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東北大学 2003年 理系 第6問 解説

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東北大学 2003年 理系 第6問 解説

方針・初手

$f(x)=(x+1)\log \dfrac{x+1}{x}=(x+1)\log \left(1+\dfrac{1}{x}\right)$ と書けるので、まず微分して単調性を調べる。

その際、$\log(1+t)<t\ (t>0)$ を用いると導関数の符号が直ちに分かる。 極限は $\log(1+t)$ の基本極限と大小関係を使って処理し、(3) は連続性と単調性から中間値の定理で示す。

解法1

まず定義域は $x>0$ である。

$f(x)$ を微分すると

$$ f'(x)=\log \frac{x+1}{x}+(x+1)\left(\frac{1}{x+1}-\frac{1}{x}\right) $$

であるから、

$$ f'(x)=\log \left(1+\frac{1}{x}\right)-\frac{1}{x} $$

となる。

ここで $t>0$ に対して

$$ \log(1+t)<t $$

が成り立つ。実際、

$$ g(t)=t-\log(1+t) $$

とおくと、

$$ g'(t)=1-\frac{1}{1+t}=\frac{t}{1+t}>0 \qquad (t>0) $$

より $g(t)>g(0)=0$ であり、したがって $\log(1+t)<t$ である。

これを $t=\dfrac{1}{x}>0$ に適用すると

$$ \log \left(1+\frac{1}{x}\right)<\frac{1}{x} $$

であるから、

$$ f'(x)<0 \qquad (x>0) $$

となる。よって $f(x)$ は $x>0$ で単調減少関数である。

次に極限を求める。

$x\to +\infty$ のとき、$t=\dfrac{1}{x}\to 0^+$ とおけば

$$ f(x)=(x+1)\log \left(1+\frac{1}{x}\right) =\left(1+\frac{1}{x}\right)\cdot x\log \left(1+\frac{1}{x}\right) =(1+t)\cdot \frac{\log(1+t)}{t} $$

となる。ここで

$$ \lim_{t\to 0}\frac{\log(1+t)}{t}=1 $$

より、

$$ \lim_{x\to +\infty}f(x)=1 $$

である。

また $x\to +0$ のときは $\dfrac{1}{x}\to +\infty$ であり、

$$ f(x)=(x+1)\log \left(1+\frac{1}{x}\right)>\log \left(1+\frac{1}{x}\right) $$

である。右辺は $x\to +0$ で $+\infty$ に発散するから、

$$ \lim_{x\to +0}f(x)=+\infty $$

となる。

最後に、$f(x)=2$ を満たす $x$ が $\dfrac{1}{e^2}<x<1$ に存在することを示す。

$f(x)$ は $x>0$ で連続であり、上で示したように単調減少である。

まず $x=1$ のとき

$$ f(1)=2\log 2<2 $$

である。次に $x=\dfrac{1}{e^2}$ のとき

$$ f\left(\frac{1}{e^2}\right)=\left(1+\frac{1}{e^2}\right)\log(1+e^2) $$

であるが、$1+e^2>e^2$ より

$$ \log(1+e^2)>\log(e^2)=2 $$

したがって

$$ f\left(\frac{1}{e^2}\right) =\left(1+\frac{1}{e^2}\right)\log(1+e^2) > \left(1+\frac{1}{e^2}\right)\cdot 2 > 2 > $$

となる。

よって

$$ f\left(\frac{1}{e^2}\right)>2>f(1) $$

である。$f(x)$ は $\left[\dfrac{1}{e^2},1\right]$ で連続だから、中間値の定理により

$$ \frac{1}{e^2}<x<1 $$

を満たす $x$ で $f(x)=2$ となるものが存在する。さらに単調減少であるから、そのような $x$ はただ1つである。

解説

この問題の核心は

$$ \log(1+t)<t \qquad (t>0) $$

を使って導関数の符号を押さえることである。これにより単調性が確定し、(3) では端点での値の比較だけで存在が示せる。

また、$x\to+\infty$ では $\dfrac{1}{x}\to 0$ とおいて $\log(1+t)\sim t$ を使うのが自然であり、$x\to+0$ では $\log\left(1+\dfrac{1}{x}\right)\to+\infty$ をそのまま用いればよい。

答え

$$ f'(x)=\log\left(1+\frac{1}{x}\right)-\frac{1}{x}<0 \qquad (x>0) $$

より、$f(x)$ は $x>0$ で単調減少関数である。

また、

$$ \lim_{x\to+\infty}f(x)=1,\qquad \lim_{x\to+0}f(x)=+\infty $$

である。

さらに、

$$ f\left(\frac{1}{e^2}\right)>2>f(1) $$

より、中間値の定理によって

$$ \frac{1}{e^2}<x<1 $$

を満たす $x$ で $f(x)=2$ となるものが存在する。

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