トップ 東北大学 1986年 文系 第4問

東北大学 1986年 文系 第4問 解説

数学2/微分法数学2/積分法テーマ/最大・最小テーマ/定積分計算
東北大学 1986年 文系 第4問 解説

方針・初手

まず (f'(x)) を求め,(F(a)) を (a) の多項式に直す。

積分区間が ([-1,1]) であるから,奇関数の積分が (0) になることを使うと計算が整理される。

解法1

((x-1)^2(x+1)) を展開すると

$$ (x-1)^2(x+1)=x^3-x^2-x+1 $$

である。したがって

$$ f'(x)=a(3x^2-2x-1)+1 $$

となる。

ここで

$$ g(x)=3x^2-2x-1 $$

とおくと,

$$ f'(x)=1+ag(x) $$

であるから,

$$ F(a)=\int_{-1}^{1}(1+ag(x))^3,dx $$

となる。これを展開すると

$$ F(a)=\int_{-1}^{1}\left(1+3ag(x)+3a^2g(x)^2+a^3g(x)^3\right),dx $$

である。

まず

$$ \int_{-1}^{1}g(x),dx =\int_{-1}^{1}(3x^2-2x-1),dx =3\int_{-1}^{1}x^2,dx-2\int_{-1}^{1}x,dx-\int_{-1}^{1}1,dx $$

より,

$$ \int_{-1}^{1}g(x),dx =3\cdot \frac{2}{3}-2\cdot 0-2=0 $$

である。

次に,

$$ g(x)^2=(3x^2-2x-1)^2=9x^4-12x^3-2x^2+4x+1 $$

だから,奇数次の項の積分は消えて

$$ \int_{-1}^{1}g(x)^2,dx =\int_{-1}^{1}(9x^4-2x^2+1),dx $$

となる。よって

$$ \int_{-1}^{1}g(x)^2,dx =9\cdot \frac{2}{5}-2\cdot \frac{2}{3}+2 =\frac{64}{15} $$

である。

さらに,

$$ g(x)^3=(3x^2-2x-1)^3 =27x^6-54x^5+9x^4+28x^3-3x^2-6x-1 $$

であるから,これも奇数次の項の積分が消えて

$$ \int_{-1}^{1}g(x)^3,dx =\int_{-1}^{1}(27x^6+9x^4-3x^2-1),dx $$

となる。したがって

$$ \int_{-1}^{1}g(x)^3,dx =27\cdot \frac{2}{7}+9\cdot \frac{2}{5}-3\cdot \frac{2}{3}-2 =\frac{256}{35} $$

である。

以上より,

$$ \begin{aligned} F(a) &=2+3a\cdot 0+3a^2\cdot \frac{64}{15}+a^3\cdot \frac{256}{35} \ &=2+\frac{64}{5}a^2+\frac{256}{35}a^3 \end{aligned} $$

となる。

これを (a) で微分すると

$$ F'(a)=\frac{128}{5}a+\frac{768}{35}a^2 =\frac{128}{35}a(7+6a) $$

であるから,停留点は

$$ a=0,\quad a=-\frac{7}{6} $$

である。

さらに

$$ F''(a)=\frac{128}{5}+\frac{1536}{35}a $$

なので,

$$ F''(0)=\frac{128}{5}>0,\qquad F''\left(-\frac{7}{6}\right)=-\frac{128}{5}<0 $$

となる。したがって (a=0) で極小となる。

そのときの値は

$$ F(0)=2 $$

である。

解説

この問題では,まず (x) に関する積分を実行して (F(a)) を (a) の多項式に直すのが基本方針である。

([-1,1]) の対称区間では奇関数の積分が (0) になるため,(g(x)^2),(g(x)^3) を展開しても偶数次の項だけ見ればよい。これにより計算が大幅に簡単になる。

その後は (F(a)) を微分して停留点を求め,二次導関数で極小かどうかを判定すればよい。

答え

極小値は

$$ 2 $$

であり,そのとき

$$ a=0 $$

である。

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。