東北大学 2008年 文系 第1問 解説

方針・初手
まず
$$ f(x)=x^3+(2a-4)x^2+(a^2-4a+4)x $$
を因数分解する。すると
$$ f(x)=x{x^2+2(a-2)x+(a-2)^2}=x(x+a-2)^2 $$
となる。これにより,方程式 $f(x)=0$ の解の個数も,極値の計算も一気に整理できる。
解法1
(1) $a$ の値の範囲
$$ f(x)=x(x+a-2)^2 $$
より,方程式 $f(x)=0$ の解は
$$ x=0,\quad x=2-a $$
である。ただし $x=2-a$ は重解である。
したがって,異なる実数解がちょうど $2$ 個あるための条件は,この $2$ つの解が一致しないことである。よって
$$ 0\neq 2-a $$
すなわち
$$ a\neq 2 $$
である。
(2) 関数 $y=f(x)$ の極値
$$ f(x)=x(x+a-2)^2 $$
を微分すると
$$ f'(x)=(x+a-2)^2+2x(x+a-2)=(x+a-2)(3x+a-2) $$
となる。したがって,極値を与える $x$ は
$$ x=2-a,\quad x=\frac{2-a}{3} $$
である。
それぞれのときの関数値は
$$ f(2-a)=(2-a)\cdot 0^2=0 $$
および
$$ f\left(\frac{2-a}{3}\right) =\frac{2-a}{3}\left(\frac{2-a}{3}+a-2\right)^2 =\frac{2-a}{3}\left(-\frac{2(2-a)}{3}\right)^2 =\frac{4(2-a)^3}{27} $$
である。
ここで $a\neq 2$ のもとで場合分けする。
(i) $a<2$ のとき
このとき $2-a>0$ であり,
$$ \frac{2-a}{3}<2-a $$
である。$f'(x)$ は上に開く2次式なので,符号は
$$ +\ \to\ -\ \to\ + $$
と変化する。したがって,
- $x=\dfrac{2-a}{3}$ で極大
- $x=2-a$ で極小
となる。
よって
$$ \text{極大値 } \frac{4(2-a)^3}{27},\qquad \text{極小値 } 0 $$
である。
(ii) $a>2$ のとき
このとき $2-a<0$ であり,
$$ 2-a<\frac{2-a}{3} $$
である。同様に $f'(x)$ の符号変化から,
- $x=2-a$ で極大
- $x=\dfrac{2-a}{3}$ で極小
となる。
よって
$$ \text{極大値 } 0,\qquad \text{極小値 } \frac{4(2-a)^3}{27} $$
である。
(3) 極大値を与える点 $(x,f(x))$ の軌跡
極大値を与える $x$ を $X$,そのときの関数値を $Y$ とする。
(i) $a<2$ のとき
極大値は $x=\dfrac{2-a}{3}$ でとるから,
$$ X=\frac{2-a}{3}>0 $$
であり,
$$ Y=f(X)=\frac{4(2-a)^3}{27} $$
である。ここで $2-a=3X$ を代入すると
$$ Y=\frac{4(3X)^3}{27}=4X^3 $$
となる。したがって,この部分の軌跡は
$$ Y=4X^3\quad (X>0) $$
である。
(ii) $a>2$ のとき
極大値は $x=2-a$ でとり,
$$ X=2-a<0,\qquad Y=f(2-a)=0 $$
となる。したがって,この部分の軌跡は
$$ Y=0\quad (X<0) $$
である。
以上より,求める図形は
$$ Y=4X^3\quad (X>0),\qquad Y=0\quad (X<0) $$
で表される。原点 $(0,0)$ は $a=2$ のときに対応するが,これは (1) の範囲に含まれないので除かれる。
解説
この問題の本質は,最初に
$$ f(x)=x(x+a-2)^2 $$
と因数分解できることにある。これにより,方程式の解の個数はすぐに分かり,さらに重解 $x=2-a$ をもつことも明確になる。
また,極値の位置は微分して求めるが,$f'(x)$ も
$$ f'(x)=(x+a-2)(3x+a-2) $$
ときれいに因数分解されるので,臨界点が $x=2-a,\ \dfrac{2-a}{3}$ と簡単に出る。あとは $a<2$ と $a>2$ で大小関係が入れ替わることに注意すればよい。
軌跡は,極大値を与える点だけを追うので,$a<2$ 側では立方曲線の右半分,$a>2$ 側では負の $x$ 軸上の点列になる。
答え
$$ \text{(1)}\quad a\neq 2 $$
$$ \text{(2)}\quad \begin{cases} a<2\ \text{のとき} & \text{極大値 } \dfrac{4(2-a)^3}{27},\ \text{極小値 } 0 [1mm] a>2\ \text{のとき} & \text{極大値 } 0,\ \text{極小値 } \dfrac{4(2-a)^3}{27} \end{cases} $$
$$ \text{(3)}\quad Y=4X^3\ (X>0),\qquad Y=0\ (X<0) $$
ただし原点は含まない。
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