東北大学 1999年 理系 第2問 解説

方針・初手
原点を通る直線の長さ $1$ の方向ベクトルを $(a,b,c)$ とすると,その直線は
$$ \ell:\ (x,y,z)=t(a,b,c)\qquad (t\in\mathbb{R}) $$
と表せる。
直線が球面に接する条件は,「球の中心から直線までの距離が半径に等しいこと」である。中心が座標軸上にあるので,距離公式を用いて $a,b$ をそれぞれ決め,最後に $a^2+b^2+c^2=1$ から $c$ を求めればよい。
解法1
方向ベクトルは長さ $1$ であるから,
$$ a^2+b^2+c^2=1 $$
が成り立つ。
まず,球面 $S_1$ の中心は $(10,0,0)$,半径は $9$ である。 原点を通り方向ベクトル $(a,b,c)$ をもつ直線 $\ell$ への点 $(10,0,0)$ からの距離の二乗は,
$$ |(10,0,0)|^2-{(10,0,0)\cdot (a,b,c)}^2 $$
である。したがって
$$ 100-(10a)^2=9^2 $$
となる。よって
$$ 100-100a^2=81 $$
より,
$$ a^2=\frac{19}{100} $$
すなわち
$$ a=\pm \frac{\sqrt{19}}{10} $$
である。
次に,球面 $S_2$ の中心は $(0,10,0)$,半径は $8$ である。同様にして,点 $(0,10,0)$ から直線 $\ell$ までの距離が $8$ だから,
$$ 100-(10b)^2=8^2 $$
すなわち
$$ 100-100b^2=64 $$
より,
$$ b^2=\frac{36}{100}=\frac{9}{25} $$
したがって
$$ b=\pm \frac35 $$
である。
あとは単位ベクトルの条件を用いると,
$$ c^2=1-a^2-b^2 =1-\frac{19}{100}-\frac{36}{100} =\frac{45}{100} =\frac{9}{20} $$
ゆえに
$$ c=\pm \frac{3}{\sqrt{20}}=\pm \frac{3\sqrt5}{10} $$
となるが,条件 $c\geqq 0$ より
$$ c=\frac{3\sqrt5}{10} $$
である。
したがって求める方向ベクトルは,$a,b$ の符号の組合せによって
$$ \left(\frac{\sqrt{19}}{10},\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right),\ \left(\frac{\sqrt{19}}{10},-\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right),\ \left(-\frac{\sqrt{19}}{10},\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right),\ \left(-\frac{\sqrt{19}}{10},-\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right) $$
の $4$ 個である。
解説
直線が球面に接する条件は,接点を直接求めるよりも「中心から直線までの距離」で処理するのが最も速い。
この問題では球の中心がそれぞれ $x$ 軸上,$y$ 軸上にあるため,$S_1$ からは $a$,$S_2$ からは $b$ が独立に決まる。最後に単位ベクトル条件で $c$ を決めれば終わる。 また,方向ベクトルは通常 $\pm$ が同じ直線を表すが,本問では $c\geqq 0$ という条件があるので重複が除かれ,答えはちょうど $4$ 個になる。
答え
$$ \left(\frac{\sqrt{19}}{10},\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right),\ \left(\frac{\sqrt{19}}{10},-\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right),\ \left(-\frac{\sqrt{19}}{10},\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right),\ \left(-\frac{\sqrt{19}}{10},-\frac35,\frac{3\sqrt5}{10}\right) $$
である。
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