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大阪大学 1964年 理系 第4問 解説

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大阪大学 1964年 理系 第4問 解説

方針・初手

2つの放物線の式から $y$ を消去し、$x$ についての2次方程式を作成する。 異なる2点で交わる条件は、この2次方程式が異なる2つの実数解をもつことであるから、判別式 $D>0$ を用いる。

中点の軌跡については、交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とおき、解と係数の関係を用いて中点の座標 $(X, Y)$ を媒介変数 $a$ で表し、$a$ を消去する。このとき、$Y$ 座標の計算には、2つの放物線の式から $x^2$ を消去して得られる「2つの交点を通る直線」の式を用いると、次数が下がり計算が簡明になる。

解法1

2つの放物線の方程式をそれぞれ以下とおく。

$$ y = x^2+ax+1 \quad \cdots \textbf{(1)} $$

$$ y = 2x^2+x+a \quad \cdots \textbf{(2)} $$

(1), (2) から $y$ を消去すると、以下のようになる。

$$ x^2+ax+1 = 2x^2+x+a $$

整理して、以下の $x$ についての2次方程式を得る。

$$ x^2 + (1-a)x + a-1 = 0 \quad \cdots \textbf{(3)} $$

2つの放物線が異なる2点で交わるための条件は、2次方程式 (3) が異なる2つの実数解をもつことである。 (3) の判別式を $D$ とすると、$D > 0$ であるから、以下の不等式が成り立つ。

$$ \begin{aligned} D = (1-a)^2 - 4(a-1) &> 0 \\ (a-1)^2 - 4(a-1) &> 0 \\ (a-1)\{(a-1)-4\} &> 0 \\ (a-1)(a-5) &> 0 \end{aligned} $$

これを解いて、求める $a$ の値の範囲は以下のようになる。

$$ a < 1, \ 5 < a \quad \cdots \textbf{(4)} $$

次に、2つの交点の座標を $(\alpha, y_1), (\beta, y_2)$ とし、その中点の座標を $(X, Y)$ とおく。 $\alpha, \beta$ は2次方程式 (3) の異なる2つの実数解であるから、解と係数の関係より以下が成り立つ。

$$ \alpha+\beta = -(1-a) = a-1 $$

よって、中点の $x$ 座標 $X$ は以下のように表される。

$$ X = \frac{\alpha+\beta}{2} = \frac{a-1}{2} \quad \cdots \textbf{(5)} $$

また、2つの交点は放物線 (1), (2) の両方の上にあるため、以下の式も満たす。 (1) $\times 2 -$ (2) より $x^2$ の項を消去すると、以下のようになる。

$$ 2y - y = 2(x^2+ax+1) - (2x^2+x+a) $$

$$ y = (2a-1)x - a + 2 \quad \cdots \textbf{(6)} $$

これは2つの交点を通る直線の方程式である。 線分の中点 $(X, Y)$ もこの直線上にあるので、以下の関係式が成り立つ。

$$ Y = (2a-1)X - a + 2 \quad \cdots \textbf{(7)} $$

(5) より $a = 2X+1$ であり、これを (7) に代入して $a$ を消去する。

$$ \begin{aligned} Y &= \{2(2X+1)-1\}X - (2X+1) + 2 \\ &= (4X+1)X - 2X + 1 \\ &= 4X^2 - X + 1 \end{aligned} $$

さらに、(4) の条件から $X$ の変域を求める。 $a = 2X+1$ を (4) に代入すると、以下のようになる。

$$ 2X+1 < 1, \ 5 < 2X+1 $$

$$ 2X < 0, \ 4 < 2X $$

$$ X < 0, \ 2 < X $$

以上より、動点 $(X, Y)$ の軌跡は、放物線 $y = 4x^2 - x + 1$ の $x < 0, \ 2 < x$ の部分となる。

解説

交点の中点の軌跡を求める問題における典型的な解法である。 2つの放物線の交点を通る直線の方程式を利用して、中点の $y$ 座標を求めるのが計算を減らす工夫のポイントである。交点の $y$ 座標を $y_1 = \alpha^2+a\alpha+1$、$y_2 = \beta^2+a\beta+1$ とおき、$Y = \frac{y_1+y_2}{2}$ から解と係数の関係を用いて対称式の計算を行うことももちろん可能であるが、$\alpha^2+\beta^2$ の計算などの手間がかかる。 交点において $x^2+ax+1 = 2x^2+x+a$ が成り立つことを利用し、$x^2$ の項を消去して得られる1次式 $y = (2a-1)x - a + 2$ が交点を通る直線となることを利用すると、次数が下がり計算が非常に簡略化される。 また、軌跡を求める問題では、消去する媒介変数 $a$ に変域の制限がある場合、結果として現れる $x$ (あるいは $X$ )の変域に制限が加わることを忘れないように注意が必要である。

答え

$a$ の値の範囲:$a < 1, \ 5 < a$

中点がえがく図形:放物線 $y = 4x^2 - x + 1$ の $x < 0, \ 2 < x$ の部分

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