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東京大学 1975年 理系 第3問 解説

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東京大学 1975年 理系 第3問 解説

方針・初手

放物線と直線が接するという条件から、連立して得られる2次方程式の判別式を用いて、定数 $a$ と $b$ の関係式を導く。さらに、接点が第一象限にあるという条件から、変数のとり得る値の範囲を特定する。その後、放物線と $x$ 軸とで囲まれる面積を定積分により立式し、1変数の関数に帰着させて微分法により最大値を求める。

解法1

放物線 $y = -ax^2 + bx$ と直線 $y = -x + 4$ が接するため、これらを連立した2次方程式

$$ -ax^2 + bx = -x + 4 $$

すなわち

$$ ax^2 - (b+1)x + 4 = 0 $$

は重解をもつ。この2次方程式の判別式を $D$ とすると、$D = 0$ であるから

$$ (b+1)^2 - 16a = 0 $$

これを $a$ について解くと

$$ a = \frac{(b+1)^2}{16} $$

となる。また、接点の $x$ 座標は重解であり、

$$ x = \frac{b+1}{2a} $$

で与えられる。ここに $a$ の式を代入すると

$$ x = \frac{b+1}{2 \cdot \frac{(b+1)^2}{16}} = \frac{8}{b+1} $$

となる。接点は直線 $y = -x + 4$ 上にあり、かつ第一象限にあるため、接点の $x$ 座標と $y$ 座標はともに正である。直線の方程式から、$y > 0$ となる $x$ の範囲は $x < 4$ であるから、接点の $x$ 座標は $0 < x < 4$ を満たさなければならない。したがって

$$ 0 < \frac{8}{b+1} < 4 $$

この不等式を解く。$\frac{8}{b+1} > 0$ より $b+1 > 0$ すなわち $b > -1$ である。これを踏まえて辺々に $b+1$ を掛けると

$$ 8 < 4(b+1) $$

$$ b > 1 $$

を得る。このとき $a > 0$ であり、放物線は上に凸となる。放物線 $y = -ax^2 + bx = -ax\left(x - \frac{b}{a}\right)$ と $x$ 軸の交点の $x$ 座標は $x = 0$ と $x = \frac{b}{a}$ であり、$a > 0, b > 1$ より $\frac{b}{a} > 0$ であるから、放物線と $x$ 軸の正の部分で囲まれる面積をもつ。

求める面積 $S$ は、$\frac{1}{6}$ 公式を用いて次のように計算できる。

$$ S = \int_{0}^{\frac{b}{a}} (-ax^2 + bx) dx = \frac{a}{6} \left( \frac{b}{a} - 0 \right)^3 = \frac{b^3}{6a^2} $$

これに $a = \frac{(b+1)^2}{16}$ を代入して $S$ を $b$ の関数として表すと

$$ S = \frac{b^3}{6 \left\{ \frac{(b+1)^2}{16} \right\}^2} = \frac{b^3}{6 \cdot \frac{(b+1)^4}{256}} = \frac{128b^3}{3(b+1)^4} $$

面積が最大となる条件を求めるため、$f(b) = \frac{b^3}{(b+1)^4}$ とおき、$b > 1$ における増減を調べる。商の微分公式を用いて $f(b)$ を微分すると

$$ f'(b) = \frac{3b^2 (b+1)^4 - b^3 \cdot 4(b+1)^3}{(b+1)^8} $$

分子を $b^2(b+1)^3$ でくくって整理すると

$$ f'(b) = \frac{b^2(b+1)^3 \{ 3(b+1) - 4b \}}{(b+1)^8} = \frac{b^2 (3 - b)}{(b+1)^5} $$

となる。$b > 1$ において、$f'(b) = 0$ となるのは $b = 3$ のときである。$b > 1$ における $f(b)$ の増減表は以下のようになる。

$b$ $1$ $\cdots$ $3$ $\cdots$
$f'(b)$ $+$ $0$ $-$
$f(b)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$f(b)$ は $b = 3$ のとき最大値をとる。このとき面積 $S$ も最大となり、その値は

$$ S = \frac{128}{3} f(3) = \frac{128}{3} \cdot \frac{3^3}{(3+1)^4} = \frac{128 \cdot 27}{3 \cdot 256} = \frac{9}{2} $$

また、このときの $a$ の値は

$$ a = \frac{(3+1)^2}{16} = 1 $$

である。

解説

放物線と直線が接する条件から文字を減らすこと、および面積を求める計算(定積分における $\frac{1}{6}$ 公式の活用)という、数学IIにおける微積分・図形と方程式の基本事項を組み合わせた標準的な問題である。

ポイントは、接点が「第一象限において」という条件の処理である。接点の $x$ 座標を $b$ の式で表し、それが直線 $y = -x + 4$ の第1象限の線分上にある条件($0 < x < 4$)を立式することで、独立変数 $b$ の定義域が正しく求まる。この定義域の確認を怠ると、関数の最大値を論じる際の不備につながるため注意が必要である。

答え

$$ a = 1, \quad b = 3 $$

最大となる面積は

$$ \frac{9}{2} $$

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