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大阪大学 2012年 理系 第4問 解説

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大阪大学 2012年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1) 「数列 $f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)$ が等差数列であること」を、初項と公差を用いて立式する。条件を満たす多項式を決定する問題となるため、1次式との差をとることで因数定理を用いる手法が有効である。

(2) (1) で示された $f(x)$ の形を活用する。数列が等差数列であるための条件は、階差数列の各項が互いに等しい(定数数列になる)ことである。関数の差分 $f(x+1) - f(x)$ を計算し、それが定数となるような $\alpha$ と $k$ の条件を絞り込む。

解法1

(1)

数列 $f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)$ が等差数列であることと、

$$ f(x) = x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4) + lx + m $$

と書けること($l, m$ は実数)が同値であることを示す。

まず、$f(x) = x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4) + lx + m$ と書けるとする。 $x = 0, 1, 2, 3, 4$ を代入すると、

$$ \begin{aligned} f(0) &= m \\ f(1) &= l + m \\ f(2) &= 2l + m \\ f(3) &= 3l + m \\ f(4) &= 4l + m \end{aligned} $$

となり、$f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)$ は初項 $m$、公差 $l$ の等差数列となる。

逆に、数列 $f(0), f(1), f(2), f(3), f(4)$ が等差数列であるとする。 その初項を $m$、公差を $l$ とすると、$n = 0, 1, 2, 3, 4$ に対して、

$$ f(n) = ln + m $$

が成り立つ。 ここで、新たな多項式 $g(x)$ を次のように定める。

$$ g(x) = f(x) - (lx + m) $$

$f(x)$ は最高次の係数が $1$ の $5$ 次式であり、$lx + m$ は $1$ 次以下の多項式であるから、$g(x)$ もまた最高次の係数が $1$ の $5$ 次式である。 また、$n = 0, 1, 2, 3, 4$ に対して $g(n) = f(n) - (ln + m) = 0$ が成り立つため、因数定理より $g(x)$ は $x, (x-1), (x-2), (x-3), (x-4)$ を因数にもつ。 $g(x)$ が最高次係数 $1$ の $5$ 次式であることから、次のように一意に定まる。

$$ g(x) = x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4) $$

したがって、$f(x) = g(x) + lx + m$ より、

$$ f(x) = x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4) + lx + m $$

と書ける。 以上より、題意の2つの条件は互いに同値であることが示された。

(2)

(1) より、$f(x)$ は次のように表される。

$$ f(x) = x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4) + lx + m $$

$k$ 項からなる数列 $f(\alpha), f(\alpha+1), \dots, f(\alpha+k-1)$ が等差数列となる条件を考える。 数列が等差数列であるための必要十分条件は、その階差数列が定数数列となることである。 階差となる関数 $f(x+1) - f(x)$ を計算する。

$$ \begin{aligned} f(x+1) - f(x) &= (x+1)x(x-1)(x-2)(x-3) + l(x+1) + m - \{ x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4) + lx + m \} \\ &= x(x-1)(x-2)(x-3) \{ (x+1) - (x-4) \} + l \\ &= 5x(x-1)(x-2)(x-3) + l \end{aligned} $$

ここで、$D(x) = 5x(x-1)(x-2)(x-3)$ とおく。 条件を満たすためには、$i = 1, 2, \dots, k-1$ に対して階差 $f(\alpha+i) - f(\alpha+i-1) = D(\alpha+i-1) + l$ が一定値をとる必要がある。 すなわち、$D(\alpha) = D(\alpha+1) = \dots = D(\alpha+k-2)$ が成り立つことが必要十分である。

$k \ge 3$ であるから、少なくとも最初の $2$ つの階差が等しくならなければならない。 よって、$D(\alpha+1) - D(\alpha) = 0$ が必要である。この差を計算すると、

$$ \begin{aligned} D(\alpha+1) - D(\alpha) &= 5(\alpha+1)\alpha(\alpha-1)(\alpha-2) - 5\alpha(\alpha-1)(\alpha-2)(\alpha-3) \\ &= 5\alpha(\alpha-1)(\alpha-2) \{ (\alpha+1) - (\alpha-3) \} \\ &= 20\alpha(\alpha-1)(\alpha-2) \end{aligned} $$

となる。これが $0$ となるのは、$\alpha = 0, 1, 2$ のいずれかのときである。 これらの $\alpha$ について、$D(\alpha+i-1)$ の値を調べ、$k$ のとりうる最大の値を求める。 なお、$x = 0, 1, 2, 3$ において $D(x) = 0$ であり、$D(4) = 5 \cdot 4 \cdot 3 \cdot 2 \cdot 1 = 120 \neq 0$ であることに注意する。

(i) $\alpha = 0$ のとき

$D(0) = D(1) = D(2) = D(3) = 0 \neq D(4)$ である。 よって、$D(\alpha+i-1)$ が等しいのは $i-1 = 0, 1, 2, 3$ の $4$ つのときである。 階差が $4$ つまで等しいので、元の数列は最大で $5$ 項まで等差数列となる。 $k \ge 3$ より、$k = 3, 4, 5$ が適する。

(ii) $\alpha = 1$ のとき

$D(1) = D(2) = D(3) = 0 \neq D(4)$ である。 よって、$D(\alpha+i-1)$ が等しいのは $i-1 = 0, 1, 2$ の $3$ つのときである。 階差が $3$ つまで等しいので、元の数列は最大で $4$ 項まで等差数列となる。 $k \ge 3$ より、$k = 3, 4$ が適する。

(iii) $\alpha = 2$ のとき

$D(2) = D(3) = 0 \neq D(4)$ である。 よって、$D(\alpha+i-1)$ が等しいのは $i-1 = 0, 1$ の $2$ つのときである。 階差が $2$ つまで等しいので、元の数列は最大で $3$ 項まで等差数列となる。 $k \ge 3$ より、$k = 3$ が適する。

以上より、条件を満たす $\alpha, k$ の組はすべて求められた。

解説

(1) は多項式の決定問題の典型である。「いくつかの値で等差数列になる」という条件から、定数となる差を新たな関数として設定し因数定理に持ち込む手法は頻出である。 (2) では「等差数列であること」を「隣り合う項の差(階差)が一定であること」と言い換えるのがポイントとなる。$f(x+1) - f(x)$ の計算で共通因数をくくり出すことで、非常に見通しよく解くことができる。$k$ の上限の判断では、実際に値が変化する箇所($x=4$)に注意すればよい。

答え

(1)

解答の通り。

(2)

$(\alpha, k) = (0, 3), (0, 4), (0, 5), (1, 3), (1, 4), (2, 3)$

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