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大阪大学 2022年 理系 第2問 解説

数学2/三角関数数学1/方程式不等式数学2/式と証明テーマ/整式の証明
大阪大学 2022年 理系 第2問 解説

方針・初手

与えられた角 $\alpha$ に対して $7\alpha = 2\pi$ という関係が成り立つことを利用し、角を $4\alpha$ と $3\alpha$ に分割することで等式を導く。その後、得られた等式を倍角・3倍角の公式を用いて $\cos\alpha$ の多項式に変換し、因数分解によって題意の方程式を導出する。無理数であることの証明は、有理数解を持たないことを示す背理法を用いる。

解法1

(1)

$\alpha = \frac{2\pi}{7}$ より、$7\alpha = 2\pi$ が成り立つ。これを変形すると、

$$ 4\alpha = 2\pi - 3\alpha $$

両辺の余弦($\cos$)をとると、

$$ \cos 4\alpha = \cos(2\pi - 3\alpha) $$

三角関数の性質 $\cos(2\pi - \theta) = \cos\theta$ より、

$$ \cos 4\alpha = \cos 3\alpha $$

となり、示された。

(2)

(1) の結果より、$\cos 4\alpha = \cos 3\alpha$ が成り立つ。 $x = \cos \alpha$ とおく。

左辺 $\cos 4\alpha$ は、2倍角の公式を繰り返し用いて以下のように変形できる。

$$ \begin{aligned} \cos 4\alpha &= 2\cos^2 2\alpha - 1 \\ &= 2(2\cos^2 \alpha - 1)^2 - 1 \\ &= 2(2x^2 - 1)^2 - 1 \\ &= 2(4x^4 - 4x^2 + 1) - 1 \\ &= 8x^4 - 8x^2 + 1 \end{aligned} $$

右辺 $\cos 3\alpha$ は、3倍角の公式を用いて以下のように変形できる。

$$ \cos 3\alpha = 4\cos^3 \alpha - 3\cos \alpha = 4x^3 - 3x $$

したがって、$\cos 4\alpha = \cos 3\alpha$ は次の方程式になる。

$$ 8x^4 - 8x^2 + 1 = 4x^3 - 3x $$

整理すると、

$$ 8x^4 - 4x^3 - 8x^2 + 3x + 1 = 0 $$

左辺に $x = 1$ を代入すると $8 - 4 - 8 + 3 + 1 = 0$ となるため、因数定理より $(x - 1)$ を因数にもつ。因数分解すると、

$$ (x - 1)(8x^3 + 4x^2 - 4x - 1) = 0 $$

ここで、$\alpha = \frac{2\pi}{7}$ は $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$ を満たすため、$x = \cos\alpha \neq 1$ である。 よって $x - 1 \neq 0$ であり、両辺を $x - 1$ で割ると、

$$ 8x^3 + 4x^2 - 4x - 1 = 0 $$

すなわち、$f(x) = 8x^3 + 4x^2 - 4x - 1$ とするとき、$f(\cos \alpha) = 0$ が成り立つ。

(3)

背理法により示す。$\cos \alpha$ が有理数であると仮定する。 (2) より、$x = \cos\alpha$ は $8x^3 + 4x^2 - 4x - 1 = 0$ の解であるから、この方程式は有理数解をもつことになる。

この方程式の左辺を変形すると、

$$ (2x)^3 + (2x)^2 - 2(2x) - 1 = 0 $$

ここで $y = 2x$ とおくと、$x$ が有理数であるから $y$ も有理数である。また、$y$ は次の方程式を満たす。

$$ y^3 + y^2 - 2y - 1 = 0 $$

有理数根定理により、最高次係数が $1$ である整数係数多項式の有理数解は、整数でなければならない。さらに、その整数解は定数項 $-1$ の約数に限られる。 したがって、有理数解の候補は $y = 1$ または $y = -1$ のみである。

これらが解になるか検証する。

(i)

$y = 1$ のとき

$$ 1^3 + 1^2 - 2 \cdot 1 - 1 = -1 \neq 0 $$

となり、解ではない。

(ii)

$y = -1$ のとき

$$ (-1)^3 + (-1)^2 - 2 \cdot (-1) - 1 = 1 \neq 0 $$

となり、これも解ではない。

ゆえに、方程式 $y^3 + y^2 - 2y - 1 = 0$ は有理数解をもたない。 これは $y$ が有理数であるという前提に矛盾する。 したがって、$y = 2\cos \alpha$ は無理数であり、$\cos \alpha$ も無理数である。

解説

正七角形に関連する有名な問題である。$\alpha = \frac{2\pi}{n}$ が与えられた際に、両辺を整数倍して $n\alpha = 2\pi$ とし、公式を適用しやすい形に角を分割する手法(本問では $7\alpha = 4\alpha + 3\alpha$)は典型的なアプローチである。 (3) の無理数の証明では、最高次の係数が $1$ でない有理数係数方程式を扱うため、$y=2x$ と置き換えることで最高次係数を $1$ にし、有理数解の候補を整数に絞り込むテクニックが非常に有効である。

答え

(1)

証明終(本文参照)

(2)

証明終(本文参照)

(3)

証明終(本文参照)

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