東北大学 1993年 理系 第2問 解説

方針・初手
点 $P$ の $x$ 座標を $a$ とおくと,$a \geqq 0$ である。まず,$P$ における法線の方程式を求め,その $x$ 軸との交点を出す。すると三角形の底辺と高さが求まるので,面積 $S$ を $a$ の関数で表せる。最後にその関数の最大値を調べればよい。
解法1
$P$ を
$$ P=(a,\log(a+1)+1)\qquad (a\geqq 0) $$
とおく。
曲線
$$ y=\log(x+1)+1 $$
の導関数は
$$ y'=\frac{1}{x+1} $$
であるから,$P$ における接線の傾きは $\dfrac{1}{a+1}$,したがって法線の傾きは
$$ -(a+1) $$
である。
よって,$P$ における法線の方程式は
$$ y-(\log(a+1)+1)=-(a+1)(x-a) $$
となる。
この法線と $x$ 軸との交点を $Q$ とする。$x$ 軸上では $y=0$ だから,
$$ -(\log(a+1)+1)=-(a+1)(x-a) $$
より,
$$ x=a+\frac{\log(a+1)+1}{a+1} $$
となる。したがって,
$$ Q=\left(a+\frac{\log(a+1)+1}{a+1},,0\right) $$
である。
また,$P$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足を $H$ とすると,
$$ H=(a,0) $$
であるから,
$$ PH=\log(a+1)+1 $$
および
$$ HQ=\frac{\log(a+1)+1}{a+1} $$
である。
よって,三角形の面積 $S$ は
$$ S=\frac12 \cdot PH \cdot HQ $$
であり,
$$ S=\frac12\bigl(\log(a+1)+1\bigr)\cdot \frac{\log(a+1)+1}{a+1} =\frac{(\log(a+1)+1)^2}{2(a+1)} $$
となる。
ここで
$$ t=a+1 $$
とおくと,$a\geqq 0$ より $t\geqq 1$ であり,
$$ S=\frac{(\log t+1)^2}{2t} $$
と書ける。
これを微分すると,
$$ S' =\frac12\cdot \frac{2(\log t+1)\cdot \frac1t \cdot t-(\log t+1)^2}{t^2} =\frac{(\log t+1)(1-\log t)}{2t^2} $$
となる。
$t\geqq 1$ では $\log t+1>0$ であるから,$S'$ の符号は $1-\log t$ の符号で決まる。
(i) $1\leqq t<e$ のとき
$$ 1-\log t>0 $$
より,
$$ S'>0 $$
である。
(ii) $t=e$ のとき
$$ S'=0 $$
である。
(iii) $t>e$ のとき
$$ 1-\log t<0 $$
より,
$$ S'<0 $$
である。
したがって,$S$ は $t=e$ のとき最大となる。すなわち,
$$ a=e-1 $$
のとき最大である。
このとき,
$$ S=\frac{(\log e+1)^2}{2e} =\frac{(1+1)^2}{2e} =\frac{2}{e} $$
となる。
解説
法線と座標軸で囲まれる図形の面積を求める問題では,まず法線の方程式を立て,$x$ 軸との交点を求めるのが基本方針である。この問題でも,底辺 $HQ$ と高さ $PH$ が素直に表せるので,面積はすぐ 1 変数関数に落ちる。
また,$\log(a+1)$ が出てくるので,$t=a+1$ と置くと式が整い,微分後の符号判定が非常に見やすくなる。最大値問題として標準的である。
答え
$S$ の最大値は
$$ \frac{2}{e} $$
である。
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