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東北大学 2019年 理系 第4問 解説

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東北大学 2019年 理系 第4問 解説

方針・初手

$[A(x)]$ は、整式 $A(x)$ を $x^2+1$ で割った余りであるから、$[A(x)]$ は高々1次の整式である。

したがって、この問題では

$$ x^2\equiv -1 $$

とみなして整理していけばよい。特に $x^4\equiv 1,\ x^5\equiv x$ が成り立つ。

解法1

(1) まず、それぞれの余りを求める。

$2x^2+x+3$ については

$$ 2x^2+x+3=2(x^2+1)+(x+1) $$

であるから、

$$ [2x^2+x+3]=x+1 $$

である。

次に、$x^5-1$ については $x^5\equiv x$ より

$$ x^5-1\equiv x-1 $$

となるので、

$$ [x^5-1]=x-1 $$

である。

さらに

$$ [[2x^2+x+3][x^5-1]] =[(x+1)(x-1)] =[x^2-1] $$

であり、$x^2\equiv -1$ を用いれば

$$ [x^2-1]=-2 $$

となる。したがって

$$ [2x^2+x+3]=x+1,\qquad [x^5-1]=x-1,\qquad [[2x^2+x+3][x^5-1]]=-2 $$

である。

(2)

$A(x),B(x)$ を任意の整式とする。

$[A(x)]$ は $A(x)$ を $x^2+1$ で割った余りであるから、ある整式 $Q(x)$ を用いて

$$ A(x)=(x^2+1)Q(x)+[A(x)] $$

と書ける。同様に、ある整式 $R(x)$ を用いて

$$ B(x)=(x^2+1)R(x)+[B(x)] $$

と書ける。

この2式を掛け合わせると

$$ A(x)B(x) =(x^2+1)^2Q(x)R(x) +(x^2+1)Q(x)[B(x)] +(x^2+1)R(x)[A(x)] +[A(x)][B(x)] $$

となる。したがって

$$ A(x)B(x)-[A(x)][B(x)] $$

は $x^2+1$ で割り切れる。よって、$A(x)B(x)$ と $[A(x)][B(x)]$ は $x^2+1$ で割った余りが等しいから

$$ [A(x)B(x)]=[[A(x)][B(x)]] $$

が成り立つ。

(3)

$$ (x\sin\theta+\cos\theta)^2 =x^2\sin^2\theta+2x\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta $$

である。ここで $x^2\equiv -1$ を用いると、

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^2] =-\sin^2\theta+2x\sin\theta\cos\theta+\cos^2\theta $$

となる。さらに

$$ 2\sin\theta\cos\theta=\sin2\theta,\qquad \cos^2\theta-\sin^2\theta=\cos2\theta $$

より

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^2] =x\sin2\theta+\cos2\theta $$

が成り立つ。

(4) 条件

$$ [(ax+b)^4]=-1 $$

を満たす実数 $a,b$ を求める。

まず $r=\sqrt{a^2+b^2}$ とおく。$r=0$ なら左辺は $0$ となって不適なので、$r>0$ である。

そこで、ある実数 $\theta$ を用いて

$$ a=r\sin\theta,\qquad b=r\cos\theta $$

と書くことができる。すると

$$ ax+b=r(x\sin\theta+\cos\theta) $$

であるから、

$$ [(ax+b)^4] =r^4[(x\sin\theta+\cos\theta)^4] $$

となる。

ここで (2) を用いると

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^4] ============================ \left[ \left{ [(x\sin\theta+\cos\theta)^2] \right}^2 \right] $$

であり、さらに (3) より

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^2] =x\sin2\theta+\cos2\theta $$

だから、

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^4] =[(x\sin2\theta+\cos2\theta)^2] $$

となる。もう一度 (3) を適用すると

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^4] =x\sin4\theta+\cos4\theta $$

を得る。したがって

$$ [(ax+b)^4] =r^4(x\sin4\theta+\cos4\theta) $$

である。

これが $-1$ に等しいためには、$x$ の係数が $0$ であり、定数項が $-1$ でなければならない。よって

$$ r^4\sin4\theta=0,\qquad r^4\cos4\theta=-1 $$

である。$r>0$ より $r^4>0$ なので、

$$ \sin4\theta=0,\qquad \cos4\theta=-1,\qquad r^4=1 $$

となる。したがって

$$ r=1,\qquad 4\theta=(2k+1)\pi \quad (k\in\mathbb{Z}) $$

である。

よって

$$ \theta=\frac{\pi}{4}+\frac{k\pi}{2} $$

であり、

$$ a=\sin\theta,\qquad b=\cos\theta $$

より、求める $(a,b)$ は

$$ \left(\frac{1}{\sqrt2},\frac{1}{\sqrt2}\right),\ \left(\frac{1}{\sqrt2},-\frac{1}{\sqrt2}\right),\ \left(-\frac{1}{\sqrt2},\frac{1}{\sqrt2}\right),\ \left(-\frac{1}{\sqrt2},-\frac{1}{\sqrt2}\right) $$

の4組である。

解説

この問題の本質は、$x^2+1$ で割った余りを考えることは、$x^2=-1$ と置いて整理することに対応するという点にある。

(2) は、余り同士の積を先に作ってからもう一度余りを取ってもよいことを述べており、以後の計算を大きく簡単にする基本性質である。

(3) は三角関数の倍角公式と $x^2\equiv -1$ を組み合わせた形になっており、(4) ではこれを2回使うことで4乗の余りが一気に求まる。したがって、(4) は直接4乗展開するよりも、(3) を利用する方が見通しがよい。

答え

$$ [2x^2+x+3]=x+1,\qquad [x^5-1]=x-1,\qquad [[2x^2+x+3][x^5-1]]=-2 $$

また、

$$ [A(x)B(x)]=[[A(x)][B(x)]] $$

である。

さらに、

$$ [(x\sin\theta+\cos\theta)^2]=x\sin2\theta+\cos2\theta $$

が成り立つ。

最後に、

$$ [(ax+b)^4]=-1 $$

を満たす $(a,b)$ は

$$ \left(\frac{1}{\sqrt2},\frac{1}{\sqrt2}\right),\ \left(\frac{1}{\sqrt2},-\frac{1}{\sqrt2}\right),\ \left(-\frac{1}{\sqrt2},\frac{1}{\sqrt2}\right),\ \left(-\frac{1}{\sqrt2},-\frac{1}{\sqrt2}\right) $$

である。

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