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東北大学 1999年 理系 第3問 解説

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東北大学 1999年 理系 第3問 解説

方針・初手

接線 $l$ の方程式を求め、線分 $PQ$ 上の点を $x$ 座標で表す。

すると、各 $a$ に対して線分 $PQ$ は

$$ y=2ax-a^2 \qquad (a-1\le x\le a+1) $$

の部分であることが分かる。したがって、$a$ を $-1\le a\le 1$ で動かしたときの動く範囲は、各 $x$ に対してこの式の取りうる $y$ の範囲を調べれば求められる。

解法1

曲線 $y=x^2$ の $x=a$ における接線は

$$ y-a^2=2a(x-a) $$

より

$$ y=2ax-a^2 $$

である。

この直線上で $x=a-1,\ a+1$ となる点をそれぞれ $P,\ Q$ とすると、

$$ P=(a-1,\ 2a(a-1)-a^2)=(a-1,\ a^2-2a), $$

$$ Q=(a+1,\ 2a(a+1)-a^2)=(a+1,\ a^2+2a) $$

である。

ここで

$$ a^2-2a=(a-1)^2-1,\qquad a^2+2a=(a+1)^2-1 $$

だから、

$$ P,\ Q \text{ はともに放物線 } y=x^2-1 \text{ 上にある。} $$

さらに、線分 $PQ$ は接線 $y=2ax-a^2$ のうち

$$ a-1\le x\le a+1 $$

の部分である。

そこで、ある $x$ を固定して、その $x$ を通る線分上の点の $y$ 座標を考える。条件 $a-1\le x\le a+1$ は

$$ x-1\le a\le x+1 $$

であり、もともと $-1\le a\le 1$ なので、

$$ a\in [x-1,\ x+1]\cap[-1,1] $$

である。

このとき

$$ y=2ax-a^2 = x^2-(a-x)^2 $$

と変形できる。

下側の境界

線分上では $|a-x|\le 1$ であるから、

$$ y=x^2-(a-x)^2\ge x^2-1 $$

となる。等号は $|a-x|=1$ のとき、すなわち線分の端点 $P,\ Q$ で成り立つ。

したがって、動く範囲の下側の境界は

$$ y=x^2-1 \qquad (-2\le x\le 2) $$

である。

上側の境界

$y=x^2-(a-x)^2$ は $(a-x)^2$ が最小のとき最大になる。

(i)

$-1\le x\le 1$ のとき

$a=x$ が許されるので、

$$ y_{\max}=x^2 $$

である。

(ii)

$1\le x\le 2$ のとき

許される $a$ は $x-1\le a\le 1$ であり、$x$ に最も近いのは $a=1$ だから、

$$ y_{\max}=2x-1 $$

である。

(iii)

$-2\le x\le -1$ のとき

対称的に $a=-1$ で最大となり、

$$ y_{\max}=-2x-1 $$

である。

よって、動く範囲は

$$ x^2-1\le y\le \begin{cases} -2x-1 & (-2\le x\le -1),\\ x^2 & (-1\le x\le 1),\\ 2x-1 & (1\le x\le 2) \end{cases} $$

で表される。

したがって面積 $S$ は

$$ S=\int_{-2}^{-1}\bigl((-2x-1)-(x^2-1)\bigr),dx +\int_{-1}^{1}\bigl(x^2-(x^2-1)\bigr),dx +\int_{1}^{2}\bigl((2x-1)-(x^2-1)\bigr),dx. $$

整理すると

$$ S=\int_{-2}^{-1}(-x^2-2x),dx+\int_{-1}^{1}1,dx+\int_{1}^{2}(2x-x^2),dx. $$

左右対称なので

$$ S=2\int_{1}^{2}(2x-x^2),dx+2. $$

ここで

$$ \int_{1}^{2}(2x-x^2),dx =\left[x^2-\frac{x^3}{3}\right]_{1}^{2} =\left(4-\frac{8}{3}\right)-\left(1-\frac{1}{3}\right) =\frac{2}{3} $$

より、

$$ S=2\cdot \frac{2}{3}+2=\frac{10}{3}. $$

解説

接線の式そのものを追いかけるだけでも解けるが、

$$ y=2ax-a^2=x^2-(a-x)^2 $$

という変形が本質である。これにより、固定した $x$ に対して $y$ がどこまで上下するかが一目で分かる。

また、端点 $P,\ Q$ がともに $y=x^2-1$ 上にあることから、下側の境界がこの放物線になることも自然に見える。上側の境界は、$x$ が中央部分では $a=x$ を取れるため $y=x^2$、端の部分では $a=\pm1$ に張りつくため直線になる。この切り替わりを正確に押さえることが重要である。

答え

求める面積は

$$ \frac{10}{3} $$

である。

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