東北大学 2007年 理系 第4問 解説

方針・初手
点 $P=(1,2)$ を通る直線と正方形 $K=[0,4]\times[0,4]$ との共通部分は線分になる。その長さは、直線の傾きによって、どの辺とどの辺を結ぶかで場合分けできる。
したがって、直線を
$$ y-2=m(x-1) $$
とおき、まず $m$ の値によって交わる辺を分類し、それぞれの場合の線分の長さを式で表して比較するのが自然である。なお、鉛直線 $x=1$ も別に考える。
解法1
点 $P=(1,2)$ を通る直線を
$$ y-2=m(x-1) $$
とする。ただし、最後に鉛直線 $x=1$ も考える。
正方形の各辺との交点を調べると、
- 左辺 $x=0$ との交点は $(0,,2-m)$
- 右辺 $x=4$ との交点は $(4,,2+3m)$
- 下辺 $y=0$ との交点は $\left(1-\dfrac{2}{m},,0\right)$
- 上辺 $y=4$ との交点は $\left(1+\dfrac{2}{m},,4\right)$
である。
以下、$m\geqq 0$ について考えれば、$m<0$ の場合は対称性から同じ長さになる。
(i) $0\leqq m\leqq \dfrac{2}{3}$ のとき
このとき直線は左辺と右辺を結ぶ。
よって、$x$ の差は $4$ であるから、線分 $l$ の長さ $L$ は
$$ L=4\sqrt{1+m^2} $$
となる。
したがって、この範囲では
$$ 4\leqq L\leqq 4\sqrt{1+\left(\frac{2}{3}\right)^2} =\frac{4\sqrt{13}}{3} $$
である。
(ii) $\dfrac{2}{3}\leqq m\leqq 2$ のとき
このとき直線は左辺と上辺を結ぶ。交点をそれぞれ
$$ A=(0,,2-m),\qquad B=\left(1+\frac{2}{m},,4\right) $$
とすると、
$$ \overrightarrow{AB} =\left(1+\frac{2}{m},,2+m\right) $$
である。ここで
$$ 2+m=m\left(1+\frac{2}{m}\right) $$
だから、
$$ L=\left(1+\frac{2}{m}\right)\sqrt{1+m^2} $$
となる。
これを比較するために $L^2$ を考えると、
$$ L^2=\left(1+\frac{2}{m}\right)^2(1+m^2) = m^2+4m+5+\frac{4}{m}+\frac{4}{m^2} $$
である。よって
$$ \frac{d}{dm}L^2 =2m+4-\frac{4}{m^2}-\frac{8}{m^3} =\frac{2(m+2)(m^3-2)}{m^3} $$
となる。
したがって、この区間では $m=\sqrt[3]{2}$ で極小となり、最大値は端点でとる。端点での値は
$$ L\bigg(\frac{2}{3}\bigg)=\frac{4\sqrt{13}}{3},\qquad L(2)=2\sqrt{5} $$
であるから、この範囲での最大値は
$$ \frac{4\sqrt{13}}{3} $$
である。
(iii) $m\geqq 2$ のとき
このとき直線は下辺と上辺を結ぶ。$y$ の差は $4$ であるから、
$$ L=4\sqrt{1+\frac{1}{m^2}} $$
となる。
したがって、この範囲では
$$ 4<L\leqq 4\sqrt{1+\frac{1}{2^2}}=2\sqrt{5} $$
である。
(iv) 鉛直線 $x=1$ のとき
このとき $l$ は $(1,0)$ と $(1,4)$ を結ぶので、
$$ L=4 $$
である。
以上より、全体として
$$ L_{\max}=\frac{4\sqrt{13}}{3},\qquad L_{\min}=4 $$
である。
最大値を与えるのは (i) の端点 $m=\pm \dfrac{2}{3}$ のときであり、直線の方程式は
$$ y-2=\frac{2}{3}(x-1),\qquad y-2=-\frac{2}{3}(x-1) $$
すなわち
$$ 2x-3y+4=0,\qquad 2x+3y-8=0 $$
である。
解説
この問題の本質は、線分の長さを直接最適化することではなく、直線が正方形のどの辺どうしを結ぶかを傾きで分類することである。
点 $(1,2)$ は正方形の中心ではないため、最大値は対角線方向ではなく、右上または右下の頂点を通る直線で実現する。一方、最小値は水平方向 $y=2$ または鉛直方向 $x=1$ で実現し、いずれも長さは $4$ である。
答え
$$ \text{(1)}\quad l\text{ の長さの最大値は }\frac{4\sqrt{13}}{3} $$
そのときの直線は
$$ y-2=\frac{2}{3}(x-1),\qquad y-2=-\frac{2}{3}(x-1) $$
すなわち
$$ 2x-3y+4=0,\qquad 2x+3y-8=0 $$
である。
$$ \text{(2)}\quad l\text{ の長さの最小値は }4 $$
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