分すると、

$$ g'(x) = -3x^2 + 1 = -3 \left( x + \frac{1}{\sqrt{3}} \right) \left( x - \frac{1}{\sqrt{3}} \right) $$

$g'(x) = 0$ となる $x$ は $x = \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ であり、これらはともに区間 $-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ に含まれる。 したがって、$-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ における $g(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $-1$ $\cdots$ $-\frac{1}{\sqrt{3}}$ $\cdots$ $\frac{1}{\sqrt{3}}$ $\cdots$ $\sqrt{2}$
$g'(x)$ $-$ $0$ $+$ $0$ $-$
$g(x)$ $0$ $\searrow$ $-\frac{2\sqrt{3}}{9}$ $\nearrow$ $\frac{2\sqrt{3}}{9}$ $\searrow$ $-\sqrt{2}$

各点の関数値は以下のように計算される。

$$ g(-1) = -(-1)^3 + (-1) = 0 $$

$$ g \left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right) = -\left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right)^3 + \left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right) = \frac{1}{3\sqrt{3}} - \frac{1}{\sqrt{3}} = -\frac{2\sqrt{3}}{9} $$

$$ g \left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right) = -\left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^3 + \frac{1}{\sqrt{3}} = -\frac{1}{3\sqrt{3}} + \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{9} $$

$$ g(\sqrt{2}) = -(\sqrt{2})^3 + \sqrt{2} = -2\sqrt{2} + \sqrt{2} = -\sqrt{2} $$

極小値 $-\frac{2\sqrt{3}}{9}$ と区間の右端での値 $-\sqrt{2}$ の大小を比較する。$-\sqrt{2} = -\frac{\sqrt{162}}{9}$ であり、$-\frac{2\sqrt{3}}{9} = -\frac{\sqrt{12}}{9}$ であるから、$-\sqrt{2} < -\frac{2\sqrt{3}}{9}$ となり、最小値は $-\sqrt{2}$ である。

また、極大値 $\frac{2\sqrt{3}}{9}$ と区間の左端での値 $0$ の大小を比較すると、明らかに $\frac{2\sqrt{3}}{9} > 0$ であるから、最大値は $\frac{2\sqrt{3}}{9}$ である。

以上より、求める最大値と最小値が定まる。

解説

$t$ の三角関数で表された式の中に $\sin t \pm \cos t$ と $\sin 2t$ が混在している場合の典型的な解法である。和や差を1つの変数で置き換え、両辺を2乗して $\sin 2t$ をその変数で表す手法は頻出のパターンである。

変数を置き換えた際は、新しい変数のとり得る値の範囲(定義域)を必ず確認する必要がある。本問では三角関数の合成により正しく定義域を求め、その範囲内で3次関数の最大・最小を調べるというオーソドックスな流れとなっている。端点の値と極値の大小比較も忘れずに正確に行うことが求められる。

答え

(1)

$f(t) = -x^3 + x$

(2)

最大値 $\frac{2\sqrt{3}}{9}$ 最小値 $-\sqrt{2}$

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