東北大学 2002年 文系 第1問 解説

方針・初手
係数がすべて実数であり、$1+i$ が解であるから、その共役複素数 $1-i$ も解である。したがって、方程式の左辺は
$$ x^2-2x+2 $$
を因数にもつ。
そこで、元の4次式を
$$ (x^2-2x+2)(x^2+px+q) $$
とおいて係数を比較すれば、$a,b$ と残りの解がまとめて求まる。
解法1
与えられた方程式を
$$ P(x)=x^4+(a+2)x^3-(2a+2)x^2+(b+1)x+a^3 $$
とおく。
$1+i$ が解であり、しかも $a,b$ は実数なので、共役な複素数 $1-i$ も解である。よって
$$ (x-(1+i))(x-(1-i))=(x-1-i)(x-1+i)=(x-1)^2+1=x^2-2x+2 $$
より、
$$ P(x)=(x^2-2x+2)(x^2+px+q) $$
と表せる。
これを展開すると、
$$ \begin{aligned} (x^2-2x+2)(x^2+px+q) &=x^4+(p-2)x^3+(q-2p+2)x^2+(-2q+2p)x+2q \end{aligned} $$
となる。これを
$$ x^4+(a+2)x^3-(2a+2)x^2+(b+1)x+a^3 $$
と係数比較する。
まず $x^3$ の係数から
$$ p-2=a+2 $$
すなわち
$$ p=a+4 $$
である。
次に $x^2$ の係数から
$$ q-2p+2=-(2a+2) $$
であり、$p=a+4$ を代入すると
$$ q-2(a+4)+2=-2a-2 $$
すなわち
$$ q-2a-8+2=-2a-2 $$
より
$$ q=4 $$
を得る。
さらに定数項の比較より
$$ 2q=a^3 $$
であるから、
$$ 2\cdot 4=a^3 $$
すなわち
$$ a^3=8 $$
となる。$a$ は実数なので
$$ a=2 $$
である。
すると
$$ p=a+4=6 $$
となる。
最後に $x$ の係数を比較すると
$$ -2q+2p=b+1 $$
であるから、
$$ -2\cdot 4+2\cdot 6=b+1 $$
より
$$ 4=b+1 $$
したがって
$$ b=3 $$
である。
以上より、このときの方程式は
$$ (x^2-2x+2)(x^2+6x+4)=0 $$
と因数分解できる。
前半から
$$ x=1\pm i $$
を得る。後半の2次方程式
$$ x^2+6x+4=0 $$
を解くと、
$$ x=\frac{-6\pm\sqrt{36-16}}{2}=\frac{-6\pm\sqrt{20}}{2}=-3\pm\sqrt{5} $$
である。
したがって、$1+i$ 以外の解は
$$ 1-i,\ -3+\sqrt{5},\ -3-\sqrt{5} $$
である。
解説
この問題の要点は、実係数多項式に複素数解が1つあれば、その共役複素数も必ず解になることである。したがって、$1+i$ を見た時点で $x^2-2x+2$ を因数にもつと判断するのが自然である。
その後は4次式を2次式どうしの積にして係数比較を行えば、$a,b$ だけでなく他の解まで一気に決まる。複素数解が与えられた実係数方程式では典型的な処理である。
答え
$$ a=2,\quad b=3 $$
また、このときの方程式の他の解は
$$ 1-i,\ -3+\sqrt{5},\ -3-\sqrt{5} $$
である。
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