東北大学 1968年 文系 第5問 解説

方針・初手
求める放物線は $y$ 軸を軸とし上に凸であるから、方程式を $y = -ax^2 + c$ ($a>0$) とおくことができる。 この放物線と $y = 1 - |x|$ が接する条件から $a$ と $c$ の関係式を導き、放物線と $x$ 軸で囲まれる面積を $a$ または $c$ の1変数関数として表して最大値を求める。
解法1
求める放物線は $y$ 軸を軸とする上に凸な放物線であるから、その方程式を
$$ y = -ax^2 + c \quad (a>0) $$
とおくことができる。 $x \geqq 0$ のとき、与えられた関数は $y = 1 - x$ であり、放物線と直線が接する。 $y$ を消去して、
$$ -ax^2 + c = 1 - x $$
$$ ax^2 - x + 1 - c = 0 $$
この $x$ についての2次方程式が重解をもつので、判別式を $D$ とすると、$D = 0$ である。
$$ D = (-1)^2 - 4a(1-c) = 1 - 4a + 4ac = 0 $$
$$ 4ac = 4a - 1 $$
$a > 0$ より、
$$ c = 1 - \frac{1}{4a} $$
また、接点の $x$ 座標は重解 $x = \frac{1}{2a}$ であり、$a > 0$ であるから $x > 0$ を満たし、確かに接点は $x \geqq 0$ の領域(第1象限)にある。 グラフの対称性から、$x \leqq 0$ の領域においても放物線は $y = 1 + x$ に接することがわかる。
次に、この放物線が $x$ 軸と囲む面積を持つためには、$x$ 軸と異なる2点で交わる必要があり、頂点の $y$ 座標 $c$ について $c > 0$ でなければならない。
$$ 1 - \frac{1}{4a} > 0 $$
$$ 4a > 1 $$
$$ a > \frac{1}{4} $$
このとき、$c = 1 - \frac{1}{4a}$ より、$c$ のとりうる値の範囲は $0 < c < 1$ である。 放物線と $x$ 軸の交点の $x$ 座標は、$-ax^2 + c = 0$ を解いて $x = \pm\sqrt{\frac{c}{a}}$ となる。 放物線と $x$ 軸とで囲む面積を $S$ とすると、
$$ S = \int_{-\sqrt{\frac{c}{a}}}^{\sqrt{\frac{c}{a}}} (-ax^2 + c) dx $$
$$ S = \frac{a}{6} \left( \sqrt{\frac{c}{a}} - \left( -\sqrt{\frac{c}{a}} \right) \right)^3 $$
$$ S = \frac{a}{6} \left( 2\sqrt{\frac{c}{a}} \right)^3 $$
$$ S = \frac{4}{3} \frac{c\sqrt{c}}{\sqrt{a}} $$
ここで、$4ac = 4a - 1$ より $a = \frac{1}{4(1-c)}$ であるから、これを $S$ の式に代入すると、
$$ S = \frac{4}{3} c\sqrt{c} \sqrt{4(1-c)} $$
$$ S = \frac{8}{3} \sqrt{c^3(1-c)} $$
$$ S = \frac{8}{3} \sqrt{-c^4 + c^3} $$
根号の中の関数を $f(c) = -c^4 + c^3$ とおき、$0 < c < 1$ の範囲で最大値を求める。 $f(c)$ を $c$ で微分すると、
$$ f'(c) = -4c^3 + 3c^2 $$
$$ f'(c) = -c^2(4c - 3) $$
$f'(c) = 0$ となるのは $c = \frac{3}{4}$ のときである。 $0 < c < 1$ における $f(c)$ の増減表は以下のようになる。
| $c$ | $(0)$ | $\cdots$ | $\frac{3}{4}$ | $\cdots$ | $(1)$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(c)$ | $+$ | $0$ | $-$ | ||
| $f(c)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ |
増減表より、$f(c)$ は $c = \frac{3}{4}$ のとき最大となる。 $f(c)$ が最大となるとき面積 $S$ も最大となる。 $c = \frac{3}{4}$ のとき、$a = \frac{1}{4(1 - \frac{3}{4})} = 1$ であり、これは $a > \frac{1}{4}$ を満たす。
ゆえに、求める放物線の方程式は $y = -x^2 + \frac{3}{4}$ である。
解説
放物線を文字でおいて接する条件と面積を定式化し、1変数の関数の最大値問題に帰着させる標準的な問題である。 面積 $S$ を求める際に、面積公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を活用すると計算が簡略化できる。 また、面積 $S$ の式に $c = 1 - \frac{1}{4a}$ を代入して $a$ の関数にするよりも、$a = \frac{1}{4(1-c)}$ を代入して $c$ の関数にするほうが、微分する関数が多項式になるため計算が容易になる。変数を選択する際の工夫として押さえておきたい。 記述においては、接点が想定した領域に存在することや、面積をもつための条件($x$ 軸との交点をもつ条件)を確認することが重要である。
答え
$$ y = -x^2 + \frac{3}{4} $$
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