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東北大学 2007年 理系 第3問 解説

数学2/指数対数数学3/微分法数学3/極限テーマ/存在証明
東北大学 2007年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) については、左辺を $f(x)$ とおき、$x \geqq 1$ における増減を微分を用いて調べます。単調減少であることと、適当な $x$ の値(例えば $x=1$ と $x=e$)における関数値の符号を調べることで、中間値の定理から解の存在と一意性を示します。

(2) については、方程式の解 $x_n$ を式で直接表すことはできないため、与えられた方程式自体を関係式として利用し、$x_n$ を評価する不等式を作ります。そして、はさみうちの原理を用いて極限を求めます。

解法1

(1)

与えられた方程式の左辺を $f(x)$ とおく。すなわち、

$$ f(x) = \frac{1}{x^n} - \log x - \frac{1}{e} $$

とする。$x \geqq 1$ において、$f(x)$ を $x$ について微分すると、

$$ f'(x) = -\frac{n}{x^{n+1}} - \frac{1}{x} $$

となる。$n$ は自然数であり、$x \geqq 1$ において $-\frac{n}{x^{n+1}} < 0$ かつ $-\frac{1}{x} < 0$ であるから、常に $f'(x) < 0$ が成り立つ。

したがって、$f(x)$ は $x \geqq 1$ において単調に減少する。

ここで、$x = 1$ のときの関数値を調べると、

$$ f(1) = \frac{1}{1^n} - \log 1 - \frac{1}{e} = 1 - \frac{1}{e} $$

自然対数の底 $e$ は $e > 1$ であるから、$1 - \frac{1}{e} > 0$ となり、$f(1) > 0$ である。

次に、$x = e$ のときの関数値を調べると、

$$ f(e) = \frac{1}{e^n} - \log e - \frac{1}{e} = \frac{1}{e^n} - 1 - \frac{1}{e} $$

$n \geqq 1$ および $e > 1$ より $\frac{1}{e^n} \leqq \frac{1}{e}$ であるから、

$$ \frac{1}{e^n} - 1 - \frac{1}{e} \leqq \frac{1}{e} - 1 - \frac{1}{e} = -1 < 0 $$

となり、$f(e) < 0$ である。

$f(x)$ は $x \geqq 1$ で連続かつ単調減少であり、$f(1) > 0$ かつ $f(e) < 0$ であるから、中間値の定理より $f(x) = 0$ を満たす実数 $x$ は $1 < x < e$ の範囲にただ一つ存在する。

ゆえに、与えられた方程式は $x \geqq 1$ にただ一つの解をもつ。

(2)

(1) の結果より、$x_n$ は方程式 $f(x) = 0$ の解であり、区間 $1 < x < e$ に存在するため、

$$ 1 < x_n < e $$

が成り立つ。

また、$x_n$ は方程式 $\frac{1}{x^n} - \log x - \frac{1}{e} = 0$ を満たすので、

$$ \frac{1}{x_n^n} - \log x_n - \frac{1}{e} = 0 $$

$$ \frac{1}{x_n^n} = \log x_n + \frac{1}{e} $$

が成り立つ。

ここで、$x_n > 1$ であることから $\log x_n > 0$ である。したがって、上式より、

$$ \frac{1}{x_n^n} > \frac{1}{e} $$

が成り立つ。$x_n > 0$, $e > 0$ であるから、両辺の逆数をとって不等号の向きを反転させると、

$$ x_n^n < e $$

両辺は正であるから、$n$ 乗根をとると、

$$ x_n < e^{\frac{1}{n}} $$

となる。これと $x_n > 1$ を合わせると、

$$ 1 < x_n < e^{\frac{1}{n}} $$

という不等式が得られる。

ここで、$n \to \infty$ の極限をとると、

$$ \lim_{n \to \infty} e^{\frac{1}{n}} = e^0 = 1 $$

となる。

したがって、はさみうちの原理により、

$$ \lim_{n \to \infty} x_n = 1 $$

が成り立つ。

解説

方程式の解の極限を求める問題における典型的な解法です。

(1) では、方程式の解の存在と一意性を示すために、関数 $f(x)$ の単調性と特定の点での符号の変化(中間値の定理)を利用します。$x \to \infty$ における極限 $\lim_{x \to \infty} f(x) = -\infty$ を用いても証明できますが、$x = e$ などの具体的な値を代入して負になることを示す方が、記述が簡潔で論理的にも安全です。

(2) では、解 $x_n$ を直接 $n$ の式で表すことは不可能なので、「$x_n$ は与えられた方程式を満たす」という事実から関係式を導き、それを不等式評価に繋げるのが定石です。今回は $x_n > 1$ に着目して $\log x_n > 0$ を利用することで、容易に $x_n < e^{\frac{1}{n}}$ という上限の評価を得ることができます。あとは「はさみうちの原理」に持ち込んで完了となります。

答え

(1) 関数 $f(x) = \frac{1}{x^n} - \log x - \frac{1}{e}$ の単調減少性と $f(1) > 0, f(e) < 0$ を用いて、中間値の定理より $x \geqq 1$ にただ一つの解をもつことを示した。(詳細は解法1を参照)

(2) 方程式の条件から不等式 $1 < x_n < e^{\frac{1}{n}}$ を導き、はさみうちの原理により $\lim_{n \to \infty} x_n = 1$ を示した。(詳細は解法1を参照)

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