東北大学 2023年 理系 第3問 解説

方針・初手
漸化式
$$ (n+2)a_{n+1}=na_n+2 $$
では、まず定数解を探すのが有効である。実際、$a_n=1$ を代入すると成立するので、$a_n-1$ に着目すると漸化式が同次形に簡単になる。
その後、$n(n+1)(a_n-1)$ が一定になることを用いて一般項を求め、最後に和
$$ \sum_{n=1}^m a_n $$
を計算する。
解法1
$a_n=1$ は与えられた漸化式の解である。そこで
$$ b_n=a_n-1 $$
とおく。
すると
$$ (n+2)(b_{n+1}+1)=n(b_n+1)+2 $$
より
$$ (n+2)b_{n+1}=nb_n $$
を得る。
両辺に $n+1$ を掛けると
$$ (n+1)(n+2)b_{n+1}=n(n+1)b_n $$
となるから、数列 ${n(n+1)b_n}$ は一定である。
よって
$$ n(n+1)b_n=1\cdot 2,b_1=2(s-1) $$
である。したがって
$$ b_n=\frac{2(s-1)}{n(n+1)} $$
となり、
$$ a_n=1+\frac{2(s-1)}{n(n+1)} $$
を得る。
これで (1) は求まった。
次に (2) を考える。上の式を用いると
$$ \sum_{n=1}^m a_n =\sum_{n=1}^m\left(1+\frac{2(s-1)}{n(n+1)}\right) =m+2(s-1)\sum_{n=1}^m\frac{1}{n(n+1)} $$
である。
ここで
$$ \frac{1}{n(n+1)}=\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1} $$
より、
$$ \sum_{n=1}^m\frac{1}{n(n+1)} =\sum_{n=1}^m\left(\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1}\right) =1-\frac{1}{m+1} =\frac{m}{m+1} $$
となる。
したがって
$$ \sum_{n=1}^m a_n =m+2(s-1)\frac{m}{m+1} $$
である。
これが $0$ になるので
$$ m+2(s-1)\frac{m}{m+1}=0 $$
であり、$m>0$ だから両辺を $m$ で割って
$$ 1+\frac{2(s-1)}{m+1}=0 $$
を得る。よって
$$ 2(s-1)=-(m+1) $$
すなわち
$$ s=\frac{1-m}{2} $$
である。
解説
この問題の要点は、非同次漸化式に対してまず定数解 $a_n=1$ を見つけることである。これにより $a_n-1$ が満たす漸化式は
$$ (n+2)b_{n+1}=nb_n $$
という扱いやすい形になる。
さらに、$n(n+1)b_n$ が一定になると見抜ければ一般項はすぐに出る。和の計算では
$$ \frac{1}{n(n+1)}=\frac{1}{n}-\frac{1}{n+1} $$
という基本的な部分分数分解を使うのが典型である。
答え
$$ a_n=1+\frac{2(s-1)}{n(n+1)} $$
また、
$$ \sum_{n=1}^m a_n=0 $$
となるための $s$ は
$$ s=\frac{1-m}{2} $$
である。
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