東北大学 1993年 理系 第3問 解説

方針・初手
回転軸 $l$ が三角形の内部を通るので、そのまま体積を積分すると場合分けが煩雑になる。そこでまず $l$ と辺 $AB$ の交点 $C$ を求める。
つぎに三角形 $OAB$ を $OAC$ と $OBC$ に分け、それぞれの回転体の体積を求めてから、重なっている部分を引く。重なりは双円すいになるので、その体積も求められる。
解法1
$\sin\theta=s,\ \cos\theta=c$ とおく。ただし $0\leqq \theta\leqq \dfrac{\pi}{4}$ であるから
$$ 0\leqq s\leqq c,\qquad s^2+c^2=1 $$
が成り立つ。
(1)
辺 $AB$ の方程式は
$$ x+y=1 $$
であり、直線 $l$ は
$$ y=(\tan\theta)x=\frac{s}{c}x $$
である。これらの交点を $C$ とすると
$$ x+\frac{s}{c}x=1 $$
より
$$ x=\frac{c}{c+s},\qquad y=\frac{s}{c+s} $$
である。したがって
$$ OC=\sqrt{\left(\frac{c}{c+s}\right)^2+\left(\frac{s}{c+s}\right)^2} =\frac{\sqrt{c^2+s^2}}{c+s} =\frac{1}{c+s}. $$
よって
$$ OC=\frac{1}{\sin\theta+\cos\theta} $$
である。
区間 $0\leqq \theta\leqq \dfrac{\pi}{4}$ では $\sin\theta+\cos\theta$ は単調増加するから、$OC$ は単調減少する。したがって
$$ \max OC=1\qquad (\theta=0), $$
$$ \min OC=\frac{1}{\sqrt2}\qquad \left(\theta=\frac{\pi}{4}\right) $$
である。
(2)
三角形 $OAB$ を $OAC$ と $OBC$ に分け、それぞれの回転体を $S_A,\ S_B$ とする。
まず、三角形 $OAC$ を直線 $l$ のまわりに回転してできる立体の体積を求める。三角形 $OAC$ の面積は、底辺を $OC$、高さを点 $A$ から直線 $l$ への距離とみれば
$$ \frac12\cdot OC\cdot s =\frac12\cdot \frac{1}{c+s}\cdot s =\frac{s}{2(c+s)} $$
である。
また、三角形の重心は各辺からの距離を $1:2$ に内分するので、重心と直線 $l$ との距離は
$$ \frac{s}{3} $$
である。よってパップスの定理より
$$ V_A =2\pi\cdot \frac{s}{3}\cdot \frac{s}{2(c+s)} =\frac{\pi s^2}{3(c+s)}. $$
同様に、三角形 $OBC$ を回転してできる立体の体積 $V_B$ は
$$ V_B=\frac{\pi c^2}{3(c+s)} $$
である。
つぎに $S_A$ と $S_B$ の重なりを求める。
回転軸 $l$ を $X$ 軸にするために、座標変換
$$ X=xc+ys,\qquad Y=-xs+yc $$
を考える。このとき $l$ は $Y=0$ となる。点 $A,B$ はそれぞれ
$$ A(c,-s),\qquad B(s,c) $$
に移る。
また、辺 $AB$ は $x+y=1$ であったから、$(X,Y)$ 座標では
$$ (c+s)X+(c-s)Y=1 $$
すなわち
$$ Y=\frac{1-(c+s)X}{c-s} $$
となる。
重なり部分の共通の底面は、直線 $OA$ と $BC$ が回転軸から同じ距離になる位置で生じる。そこで $X=X_0$ における半径を等しいとして
$$ \frac{s}{c}X_0=\frac{1-(c+s)X_0}{c-s} $$
を解くと
$$ X_0=\frac{c}{c^2+2sc-s^2} =\frac{\cos\theta}{\cos2\theta+\sin2\theta} $$
を得る。
したがって、その共通底面の半径 $r_0$ は
$$ r_0=\frac{s}{c}X_0 =\frac{s}{c^2+2sc-s^2} =\frac{\sin\theta}{\cos2\theta+\sin2\theta} $$
である。
この重なり部分は、軸 $OC$ を共通軸とし、頂点が $O,\ C$ にある双円すいになる。よってその体積 $V_{\cap}$ は
$$ V_{\cap} =\frac13\pi r_0^2\cdot OC =\frac13\pi\left(\frac{s}{c^2+2sc-s^2}\right)^2\cdot \frac{1}{c+s}. $$
すなわち
$$ V_{\cap} ======== \frac{\pi s^2}{3(c+s)(\cos2\theta+\sin2\theta)^2}. $$
ゆえに求める体積 $V$ は
$$ V=V_A+V_B-V_{\cap} $$
より
$$ V= \frac{\pi}{3(c+s)} \left( 1-\frac{s^2}{(,c^2+2sc-s^2,)^2} \right). $$
したがって
$$ V= \frac{\pi}{3(\sin\theta+\cos\theta)} \left( 1-\frac{\sin^2\theta}{(\cos2\theta+\sin2\theta)^2} \right) $$
である。
(3)
$t=\tan\theta\ (0\leqq t\leqq 1)$ とおくと
$$ \sin\theta=\frac{t}{\sqrt{1+t^2}},\qquad \cos\theta=\frac{1}{\sqrt{1+t^2}} $$
であるから、上の式は
$$ V= \frac{\pi\sqrt{1+t^2}}{3(1+t)} \left( 1-\frac{t^2}{(1+2t-t^2)^2} \right) $$
と書ける。
これを $t$ で微分すると
$$ \frac{dV}{dt} ============= \frac{\pi\left(4t^7+6t^6+23t^5+9t^4-6t^3+4t^2+7t+1\right)} {3(1+t)^2\sqrt{1+t^2}(t^2-2t-1)^3}. $$
ここで $0\leqq t\leqq 1$ では
$$ t^2-2t-1<0 $$
である。また分子は
$$ 4t^7+6t^6+23t^5+9t^4+t(4t+7-6t^2)+1 $$
と書け、$0\leqq t\leqq 1$ で $4t+7-6t^2\geqq 5>0$ だから分子は正である。したがって
$$ \frac{dV}{dt}<0 $$
となる。ゆえに $V$ は $0\leqq t\leqq 1$、すなわち $0\leqq \theta\leqq \dfrac{\pi}{4}$ で単調減少する。
よって
$$ V_{\max}=V(0)=\frac{\pi}{3}, $$
$$ V_{\min}=V\left(\frac{\pi}{4}\right) ==================================== # \frac{\pi}{3\sqrt2}\left(1-\frac12\right) \frac{\pi}{6\sqrt2}. $$
解説
この問題の要点は、回転軸が図形の内部を通るため、単純な円板法ではすぐに処理しにくいことである。三角形を $OAC$ と $OBC$ に分けると、それぞれは回転軸の片側にある三角形になるので、パップスの定理で体積を求めやすくなる。
ただし、そのまま足すと重なりを二重に数える。この重なりが双円すいになることを見抜けば、計算が整理できる。
答え
$$ OC=\frac{1}{\sin\theta+\cos\theta} $$
であり、
$$ \max OC=1\quad (\theta=0),\qquad \min OC=\frac{1}{\sqrt2}\quad \left(\theta=\frac{\pi}{4}\right) $$
である。
また、
$$ V= \frac{\pi}{3(\sin\theta+\cos\theta)} \left( 1-\frac{\sin^2\theta}{(\cos2\theta+\sin2\theta)^2} \right) $$
である。
したがって、
$$ V_{\max}=\frac{\pi}{3}\quad (\theta=0),\qquad V_{\min}=\frac{\pi}{6\sqrt2}\quad \left(\theta=\frac{\pi}{4}\right) $$
である。
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