東北大学 2025年 文系 第2問 解説

方針・初手
$x_{n+1},y_{n+1}$ は積とべきで定義されているので、対数をとると一次の漸化式に直せる。そこで
$$ a_n=\log_2 x_n,\qquad b_n=\log_2 y_n $$
とおく。
すると $(a_n,b_n)$ は行列で扱える一次変換に従う。 特に、$a_n+kb_n$ が等比数列になる条件は、$(1,k)$ がその一次変換の左固有ベクトルになる条件に言い換えられる。
解法1
まず、対数の性質より
$$ a_{n+1}=\log_2 x_{n+1}=\log_2!\bigl(x_n^5y_n^2\bigr)=5a_n+2b_n $$
$$ b_{n+1}=\log_2 y_{n+1}=\log_2!\bigl(x_ny_n^6\bigr)=a_n+6b_n $$
である。
また初項は
$$ a_1=\log_2 2=1,\qquad b_1=\log_2 \frac12=-1 $$
である。
(1)
$a_n+kb_n$ が等比数列となる $k$
$c_n=a_n+kb_n$ とおく。これが等比数列であるとは、ある定数 $r$ が存在して
$$ c_{n+1}=r c_n $$
がすべての $n$ で成り立つことである。
実際に $c_{n+1}$ を計算すると
$$ \begin{aligned} c_{n+1} &=a_{n+1}+kb_{n+1} \\ &=(5a_n+2b_n)+k(a_n+6b_n) \\ &=(5+k)a_n+(2+6k)b_n \end{aligned} $$
となる。
これが $r(a_n+kb_n)=ra_n+rkb_n$ に一致するためには
$$ 5+k=r,\qquad 2+6k=rk $$
が必要十分である。
$r=5+k$ を代入すると
$$ 2+6k=k(5+k) $$
$$ k^2-k-2=0 $$
$$ (k-2)(k+1)=0 $$
よって
$$ k=2,\quad -1 $$
である。
(2) 数列 $\{x_n\}$ の一般項
(1) で得た $k=2,-1$ を用いると、
$$ u_n=a_n+2b_n,\qquad v_n=a_n-b_n $$
はともに等比数列である。
まず $u_n$ については、比が
$$ r=5+2=7 $$
であり、
$$ u_1=a_1+2b_1=1+2(-1)=-1 $$
だから
$$ u_n=-7^{n-1} $$
である。
次に $v_n$ については、比が
$$ r=5+(-1)=4 $$
であり、
$$ v_1=a_1-b_1=1-(-1)=2 $$
だから
$$ v_n=2\cdot 4^{n-1} $$
である。
ここで
$$ u_n=a_n+2b_n,\qquad v_n=a_n-b_n $$
を連立して $a_n$ を求める。
$u_n-v_n=3b_n$ より
$$ b_n=\frac{u_n-v_n}{3} $$
したがって
$$ a_n=v_n+b_n=\frac{u_n+2v_n}{3} $$
となるので、
$$ a_n=\frac{-7^{n-1}+2\cdot\bigl(2\cdot 4^{n-1}\bigr)}{3} =\frac{-7^{n-1}+4^n}{3} $$
である。
$a_n=\log_2 x_n$ であったから、
$$ x_n=2^{a_n}=2^{\frac{4^n-7^{n-1}}{3}} $$
を得る。
解説
この問題の本質は、積や累乗で定義された漸化式を対数で一次化することである。
その後は
$$ \begin{pmatrix} a_{n+1}\\ b_{n+1} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 5&2\\ 1&6 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a_n\\ b_n \end{pmatrix} $$
という行列の問題になる。 $a_n+kb_n$ が等比数列になる条件は、$(1,k)$ が左固有ベクトルになることに対応している。
さらに、固有ベクトルに対応する2つの一次結合 $a_n+2b_n,\ a_n-b_n$ を作ると、それぞれ独立な等比数列になるため、最後に連立して $a_n$ を復元できる。一次変換の対角化と同じ発想である。
答え
$$ \text{(1)}\quad k=2,\ -1 $$
$$ \text{(2)}\quad x_n=2^{\frac{4^n-7^{n-1}}{3}} $$
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